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「翼を失った時に」~2022.4.4 プレミアリーグ 第31節 クリスタル・パレス×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第31節
2022.4.4
クリスタル・パレス(12位/7勝13分9敗/勝ち点34/得点39 失点38)
×
アーセナル(4位/17勝3分8敗/勝ち点54/得点44 失点31)
@セルハースト・パーク

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でクリスタル・パレスの2勝、アーセナルの3勝、引き分けが5つ。

セルハースト・パークでの対戦成績

 過去10戦でクリスタル・パレスの1勝、アーセナルの6勝、引き分けが3つ。

Head-to-head from BBC sport

・クリスタル・パレスは直近9試合のプレミアでのアーセナル戦で1勝しかしていない(D5,L3)。
・リーグ通算の43回の対戦でクリスタル・パレスは4勝しかしていない。
・アーセナルは直近16試合のアウェイでのリーグのパレス戦で1敗のみ(W8,D7)。しかし、その1敗は2017年4月のマンデーナイト開催の試合(3-0)

スカッド情報

【Crystal Palace】

・ミカエル・オリーズ(足)、ウィルフリード・ザハ(ハムストリング)はそれぞれ負傷で出場が不透明。
・ジェームズ・マッカーサーとナタン・ファーガソンは当日判断。

【Arsenal】

・筋肉系のトラブルでアーロン・ラムズデールは2試合連続の欠場の見込み。
・ブカヨ・サカはイングランド代表を病気で離脱後、トレーニングに復帰。起用可能な見込み。
・10週間ふくらはぎの負傷で離脱した冨安健洋も起用可能。

Match facts from BBC sport

【Crystal Palace】

・2022年になってからリーグでのホーム戦勝ちなし(D2,L3)。しかし、FA杯ではセルハーストパーク開催の試合は3試合全勝で合計スコアは8-1。ホームでこれ以上に勝てていないのはワトフォード(8)とブライトン(6)のみ。
・直近10試合の公式戦では1敗のみ。2/19にホームで敗れたチェルシーとのリーグ戦。
・直近15試合のマンデーナイト開催の試合は1勝のみ。2021年2月のブライトンとの試合。
・今季のマンデーナイト3試合は全てドロー。うち1試合は2-2で終わったアーセナルとのアウェイゲーム。
・直近17試合のプレミアでのロンドンダービーで1勝のみ。9月にトッテナムを3-0で倒した試合。
・勝てばクラブ史上初めてアーセナルとトッテナムに共に勝利したシーズンになる。
・ここまで39得点で、昨季のトータルのゴールより2つ少ないだけ。
・ミカエル・オリーズはプレミアで今季8アシスト。2013年の昇格以降に単一シーズンでこれより多いアシストを記録したのは16-17のウィルフリード・ザハ(9)のみ。

【Arsenal】

・直近5試合のプレミアでのアウェイで全勝。同一シーズンでの連勝記録としては8連勝している2022年以来の記録。
・勝てばマン・ユナイテッド(301)、チェルシー(262)に続きプレミアでのアウェイ250勝目になる。
・勝てば昨シーズンの勝利数に並ぶ。
・負ければ12月のエバートン戦に続き、12年ぶりのマンデーナイト連敗になる。
・2015年3月以来のロンドンダービー3連勝を狙う。
・エミール・スミス・ロウとブカヨ・サカは共に9得点でチームのスコアリーダー。21歳より下の選手として2桁得点を達成した選手はアーセナルにおいては98-99のニコラ・アネルカのみ。

予想スタメン

展望

■攻守に向上の兆しあり

 エミレーツでの前半戦の試合は終了間際のラカゼットのゴールでアーセナルが追いついてのドローという劇的な幕切れだった。勝利をすんでのところで逃したヴィエラがうずくまりながら悔しがる姿が記憶に残っているアーセナルファンも多いのではないだろう。

 直近のパレスはやたら波のある成績となっている。リーグ戦は6試合勝ちなしというトンネルを脱出してから、現在は4試合無敗の真っ最中。前節はシティを止めて見せたり、3試合連続での無失点を貫いたりなど成績もなかなかに目覚ましいものになっている。

 ボール保持に関しては前回対戦時と大まかには同じ。4バックから3-2-5に変更しての可変で保持を行う。

 あえてこの時と変わったことを挙げるとすれば、右のWGでオリーズがレギュラーを確保したことくらいだろうか。大外でタメを作り、そこからの突破やクロスなどエリア内にボールを持ち運ぶパターンをいくつか持っているおリーズの定着はパレスにとっては新しい武器の装填と言っていいだろう。

 今季のパレスの攻撃における重要なポイントとしてはギャラガーにいかにスペースを与えて、抜け出すきっかけを与えるか?である。相手を引きつけてギャラガーの動き出しができるスペースを創出できるオリーズの存在には味方も助けられている。

 逆サイドのザハも好調。シーズン序盤に感じられた異物感はだいぶ薄れ、パレスの3-2-5の枠組みの中に溶け込んでいると言っていいだろう。起用する収支は明らかにプラスに傾きつつある。

 左サイドはIHの人選が攻撃色の強いタレントに変わりつつある。バランサー色の強いマッカーサーよりもシュラップやエゼが徐々に出場機会を増やしている。ここの人選が変わったことは好調の要因の一つと言えるかもしれない。ザハのサポート役兼ザハのスペース創出の恩恵を受ける飛び出しができるシュラップは特に堅実な働きを見せている。

 これに加えてCFはベンテケとエドゥアールとのレギュラー争いを制したマテタが定着。CBとの競り合いでのロングボールとの起点作りを黙々とこなしている。オリーズの定着、IHの人選固定と共にパレスの成績が安定してきた一因と言えるだろう。

 後方においてはアンカーにクヤテが入る機会が増加。彼が入ることによって大きいのは、チームが押し込まれた際にPA内に入った守備のサポートができること。4バックではハーフスペースが空いてしまうという弱点があるが、最終ラインが5枚ならば5レーンを埋めた迎撃の仕方ができる。特にシティ戦はこの形を見せられないと厳しかったのではないだろうか。この部分はクヤテにとって相当しんどかったであろう最終ラインの経験が生きている形である。

 撤退守備は向上の兆しはある。弱みとされてきたセットプレーに関しても、今季はやたらセットプレーに関して強さを見せているシティに対して無失点で凌ぐなど成果は出てきている。危うい場面もないわけではないけども、3試合連続なしというのは大きな成功体験である。

■WGの出場可否は?

 というわけでこの試合の大きなポイントになるのは、負傷欠場が噂されるオリーズとザハの出場可否である。ロングカウンターの旗手になれる彼らの出場が難しいとなれば低い位置で構えるパレスの攻撃はなかなか成立しにくい。よって、高い位置からのプレッシングに出ていく攻撃の形を模索しなくてはいけなくなる。撤退守備で凌ぎ切るのとは異なる手段を用意しなければいけない。

 定点攻撃における糸口も両サイドだっただけに苦しい戦いが予想される。攻撃のパターンの1つであるギャラガーの飛び出しを生かす形を使うにはマテタが相当に体を張らなければいけなくなる。

 一方のアーセナルの懸念点も出場が危ぶまれるサカである。プレイスタイルは異なってはいるが、大外で相手を引きつけることはできるし、味方にスペースを与えているという意味ではザハやオリーズのように重要な役割を担っているといえる。彼がいなければここ数試合ほどは右サイドの優位は見込めない可能性もある。

 なので両チームにとって重要なのはまずは両翼のタレントがどれだけ揃うかである。サイドでの優位を維持できるかどうかがまずは大事。

 仮にWGが万全だった場合、互いにハーフスペースからの抜け出しは狙い所になる。アーセナルは目線で言うと非保持は中盤のプレスバックが間に合うか。特に左サイド。ギャラガーの飛び出しが多いこちらのサイドにジャカとマルティネッリが対応できるかはポイントになる。保持においてはクヤテが最終ラインに入り、5バックを作り上げる前に攻略し切りたいところ。

 もしWG陣がプレーできないとするのならば、苦しいやりくりになるのはパレスの方だろう。アーセナルは大外に張れるペペの登用か、中央でのつながりを活用できるスミス・ロウの起用でダメージは少なく抑えられる公算がある。翼を失ったリカバリーの質でパレスに差を見せつけたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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