MENU
カテゴリー

「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 Asia qualifiers」~カタールW杯 アジア最終予選 グループB 第4節 サウジアラビア×中国~ 2021.10.12

画像1

■安全第一でも崩し切れる

 日本を倒しての3連勝。グループ突破のライバルに早くも勝ち点差6をつけ、上々の序盤戦を過ごしているサウジアラビア。今節の対戦相手は前節辛くもベトナムをふりきることが出来た中国だ。

 試合は予想通りサウジアラビアの保持の時間中心で始まった。普段だったら3-2-5の変形から中央にパスを入れて、そこから左右に展開。クロスを上げるというのがサウジアラビアの攻撃の一連の流れなのだが、この日はサイドにボールを流す機会が多かった。

 その理由は中国の5-3-2の布陣にあるように思う。中央偏重のこの形に対して、サウジアラビアの面々は中央を避けたボール回しを行っていた。ナチュラルに配置をすれば、サウジアラビアの4-2-3-1は中央に2CH、トップ下がいるはずなのだが、この日は多くの状況でトップ下のアル=ファラジュのみが中央にいることが多かった。CHの2人はサイドに流れてブロックの外で受ける形である。

 そうなると、サウジアラビアは前に人がいないんじゃない?という状況になる。確かにこれまでのサウジに比べると攻撃の迫力は薄れている感もあった。だけども、その分サイドにおいて丁寧にラインを下げさせてしまえば十分にペースは握れる。

    中国の攻撃は明らかに2トップに渡してからのスピード勝負の様相だったので、進んでその機会を与えるようなショートカウンターをどうしてもサウジアラビアは避けたかったのだろう。ブロックにひっかけないように、外を回しながら押し下げるサウジアラビアだった。

 先制点はサウジアラビア。押し込んだ流れからのセットプレー。外循環がクリティカルに崩しに効いた感じはしなかったが、サイドからきっちり押し込んだゆえの結果だったとは言えるだろう。

 2点目は中国の手薄な大外を突っついたところから。中央を割れなくても問題なく外から叩き割って見せた。失点を重ねる中国は徐々に中盤より前の中央封鎖の意識が低くなってきたため、サウジアラビアはだんだんと外循環にこだわらなくても十分に崩せる展開になっていった。

 後半、中国は帰化組を一気に投入。すると、効果はすぐに。ゴンサアウヴェスのスーパーゴールであっという間に1点差に追いつく。しかし、日本戦でも述べたように中国の帰化組一挙投入は諸刃の剣。攻撃力が上がる一方で、展開をソリッドに維持するのは不可能で無秩序状態になる。

 中国の後半の動きが輝いたのはその一瞬だけ。それ以外の局面では前半よりもさらにのびのびとプレーするサウジアラビアの選手たちを前になす術がなかった。

試合結果
2021.10.12
カタールW杯アジア最終予選 第4節
サウジアラビア 3-2 中国
キング・アブドゥッラー・スポーツシティ
【得点者】
KSA:15′ 38′ アルナージー, 72′ アルブライカーン
CHI:46′ ゴンサウヴェス, 87′ ウー・シー
主審:タンタシェフ・イルギス

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次