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「シティに学ぶ攻略の手がかり」~2022.8.20 プレミアリーグ 第3節 ボーンマス×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第3節
2022.8.20
ボーンマス(11位/1勝0分1敗/勝ち点3/得点2 失点4)
×
アーセナル(2位/2勝0分0敗/勝ち点6/得点6 失点2)
@ヴァイタリティ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でボーンマスの1勝、アーセナルの7勝、引き分けが2つ。

ヴァイタリティ・スタジアムでの対戦成績

 過去6戦でボーンマスの1勝、アーセナルの3勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

・ボーンマスは直近10試合のプレミアでもアーセナル戦で1勝のみ(D2,L7)
・ミケル・アルテタの監督初陣は2019年のボクシング・デーのボーンマス戦。1-1の引き分けであり、これがリーグでの最後の対戦。

スカッド情報

【Bournemouth】

・足首の負傷を抱えているドミニク・ソランケは当日判断。
・ジョー・ロスウェル、ライアン・フレデリックスは欠場。ジョーダン・ゼムラはCovid-19から復帰予定。

【Arsenal】

・ファビオ・ヴィエイラにはデビューの可能性。
・セドリック・ソアレス、エミール・スミス・ロウは起用可能な見込み。

Match facts from BBC sport

【Bournemouth】

・直近11試合のホームでのリーグ戦で無敗(W7,D4)
・ホームでの最後の敗戦は0-1で敗れた2月のFA杯4回戦のボレアム・ウッド戦。
・2010年(当時はリーグ2所属)以降、初めてのリーグでの4戦連続クリーンシートを狙う。
・開幕2試合で10本のシュートはリーグ最少。
・キーファー・ムーアは直近3試合のホームでのリーグ戦で得点を決めている。
・ドミニク・ソランケは次の得点がボーンマスでの公式戦の50得点目。

【Arsenal】

・18年ぶりの開幕3連勝を狙う。
・1993年以来の開幕アウェイ2連続クリーンシートの可能性。
・直近19試合でドローがなく、現在リーグで最長。
・ブカヨ・サカはセスク・ファブレガスに続き、アーセナル史上2番目に若いプレミア100試合出場を達成する見込み。

予想スタメン

展望

■陣地回復はロングボールに一工夫を

 開幕には早々に今季初勝利を挙げることが出来たボーンマス。2節目こそシティに敗れてしまったが、エティハドで昇格組が勝ち点を奪うことの難しさを考えれば仕方ないともいえるだろう。

 2試合ともスターターのフォーメーションは5-4-1。試合の中で5-3-2にも変化するケースもあるが、今のところは5-4-1がメインといっていいだろう。

 トップのムーアはボランチ周辺をフラフラすることが多く、他の選手たちも重心を下げている。WBも無理に5バックから飛び出すケースは多くはなく、相手のCBにはボールを持たれることをチームとして許容することが共有されている印象を受ける。なので撤退志向が強いチームという考え方で間違いはないだろう。まずは5-4-1で自陣側を埋めるのが基本線となる。

 自陣の低い位置で相手を迎え撃つスタイルのチームがぶち当たりやすい課題の1つに「陣地回復どうするねん!」というテーマがある。真っ先に思い付くのは1トップへのロングボールである。ボーンマスも実際にこの手段を活用している。

 しかしながら、撤退型の5-4-1の難しいところは2列目の重心が低くなりやすいせいで、ロングボールを受けたトップの選手が孤立してしまい、ボールをキープできないというところにある。1人でボールを運べる選手がいない限りはボールを拾う選手が陣地回復には必要になるだろう。

 ボーンマスはこの問題にバックラインのボール保持の耐性を担保に立ち向かっている印象だ。彼らはロングボールを蹴る前にショートパスを何本かつないでから蹴りだす意識が強い。相手のハイプレスにつかまるリスクを取りながらもこうした行為を行っている理由はおそらく2列目がムーアへのロングボールを拾える立ち位置を整えるための時間稼ぎだろう。

 ただ、ボーンマスは自陣の選手を比較的自由に配置できるゴールキックからのリスタートにおいても、ショートパスを何本かつないでからのロングボールを活用している。この側面を踏まえれば彼らの違う狙いが見えてくる。それは敵のプレスをあえて自陣側に引き込むことである。

 何本かボールをつなげばシティのようにプレス志向の強いチームは敵陣に多くのプレス隊を送り込むことになる。そうなれば、相手の陣内に残る守備の人数は当然減ることになる。ボーンマスはロングボールを受け取ったシャドーがプレーする際の状況を楽にしたいという狙いがあるように思う。

 相手を引き込み、敵陣の人数を減らしたうえでロングボールを仕掛ける。ハイボールでの陣地回復を自陣でのプレス耐性でさらに強化する。ボーンマスの保持にはそうした青写真が垣間見えるといっていいだろう。

■大外の優位をより生かすには?

 アーセナルが留意すべき点はまずはプレッシングである。当然できることならば取り切りたい。けどもまぁ個人的には蹴られてしまっても仕方ないかなと思う。

 これまでの2試合を見る限り、ロングボールのターゲットになるムーアは左に流れることが多い。ということはアーセナルは右サイドで彼らのロングボールを迎撃することになる。こちらのサイドはサリバや冨安など空中戦に強みのある選手が多いので、蹴られたとしても対応できる可能性は十分にあるだろう。ボーンマスの攻撃のターンはアーセナルの右サイドの高い対空性能を生かしながらきっちりとシャットアウトしたい。

 ボール保持の面で気にしたいのは大外の優位である。今季はあまり活用する機会が少ないが、やはりサカとマルティネッリが大外で立つことで生まれる優位はあるし。5バック相手であればやはりここは重要だろう。シティのようにインサイドで崩すことができればかっこいいけども、やはり中央を強引に崩すアプローチは被カウンターなどのリスクも伴う。大外できっちり押し下げながら彼らの優位を活用したい。

 外の崩しにおいてもシティのやり方は参考になる。シティが今季行っているのはロドリの周辺にSBを置くアプローチである。このやり方のメリットはSBに相手のシャドーがついてくることによって大外への導線がクリアになることである。

 大外にボールを付けやすくなること以外にもメリットはある。この形だとシャドーの意識は前のSBにある。となると、大外にボールを付けた際にWBのカバーに入るのはワイドのCBかCHになる。

 つまり、WBのカバーに出てくる選手が中央かPA内のスペースを空けることになる。こうなればより中央のスペースを活用しやすくなる。

 デメリットとしてSBが低い位置で仕事をする分、攻撃の参加は難しくなる可能性はある。それならば、例えばアンカーのフォローをするSBを1枚にするなどの工夫もあり。実際にボーンマス戦のシティはウォーカーをロドリ周辺に置いたまま、逆サイドのカンセロを大外の高い位置でプレーさせる機会が多かった。

 仮にSBが攻撃参加できないとしても今季見せている柔軟性でカバーは可能だろう。右サイドにとらわれないウーデゴール、サイドに流れても決定機創出ができるジェズス、そして前線に飛び出すことができるジャカ。今季見せているアーセナルの武器の幅は多少ポジションのバランスを変えても成り立つものばかりだ。ブロック攻略に柔軟性を見せながら開幕3連勝を狙いたいところである。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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