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「早速試される大一番の予感」~2022.8.31 J1 第20節 川崎フロンターレ×サガン鳥栖 プレビュー

目次

Fixture

明治安田生命 J1リーグ 第20節
2022.8.31
川崎フロンターレ(3位/14勝4分6敗/勝ち点46/得点40 失点28)
×
サガン鳥栖(8位/8勝13分5敗/勝ち点37/得点37 失点29)
@等々力陸上競技場

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の4勝、鳥栖の1勝、引き分けが6つ。

川崎ホームでの戦績

直近10回の対戦で川崎の4勝、鳥栖の2勝、引き分けが2つ。

Head-to-head

<Head-to-head>
・直近11試合の公式戦の対戦で鳥栖は1勝のみ(D6,L4)
・直近6回の対戦で4回のドロー決着。
・アウェイチームはこのカードにおいて6試合勝ちなし。
・直近4年間の等々力での対戦で両軍合わせて得点は1。

 川崎サポーターからすれば鳥栖は厄介な相手という印象を持つだろう。しかし、鳥栖からすれば川崎も当然厄介な相手。戦績で言えば川崎が優勢。鳥栖が近年で勝利したのは昨年のアウェイ、すでに川崎が優勝を決めた後の試合である。どちらかといえばホームチーム優勢のデータも鳥栖にとっては向かい風だ。

 カードの特徴としてはドローが多いこと。今季の前半戦がそうだったようにこの試合は引き分けが多い。さらにはロースコアももう一つの特徴。等々力ではその傾向に拍車がかかることが多く、4年間で得点が入ったのは昨年の対戦で川崎が決めた決勝ゴールのみだ。

スカッド情報

【川崎フロンターレ】

・足首を負傷し、福岡戦で途中交代したレアンドロ・ダミアンは検査結果待ち。
・韓国に一時帰国していたチョン・ソンリョンはすでにチームに合流。

【サガン鳥栖】

・宮代大聖は契約条項により出場不可。

予想スタメン

Match facts

【川崎フロンターレ】

<川崎のMatch facts>
・リーグ4連勝を達成すれば今季の連勝記録最多タイ。
・直近5試合の公式戦では全て前半に先制点を挙げている。
・直近5試合のホームゲームは無敗。14得点を挙げている。
・リーグ戦の直近4試合のうち、3試合でPKを獲得している。
・直近6試合の公式戦でクリーンシートはない。
・遠野大弥がJ1で挙げた7得点のうち、4得点は九州勢相手に挙げたもの。

 先日の鹿島戦の勝利で今季2回目の3連勝を達成。4連勝になれば、今季の連勝記録最多タイに並ぶ。

 1回目の4連勝の際は全てクリーンシートという守備面でのスタッツが際立ったものだった。今は得点面でスタッツがチームを牽引している。複数得点も増えており、特にホームではここ5試合のリーグ戦で14得点。

 ここ4試合で3つのPKを獲得していることから考えてもPA内への侵入は質が高まっていると言っていいだろう。それ以前の20試合ではPKの獲得はなかった。それと引き換えにクリーンシートは全然ないという状況ではあるが。

 九州キラーの遠野は福岡戦でもグローリを退場に追い込むなど相変わらず九州勢に対する調子の良さを見せつけている。昨年の等々力での鳥栖戦で決勝点を奪い、ここ4年間の同カードでも唯一の得点を挙げている男が今節も相性の良さを見せることができるだろうか。

【サガン鳥栖】

<鳥栖のMatch facts>
・リーグ戦は直近6試合無敗(W2,D4)
・現在の順位のトップ4との試合はここまで5戦全て引き分け。
・直近5試合のリーグのアウェイゲームは15失点。
・前回のアウェイゲームである札幌戦は今季初の逆転勝利。
・チームトップスコアラーである垣田裕暉は今季の7得点全てをホームゲームで挙げている。
・垣田がリーグ戦で挙げた6得点中、4得点は途中交代で挙げたもの。

 リーグ戦は直近6戦無敗。ただ、負けなしという結果は鳥栖にとっていいのかどうかは微妙なところ。何せ引き分けが多い。炎の7連ドローを経験した浦和を上回る13引き分けはリーグ最多。現在の順位がトップ4とのチームと対戦した5試合は全て引き分けになっている。ちなみにリーグ戦での戦績は自分達より上の順位のチームとの対戦は3勝6分1敗、下の順位のチームには4勝7分4敗とあべこべな形になっている。

 シーズン前半は少ない失点数が際立っていたが、ことアウェイゲームでは大量失点に苦しんでいる。直近5試合で15失点を喫しており磐田や神戸のような降格争いをしているチームにも豪快に敗れている。また一度先行されると脆い部分があり、前回のアウェイゲームである札幌戦が今季初めての逆転勝利となっている。

 チームのトップスコアラーの垣田は得点の傾向が偏っていて面白い。まず、今季の全ての得点はホームゲームで挙げたもの、そして点を決めた試合は全勝、リーグ戦6得点のうち4得点は途中交代で挙げたもの。宮代が欠場になる今節は先発の公算が高いが今季アウェイでの初ゴールを決めてチームを勝利に導くことができるだろうか。

予習

第25節 名古屋戦

第26節 札幌戦

第27節 福岡戦

展望

■システマティックなサイドの崩しが中心

 Jリーグは大好きなのだが、不満な部分ももちろんある。その1つが監督コメントが面白くないということだ。チームの事情を考えたり、この先のことを踏まえればしゃべれないこともあるのかもしれないが、品行方正で当たり障りがなかったり、あるいは何が言いたいのかよくわからないというパターンもある。

 そうした中で鳥栖の川井監督のコメントは少しチェックするだけでもキャッチーな表現を使っていたり、チームとしてやりたいことを明らかにしてくれている感じがしていて好感が持てる。こういう若い監督がJ1にどんどん出てきてくれれば試合の前後の注目度ももっと増すかもしれないのになぁと密かに思っている。

 さて、その川井監督が述べているように、今季の鳥栖は3バックと4バックを使い分けていくフォーメーションになっている。基本的には自分達のリソースとやりたいサッカーとを照らし合わせながら形を決めているらしい。とはいえ、札幌相手に3バックで福岡相手に4バックを使ったとすると、多少は相手を見ながら使い分けている節もあるのだろう。きっと、監督は全部は本当のことを言わないはずである。

 それでもさまざまな形を使っているのは事実。というわけで川崎相手にはどのようにくるかは読みにくい。ただ、どの形を使おうと保持に関しては少なくとも大枠の方針は同じであるはずだ。バックラインからボールをつなぎつつ、最終的にはサイドからズレを作りながら敵陣に攻め込んでいく形が彼らのメインストリームである。

 左サイドは岩崎とジエゴが軸。斜めのオフザボールのランを中心に、インサイドに切り込みながらプレーする岩崎。初めから絞りながらのプレーが多い福岡戦のような試合もあれば、外から走り込んでくるようなプレーを軸にする日もある。この辺りのオフザボールの動きのパターンは非常に豊富で相手からすると読みづらい。

 かといって岩崎にばかり気を取られていると、福岡のようにCB間の本田にゴールを決められたり、外から回ってくるジエゴや中野にチャンスメイクを許すというパターンも発生する。縦への強烈な矢印を見せつつ、岩崎が揺さぶってくる横の動きを合わせる形でズレを作ってくる。

 コンビネーションで崩す傾向にあった左サイドに比べれば、右サイドは大外の個人に依存することが多かった。この役割を任せられていたのは飯野だったが、すでに神戸に旅立ってしまっている。

 そんな飯野の代役として白羽の矢が立ったのは長沼。即座にレギュラーとして定着し、右の大外の役割を一手に引き受けている。飯野とは異なるタイプのプレイヤーではあるが、ポジションバランスが大きく崩れておらず的確な補強と言えるだろう。

 余談ではあるが、この飯野と長沼の入れ替えの辺りから4バックへのチャレンジがはじまった感があるので、4バックへ移行のきっかけはこの移籍によるところが少なからずあるかもしれない。長沼は愛媛ではWBをやっていたという話もチラッと見かけたが、飯野に比べるともう1列前に適性がある選手のようにも思う。

 非保持においては基本的には豊富な運動量で相手を圧倒する形。前半は相手をはめ込みながらプレスから主導権を握りゆったりとボールを回していく方針。後半はギアチェンジしながらペースアップして勢いを増していく形である。保持だけでなく、非保持においても相手を見ながら勝負所を定められるチームである。どちらからでもペースを作れるチームであり、川崎からすると非常に厄介と言えるだろう。

■攻守に突きつけられる課題

 中3日というタイトな日程で迎える鳥栖戦は強度の部分で怖いのは大前提である。それでもボールを繋がながら得点まで持っていくところに関しては川崎もシーズン序盤に比べれば上手く回っていると言っていいだろう。

 ボール回しの復調の要因としては登里の復帰が大きい。相対的にプレスが弱まりやすいSBに登里が入ったことで、バックラインからの保持の安定感は上がるし、WGへのサポートが適切であるためサイド攻撃の強度も高い。じっくりと攻めるだけでなく、攻撃を加速させる動きを見せられるのは流石である。

 シミッチの状態が上がっているのも川崎にとっては追い風だ。アンカーが捕まってどうしようもないという試合はほとんどなく、次の選択肢を意識しながらの受け方を増やすことで、ボールをロストする回数は極端に減少している。去年と比べてボールを受けて捌く存在感が別格。

 空間さえ作れれば、そもそも彼の左足はスペシャル。おそらく前から激しくマークにくる鳥栖相手にも機能すればいよいよワンランク上の司令塔になったといえそう。前から潰しにくる鳥栖相手に彼の大きな展開を活かせるかはチームとしても死活問題だ。

 非保持においては川崎の課題は健在。やはり今季の終盤戦はルヴァンカップのC大阪戦で見せた中盤より前でピッチのどこに追い込むかの意思疎通が不十分であるという部分に向き合う必要がある。要は中盤から前のプレスの方向がバラバラで相手を圧縮できない状況でフリーの選手を作られてしまい、クロスやミドルを許してしまうという状況である。例えば、下の図の小林のように、逆サイドで警戒すべき存在がフリーなのにサイドチェンジは許容してはいけない。

 正直、福岡戦や鹿島戦のように勝った試合でも狙ったところにボールを追い込めない問題は顕在化している。相手のスキルが不十分で、ボールを早く正確に動かせなかったり、それ以上に得点を取ることで覆い隠しているが、いつ爆弾が爆発するかはわからない。

 鳥栖はこうしたボールの動かし方が得意な相手。スムーズなサイドチェンジも逆サイドからの攻め上がりも迫力が十分で、川崎が守備の方向で追い込むことで失敗してしまったら、そこを得点まで持っていかれる。明確な攻略方法を持っているチームであり危険度は高い。

 もう一つ、直近の鳥栖で気になるところは後半のペースアップだ。後半にペースが落ちやすい札幌や、熱戦となった九州ダービーなど舞台装置による後押しもある感があるが、後半は強度重視のスタイルの打ち合いを行うことが最近の鳥栖は多い。

 川崎からするとトランジッションで対抗するのは当然。その上で、前節の鹿島戦での後半の保持の時間をベースアップしたい。試合を落ち着かせるだけではなく、得点を奪い切って試合を決めるところまで持っていけば理想。前節のレビューでも話したように、その点でのキープレイヤーは大島と小林である。

 鳥栖は完成度が非常に高い強敵だろう。川崎との相性も悪くないように思う。川崎からすると保持も非保持もシーズン終盤に向き合うべき課題をいきなりぶつけられる形になる。厳しい一戦になりそうだ。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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