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「Catch up Premier League」~2022.4.21 プレミアリーグ 第30節 バーンリー×サウサンプトン ハイライト

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■いつも通りのパッケージといつも通りじゃない解決策

 この試合に向けてサウサンプトンは3-5-2という珍しいフォーメーションを組んできた。これはおそらくバーンリーの4-4-2に対応する保持をするための形だろう。数的優位を確保できる3バック、浮きやすい構造のアンカー、そして大外とハーフスペースを併用しやすいサイドの関係性。いずれも3−5−2が4-4-2に対峙する構造的なメリットである。

 立ち上がりのサウサンプトンはこの噛み合わせのズレを最大限に活用しながら『蜂の巣にしてやるぜ!!』感のある迫力のある攻撃を繰り出す。バーンリーはボールを奪うところを定められず苦戦。特に大外で暴れるウォーカー=ピータースを止めることができず、彼のカットインから生まれたシュートをひたすら浴びる序盤戦になった。

 非保持では解決策が見当たらなかったバーンリー。しかし、保持においては早々に解決策を見出す。サウサウプトンの泣き所はやはり連携面だろう。メンバー的にも即席感が強い並びにおいて、コンセプトの外である非保持で振り回される展開は避けたいところなはず。

 それゆえ、高い位置からのプレッシングで捕まえたいサウサンプトン相手には大きく振るように揺さぶりながら相手を壊すアプローチをしたい。そこでうってつけだったのはマクニール。相手を剥がしての大きな展開が得意な彼にボールを集めて決定機が出てくるようになる。サウサンプトンにとっては空中戦でも地上戦でも物足りなさがあるWBを守備で晒される苦しい展開になる。

 保持においてはハーフスペースアタックを仕掛けることができるサウサンプトンのIHも非保持においては逆に動かされる立場に。12分のロバーツの先制点は見事にアームストロングが裏抜けで開けたスペースを利用されることになった。

 サウサンプトンが押し込んでいた立ち上がりは一変、あっという間にサウサンプトンの守備の連携の綻びを見つけたバーンリーが今度は逆に攻め込み続ける。フォースターがいなければ早々にバーンリーに追加点が入っていたはずだ。

 バーンリーは保持で試合を落ち着かせるというらしくない一面を見せながら前半は試合をコントロール。追いかけ回すサウサンプトンのプレス隊を完全にいなしていた。押し込む機会を増やすと、前半終了間際にセットプレーから追加点。先制点以降は100点と言っていい試合運びだった。

 HT明け、ほとんどフォーメーションには手をつけなかったサウサンプトン。保持主体の奇襲ならば当たり前ではある気がする。しかしながら、構造を変えないとなれば、後半もペースが変わらないのは必然である。バーンリーは保持ではある程度サウサンプトンに持たせつつ、自らも持つ形で時計の針を進めていく。オフサイドで取り消されはしたが、60分過ぎにはあわや3点目が入るところだった。

 限られた保持の機会においては、サウサンプトンはなかなか立ち上がりのような保持の火力を見せることはできず。頼みのウォード=プラウズの直接FKも不発となってしまい、PA内で奮闘するバーンリーのバックラインとポープをこじ開けることができず。結局はそのまま試合終了を迎えてしまう。

 フォーメーションをいじる奇襲を仕掛けながらも波の大きさといういつも通りのところを見せてしまったサウサンプトン。いつも通りの形ながら、いつもとは違う一面で劣勢をひっくり返したバーンリー。両チームのコントラストが印象的な一戦となった。

試合結果
2022.4.21
プレミアリーグ 第30節
バーンリー 2-0 サウサンプトン
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:12′ ロバーツ, 44′ コリンズ
主審:スチュアート・アットウェル

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