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「沼とハイクロスにハマらない」~2022.1.23 プレミアリーグ 第23節 アーセナル×バーンリー プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第23節
2022.1.22
アーセナル(6位/11勝2分7敗/勝ち点35/得点33 失点25)
×
バーンリー(20位/1勝8分8敗/勝ち点11/得点16 失点27)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

図1

 直近5年の対戦でアーセナルの7勝、バーンリーの1勝、引き分けが2つ。

アーセナルホームでの対戦

図2

 直近10試合の対戦はアーセナルの9勝、バーンリーの1勝。

Head-to-head from BBC sport

・バーンリーは直近18試合のリーグのアーセナル戦で1勝のみ。アウェイで0-1で勝利した昨季のもの。
・バーンリーには史上3回目のリーグでのアーセナルホームでの連勝のチャンス。1960年が第1回。
・2008年にバーンリーが2-0で勝ったリーグカップが直近17試合の彼らのこのカード唯一の複数得点。

スカッド情報

【Arsenal】

・トーマス・パーティはグラニト・ジャカと共に出場停止。
・ニコラ・ぺぺ、モハメド・エルネニーはAFCONで欠場。セドリック・ソアレスとカラム・チェンバースは引き続き離脱の見込み。

【Burnley】

・16人の1stチームの選手が可能とのこと。
・エリック・ピータース、ヨハン・グズムンドソン、ドワイト・マクニールはCovid-19から復帰し、トレーニングに参加。
・コナー・ロバーツもフィットの見込みだが、チャーリー・テイラーは足の怪我で当日判断。マックスウェル・コルネは代表召集で起用不可。

Match facts from BBC sport

【Arsenal】

・年始初めのリーグ戦のホームゲームで連敗すれば1962年以来。
・しかし、ホームでのリーグ戦は今季10試合で7勝。昨季トータルより1勝少ないのみ。
・先制点を奪われた試合は4つでリーグ最少。しかし、先制点を奪われた試合で全敗している唯一のクラブでもある。
・リーグ戦の33得点のうち18点は21歳以下のプレイヤーによって記録されたものであり、他クラブより7点以上多い。
・ブカヨ・サカはプレミア史上最年少(20歳と140日)での出場した6試合連続の得点orアシストのチャンス。直近さ5試合の出場で4得点2アシスト。

【Burnley】

・4部以上のリーグ戦5000試合目(プレーオフは含まない)。プレストン・ノース・エンドに続いて2クラブ目の記録。
・今季のリーグ戦20試合で1勝のみ。10/30のブレントフォード戦での3-1の勝利が唯一。
・今季のプレミアでのアウェイゲーム11試合で未勝利。
・直近2試合のアウェイゲーム(リーズ、マンチェスター・ユナイテッド)はいずれも3-1での敗戦。3試合連続で3失点以上失点すれば2016年の10月以来。

予想スタメン

展望

■沼に引き込みたいバーンリー

 ここ数年は出遅れが伝統芸能と化しているバーンリー。今年も例によって出遅れてしまい、残留争いにがっつり巻き込まれることとなった。結局出遅れても残留しているということは、巻き返しをしているだからことだろう。確かに火事場のバーンリーは強い。

 だが、今年は少し様子が違う感じもする。最下位という今の順位は、この瞬間だけを考えれば他チームよりも2試合以上少ない消化試合の数で説明は出来る。しかしながら、現時点で消化試合が少ないということは裏を返せばここから消化する試合が他のチームよりも多いということである。選手層が薄く、かつメンバーを固定して戦う傾向にあるバーンリーにとっては過密日程は非常に相性が悪い。今後の日程は不安要素の一つになりえるだろう。

 それにエースのウッドが残留争いのライバルであるニューカッスルに旅立ってしまったのも大きい。直接のライバルであるバーンリーの手足をもいでくるとはニューカッスルはなかなかにえぐい所業である。

 ただ、ウッドに関しては体を張った陣地回復も少ないチャンスを決めるしたたかさも昨シーズンに比べると割引になっている。今季は特に決定機の部分で物足りなさが目立つのも事実だ。

 バーンリーとしては早い攻撃が主体なのは変わらないが、ウッドを使ったロングボールを収めての前進という手段に対する依存度は昨シーズンほどではない。

    フィニッシュに関して言えば、より結果を出しているのは新戦力のコルネの方。マークがウッドと分散していたことを考えれば、当然影響はあるだろうが得点の部分で頼りになったのはむしろ彼である。細かい離脱を繰り返すコルネが残りのシーズンでどれだけ稼働できるかはバーンリーの残留を分ける大きなポイントになりそうだ。

 ウッドがいない分、さらにロングボールが収まりにくいことが想定されるバーンリー。彼らが狙いたい展開は互いに全体が間延びしたダラっとした形である。どちらボールかはっきりせずになんとなくボールが空中を待っていて、互いに中盤にはスペースがあるという状況。文字にするといかにも楽しくなさそうな状態が彼らの理想である。

    ウッドという前線の核を失い特定へのFWに対しての陣地回復の期待が薄い現在のスカッドではこのバーンリー沼に相手を引き込むのが急務である。ダラっとした展開でコルネorセットプレーで先手を取り、守りを固めて逃げ切るのが彼らの青写真だろう。ただし、この試合ではAFCONでコルネは不在。いつも以上に厳しい台所事情となる。

■CBを集中させない

 だが、今季のバーンリーはこの理想を実現させるのに苦労している。今季のリーグ戦においての7回のリードのうち、これを守り切ることが出来たのは1回だけ。6回は追いつかれるか負けてしまうかのどちらかである。

    いい時のバーンリーは失点が少ないのだが、今季のバーンリーはそうでもない。このままのペースで行けば年間で50点後半から60点くらいは失点する。得点力を考えれば残留争いは当然の結果である。

 バーンリーの守備は様子見のプレスと撤退守備の組み合わせが基本。なるべくならば、敵陣でボールを取りたいけども、相手の保持がこちらのプレスを上回っていると白旗をあげて撤退する。人重視の守備であり、連動性もそんなに高くないためプレスの空転は珍しくはない。

 アーセナルからすると、まずはジャカとトーマスが揃って不在の状況の中でバーンリーに白旗をあげさせることができるかがポイントとなる。前回のバーンリーとの対戦は勝ちはしたものの、勝った試合の中ではシーズンワーストクラスの内容。前回の反省を踏まえ、後ろに重くなりすぎずにCH,CB,SB,GKの力でアタッカーにいい形でボールを渡したい。

 ファイナルサードにおいては何よりもハイクロスにこだわらないこと。この土俵においてはバーンリーは依然強さを誇っている。逆にいえばクロスはクロスでもスペースにあげるクロスならば十分に効果があるということである。バーンリーはハイクロスを跳ね返す力はあるけど、撤退守備が特別強固なチームではない。

 クロスを上げる前の段階で十分に揺さぶることが出来れば綻びは見えてくる。DF-MFのラインの間、CB-SB間の裏に抜ける動き。バーンリーのCBコンビにPA中央以外の場所をどこまで意識させることができるかが重要。動かすことができれば、カバーリングが苦手なバーンリーの守備は穴が空きやすい。そうなれば鋭いクロスを入れるチャンスは出来てくる。バーンリーの守備陣は鋭いクロスには相手に触れずにフリーのままシュートを許すことも珍しくはない。

 まずは彼らのプレスを回避し、ダラっとした得意パターンの沼にハマらないこと。そして、押し込んだあとはハイクロスを上げざるを得ない停滞した状況を避けること。この2つを抑えれば3ポイントは見えてくるはず。

 前半戦もターフ・ムーアで何とかもぎ取った勝ち点3でチームの状態は上向き始めた。カップ戦でのタイトル挑戦権を失ったいま、残る目標はたった一つ。目標に向けての再浮上を前半戦と同じバーンリー戦で決めたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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