MENU
カテゴリー

「赤字解消まであと一歩!」~2021.11.7 プレミアリーグ 第11節 アーセナル×ワトフォード プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第11節
2021.11.7
アーセナル(6位/5勝2分3敗/勝ち点17/得点12 失点13)
×
ワトフォード(16位/3勝1分6敗/勝ち点10/得点12 失点18)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

図1

 直近5季の対戦でアーセナルの6勝、ワトフォードの3勝、引き分けが1つ。

アーセナルホームでの対戦

図2

 直近5年間の対戦でアーセナルの6勝、ワトフォードの4勝。

Head-to-head from BBC sport

・アーセナルは直近14試合のワトフォード戦で11勝(D1,L2)
・ワトフォードは2017年1月にエミレーツで1-2で勝利しているが、それ以外の6試合のプレミアのエミレーツでのゲームは全敗。

スカッド情報

【Arsenal】

・キーラン・ティアニーは日曜の試合で復帰を示唆されており、唯一の欠場者はグラニト・ジャカになる見込み。

【Watford】

・ももの怪我をしているフランシスコ・シエラルタと臀部の怪我をしているキコ・フェメニアは復帰の見込み。
・エマニュエル・デニスは1試合の出場停止から復帰。
・ケン・セマとクワド・バーは今週の負傷で欠場の予定。クリスティアン・カバセレとピーター・エテボも欠場が続く。

Match facts from BBC sport

【Arsenal】

・公式戦9試合負けなし(W7,D2)。2020年の1月から2月に記録したアルテタ政権下での無敗記録にあと1つで並ぶ。
・この試合はアルテタの公式戦での100試合目の指揮。アルテタ監督在任時のプレミア100ゴール達成まであと1つに迫っている。
・前半の得点が75%でリーグ最多。
・9月開始時から得た17ポイントはチェルシーに次いで多い。
・昇格組とのホームゲームは31試合無敗(W26,D5)。日曜日の試合は最後に昇格組のニューカッスルに敗れてからちょうど11年になる。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは5試合のプレミアでのワトフォード戦で6得点を挙げている。

Watford

・リーグ戦で敗れた6試合で無得点だが、勝ち点を奪った4試合(W3,D1)で12得点を挙げている。
・2017年9月以来のプレミアアウェイ戦連勝を狙う。
・直近5試合の1部でのアウェイゲームの勝利は全て異なる監督。ハビエル・グラシア、キケ・サンチェス・フローレス、ナイジェル・ピアソン、シスコ・ムニョス、クラウディオ・ラニエリ。
・20試合連続トップリーグでのクリーンシートなし。クラブレコードタイ。
・出場すればダニー・ローズは200試合目のプレミア出場。デビュー戦は2010年、トッテナムにて。対戦相手はアーセナルで得点を奪っている。

予想スタメン

画像3

展望

■前と後ろの歪みを中盤が汗をかいてカバー

 今季プレミアで初めての監督交代を行ったのは今節の対戦相手のワトフォード。シスコ・ムニョスから経験豊富なクラウディオ・ラニエリに変更し、再建に挑むこととなった。

 解任は致し方ないだろう。今季は開幕戦こそアストンビラに勝利したが、あの試合は自由にカウンターを打てたからこそ。ふわふわしているイージーな悪い試合のアストンビラだからなんとかなった部分は否めない。

 大きな問題となっているのは守備の局面である。今季のワトフォードは4-1-4-1と4-2-3-1の併用だが、どちらにしても守備の組織に大いに問題がある。ワイドの攻撃的なアタッカーにあまり守備のタスクを課していないところがこの問題を引き起こしている一歩目である。

 どちらのシステムを採用するにせよ、サイドのアタッカーが2列目に合わせて戻ることをしないので、相手のサイド攻撃に対して恒常的に数的不利の状況で受けることが多発する。加えて、個人の守備の能力を見てもプレミアで猛威をふるえるほどの凄腕はいない。それどころか最終ラインのパフォーマンスはあまりいいものとは言えない。

 今季、特に出来の悪さが際立つのはMatch factsでも名前が上がっていたダニー・ローズ。デビュー戦であり、ゴールを決めたアーセナルという相手自体は彼にとって燃えるものかもしれないが、今季のパフォーマンスが変わっていないようならば、彼が出てきてくれた方がむしろアーセナルにとっては有難いだろう。

 遅れて出ていく中途半端なチャレンジと、出ていった場所を越されてからのリトリートをサボる姿勢はまるでWGやストライカーのそれであり、バックラインの一角としては非常に厳しいパフォーマンスと言わざるをえない。ラニエリ政権下になってからめっきり出場機会が減ったのも仕方ないと言わざるを得ない。

 その穴を埋めるのは運動量豊富なセンターハーフ陣。シソコ、クレヴァリーなどプレミア経験豊かなベテラン陣が頼りないDF陣やサボりがちなFW陣のカバーに走り回るというのがワトフォードの基本的な守備の構造になっている。

 プレミアで十分通用しそうなのはアタッカーの質である。デニス、サールのWG陣は自陣に下がらない分、独力で相手陣をこじ開けられるスキルを有している。早い攻撃の打ち合いになってしまえば勝ち目どころか大量得点の可能性すら十分にあるチームである。ハットトリックを決めたキングも勢いに乗っているだろう。

 ただし、早い攻撃以外の手法で敵陣を壊せる武器は有していない。一旦スローダウンさせれば、怖さは半減する。直線的にゴールに進めるか否かがワトフォードの攻撃の成否を分けるだろう。

上積みを結果で示したい

 ここを切り抜ければトップ4への挑戦権を得られるという意味でアーセナルとしては重要な一戦である。相手の力関係を考えてもここは勝ち点3を確保しておきたい。

 守備のアラが目立つワトフォードに対しては十分にゴールチャンスは作れると見る。ワトフォードの守備で一番厄介なのは潰し屋がいる中盤である。ただし、MFがいくら走り回っても最終ラインの押し上げができないし、個人個人が独立して襲いかかってくるので、横や縦のスライドは甘い。ラニエリになってもここは依然改善されおらず、即効性のある対処法は見つかっていない。

 アーセナルの得意な早い攻撃はもちろん、ライン間の管理が甘いとなればサカやスミス・ロウが躍動するチャンスは十分に得ることができる。少ないタッチでの連携が向上しているトーマスとロコンガがパフォーマンスを維持できれば前進はできる。バックラインが持ち運び、中盤がより高い位置でプレーできれば、ラカゼットがよりゴール前でのタスクに集中できるはずだ。

 まずは守備の意識が薄いワトフォードの前線に対してアーセナルのバックラインと中盤がきっちりボールを運ぶこと。アストンビラ戦、レスター戦の連戦を見る限りはワトフォード相手にも前進することは心配していない。バーンリー戦のような後ろに重たくなる悪癖が出ない限りは、バックラインからボールを運び前線に人を送り込むようなビルドアップはできる。

 むしろ、ここでしっかり前進できることを示しアンフィールドに自信を持って乗り込みたいところである。目標は得意な速攻やセットプレーだけでなく、押し込んだ相手からブロックを崩して点を取ることである。

 だが、ワトフォードの速攻は強力。直線的な攻撃は既に述べたように一度スローダウンさせて、落ち着かせられるか否かが勝敗を大きく分ける。WG裏にダイレクトに蹴るボールも多痛め、アーセナルにはサイドの守備での個人戦で優勢に立つことが求められる。

 おそらくだが、冨安のサイドは空中戦でもスピードでも十分にやれるだろう。問題は逆サイド。守備の局面で晒される部分がまだ未知数のタバレスや復帰明けのティアニーは相手のアタッカーの中でも最も強力なサールと対峙することになるのは不安要素ではある。

 しかし、チームのスタイルで見た時にスピード系アタッカーとの対峙はむしろ相性はいい方だろう。ガブリエウのフォローも含めて懸念の左側も十分に対抗できるはず。前を向かせて加速させなければ、ローラインでの守備はあまり心配していない。

 速攻から暴発させて失点を重ねることだけはどうしても避けたい。グディソン・パークでの彼らのパフォーマンスを見れば、終盤にも火力十分でカウンターを打ちまくることができる馬力はある。ポゼッションでの消極的な振る舞いも含めて、後半の試合運びに課題のあるアーセナルと彼らのカウンターラッシュが噛み合ってしまえば、ワトフォードにも勝機は十分にある。アーセナルは試合をなるべく長い時間制御するトライをするべきだ。

 ここで勝利すれば得失点差のマイナスは解消する。パフォーマンスも含め、ようやく上昇気流に乗ってきたアルテタのアーセナル。勢いを止めずにワトフォードをねじ伏せたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次