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「週に一度のお楽しみ」~2021.10.2 プレミアリーグ 第7節 ブライトン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第7節
2021.10.2
ブライトン(6位/4勝1分1敗/勝ち点13/得点8 失点5)
×
アーセナル(10位/3勝0分3敗/勝ち点9/得点5 失点10)
@アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

図1

 過去10回の対戦でブライトンの3勝、アーセナルの5勝、引き分けが2つ。

ブライトンホームでの対戦成績

図2

 過去10戦でブライトンの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが1つ。

Head-to-head from BBC sport

・昨季はアーセナルのシーズンダブル。しかし、直近8戦のブライトン戦でアーセナルが勝利したのは3回のみ(D2,L3)
・アーセナルは1981年以来のブライトンのホームでの連勝を狙う。
・過去にブライトンがアーセナルより上の順位で行われたリーグ戦は1回だけ。1982年にハイバリーでゴールレスドローとなった一戦。

スカッド情報

【Brighton】

・直近2試合を膝の怪我で欠場しているイヴ・ビスマは当日判断。
・ダニー・ウェルベック、スティーブン・アルザテはパレス戦で負傷し起用不可。エノック・ムウェブ、アダム・ウェブスターは引き続き欠場の見込み。

【Arsenal】

・先週、膝の怪我で3ヶ月の離脱が見込まれるグラニト・ジャカが唯一の欠場者。

Match facts from BBC sport

Brighton

・8月にエバートンに0-2で敗れた試合が直近8試合のリーグ戦のホームゲーム唯一の敗戦。
・この8戦のうち5勝を挙げており、それ以前の29試合のアメックススタジアムでのホームゲームと同じ勝利数。
・2021年のホームでの7つのクリーンシートはチェルシー、マン・シティ(共に9)に次いで多い。
・2017年以降、与えているPKの数は24。これはトッテナム(26) とレスター(24)に次いで多い。
・16本の枠内シュートはマン・シティに次いで多い。
・ニール・モペイは今季のシュート決定率が44.4%(ブロックショットも含めて4/9)。5本以上シュートを放っているプレイヤーの中で最も高い。
・モペイは直近2試合の先発したアーセナル戦でいずれも決勝点を挙げている。

【Arsenal】

・1982年のアストンビラ、1996年のウィンブルドン、2002年のウェストブロムに次いでトップリーグにおいて開幕3連敗の後、3連勝した4つ目のチーム。
・直近15試合のアウェイゲームで9勝。これはマン・シティ(13)、リバプール(10)に次いで多い数字。
・ピエール=エメリク・オーバメヤンは公式戦直近5試合で5得点。それ以前の17試合よりも多い数字。
・オーバメヤンはブライトン戦との最初の3試合でいずれも得点を挙げていたが、以降の試合から4試合連続無得点。

予想スタメン

画像3

展望

■『あいつ』の決定力改善とビスマの不在

 三笘の加入で話題になったブライトン。昨季は残留ギリギリという結果だったが、今季もポッター監督は続投。スタイルを継続する熟成路線を打ち出している。

 基本的にはボールを保持する局面を重要視。ビルドアップの安定感は高い。開幕戦のバーンリー戦こそ、2トップを主体とするプレッシングに対して非常に苦しんではいたが、ハーフタイムに3バックに修正してから流れを取り戻して安定。

 3バックにしてからは両ワイドのWBやサイドに流れるFWを活用しながら相手を広げて、内側に空いたスペースにIHやWGが入り込みフィニッシュに向かう形でバーンリーをかき乱し底力を見せつけた。

 昨季まではゆっくりとした保持と撤退守備を組み合わせるローインテンシティ型のチームだったが、そこにも手をつけるシーズンに。非保持においては今季は積極的なプレッシングに取り組んでいる。トップと中盤が押し上げながら相手を捕まえてショートカウンターに移行するパターンも模索している。

 とはいえ勝ち点にダイレクトにつながった変化といえばそういった取り組み云々以前に決定力が改善したことだろう。特に、試合終盤の得点力は今季はむしろ強みになっているくらい。先に挙げたバーンリー戦も後半の逆転勝利だし、ブレントフォード戦は終了間際にトロサールの一撃で決勝点。M23ダービーにもラストワンプレーでモペイが同点ゴールで勝ち点を奪取している。

 そのモペイこそ、決定力改善の代表的な存在。アーセナルファンにとっては『例の一件』以来、疎ましくて仕方ない選手ではあるが、スタッツ的に成績が上がっている部分は認めないといけない。目に見えて、決定的なミスを犯す場面は減っており、相手からすると厄介な存在になっている。

 もう1人、攻守に重要な存在なのはビスマ。先のバーンリー戦も3バックへの移行に加えて、彼自身がアンカーに入ることが大きな影響をもたらしたのも確かである。

 一方で、そのビスマはアーセナル戦に間に合うかが不透明。そのビスマを失ったクリスタルパレス戦では攻守に苦しい部分も見えた。昨季からの変化でいえばホワイトの退団の影響も大きいのだろう。この試合ではボールが外循環に極端に偏ってしまい、両CHがボールに触れる時間が減少。サイドにつけるボールもバックラインからのアバウトな精度なものとなり、効果的な前進ができない。クリスタルパレスのプレスの完成度が高かったのもあるけども、中央に入れるチャレンジすらできなかったのは苦しい。

 守備の局面におけるプレッシングにも躊躇いが見られる。おそらくプレスのチャレンジはビスマが広範囲で守備を請け負ってくれるからこそなのだろう。そもそも前線や中盤が前に出てボールを取りに行く姿勢が見られなかったこと自体がビスマの存在の大きさを示しているように思う。

■サイドの受け渡しをアキレス腱にしない

 アーセナルからすると、まず試されるのはプレッシングだろう。ビスマが不在という仮定をするならば、ブライトンのビルドアップで中央を使う意識はトッテナムとはそうは変わらないように思う。とはいえ、中をガラ空きにしてすれば当然繋いでくるだろう。ノースロンドンダービーのプレス水準を継続し、CHにプレッシャーをかけながらまずはブライトンが中央から簡単に進むのを阻害したい。

 その一方でトッテナムに比べるとサイドに振る長いフィードが多い。WBがボールの収めどころとなることが多く、特に左サイドのククレジャにボールが集中している印象である。本来ならば、ピッチを広く使いながら重心を押し上げていきたいところなのだが、ビスマの不在によってボール保持の起点が下がってしまい相手を押し込む部分で難が出ている。相手を奥に引っ張れるウェルベックの欠場が見込まれるならば尚更だ。

 アーセナルからすると、ククレジャにボールを出されても中をクローズして選択肢を奪ってしまえばなんとかなるようにも思う。逆に避けたいのは冨安が無理なチャレンジをして裏のスペースを開けてしまうこと。後ろにスペースを開けてしまえば、ブライトンにはそのスペースを突く力は十分にある。

 ブライトンのWBはアーセナルの非保持の立ち位置で言うとぽっかり空くポジションでもある。この部分を誰が監視するのか、なるべく後方に穴を開けない形で対応したいところだ。

 攻撃の時に狙いたいのは最終ラインを引き出す動き。特に狙い目にできるのは左サイド。ククレジャが高い位置をとりがちで、バーンも比較的降りる選手についていくので裏のスペースが空きやすい。クリスタルパレスがPKを得たのはこちらのサイドからの突破だし、レスター戦で相手に盛り返す隙を与えたのもこのサイドの攻略を許したから。

 アーセナルはトッテナム戦ではどちらかといえば左サイドからの循環がうまくいった印象だが、この試合では右サイドから相手の弱点がつけるかどうかが問われるかもしれない。ノースロンドンダービーも右サイドが機能不全だったわけではないし。むしろうまく回っていたと思うし。

 とはいえ、そういった細かい戦術面の話よりも、アーセナルがノースロンドンダービーのような強度を継続して見せられるかの方が遥かに大事。これまでのビックマッチにおいては、なんとかしのぎ切りながら数少ない好機を仕留めたが、今回は内容も支配的に完勝した一戦。上位勢に肉薄できるかどうかは継続性次第だろう。

 25シーズンぶりの欧州カップ戦の不参加で日程的には余裕がある。あのダービーを見てしまえば、多くのアーセナルファンは早く次の試合が見たくて仕方ない気分だろう。次の試合を見たくて仕方なくなるような内容をブライトン戦でも継続し、アーセナルファンにとって週末の試合が上質なチームの出来を味わうことができる週に一度のお楽しみにしたいところ。

 この試合が終わったら代表ウィークに突入する。『代表ウィークはつまらない。早くアーセナルの試合を見たい』という気持ちで、2週間の中断期間を首を長くして待てる内容になることを期待している。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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