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「Catch up Premier League」~Match week 21~ 2021.1.30-1.31

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①エバートン【7位】×ニューカッスル【16位】

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■心地よさに甘えた大きな代償

 手を変え品を変え不調脱出を図るニューカッスル。今日のテーマは4-3-1-2の中盤を菱形にしたスタイルである。しかし、立ち上がりのニューカッスルは中盤4枚がエバートンの選手についていく意識が強すぎるあまり、持ち場を守り切れずにスペースに穴を開けまくってしまう。

 コンパクトな陣形を守れないニューカッスルに対して、エバートンがフリーマンを作るのはそこまで大変な作業ではなかった。空いている選手から大きな展開をして、ピッチを大きく使うことでニューカッスルを振り回してゴールまで迫る。ニューカッスルにとっては前節のリーズ同様に今節も相手を気持ちよくプレーさせてしまっている状況になっていた。

 ただ、この日のエバートンに足りないのはゴール。これがなかなか決まらずにニューカッスル相手に先手を奪えない。そして、もう1つエバートンが抱える難点は攻撃が完結しなければテンポを制御できないこと。試合はオープンな展開から徐々に攻撃の機会が両チーム均等になるように。

 すると後半ニューカッスルはセットプレーからウィルソンが貴重な先制点をゲット。ついに均衡を破る。一方のエバートンはアンドレ・ゴメスの投入で4-3-3に変形し、ポゼッションの安定化を図る。だが、時間が経つにつれてニューカッスルが守備時のコンパクトさの感覚を掴んでくると、押し込んでいる状態からその先に進むことができない。最後にはCKのカウンターからウィルソンに仕上げのゴールを許す始末。

 気持ちよくプレーをしている間に点を決めることができなかったエバートン。そのツケはよもやのシーズンダブルという手痛い代償を払う結果を生んでしまった。序盤は苦しんだものの最後は気持ち良くプレーしていたのはとどめのゴールで未勝利記録をストップしたニューカッスルの方だった。

試合結果
エバートン 0-2 ニューカッスル
グディソン・パーク
【得点者】
NEW:73′ 90+3′ ウィルソン
主審:スチュアート・アットウィル

②クリスタル・パレス【14位】×ウォルバーハンプトン【13位】

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■スローな展開で顕在する問題点

 プレミアリーグと言えば早い展開が長年のリーグの持ち味。この早さこそ他国リーグからの新戦力が苦しむハードルになる部分であり、プレミアリーグの伝統であるともいえるだろう。

 その物差しで言えばこの試合はプレミアリーグらしからぬスローリーな展開に。共に前線のプレスが積極的ではなく、DFラインは自由にボールを運べる状態に。特にクリスタル・パレスの前線は「どうぞ、ハーフラインまではご自由にボールを運んでください」といわんばかりの守備の放置っぷりであった。

 だが、ウルブスは相手陣にボールを運んでからの攻撃が心もとない。攻撃陣の連携での崩しはあまり見られることなく、個々のスキルでの打開に依存。ネトやポデンスは頑張っているが、さすがにブロックを個人で打開するほどの破壊力はない。新加入のウィリアン・ジョゼはまだフィットが十分ではなかった。

 一方のクリスタル・パレスはSHにザハ、アイェウという内側で仕事ができる選手たちを起用。大外レーンをSBのために空けて攻撃に厚みをだす試みを行った。特にファン・アーンホルトの存在感はさすが。

    決勝点はザハとエゼのどちらも中央でプレーできる特性を生かしたところから。中央から流れるザハがデンドンケルを釣りだし、そのスペースに入り込んだエゼのミドルがこの試合唯一の得点になった。

 ウルブスは最後までブロック打開の攻略法を見つけることができず、頼みのセットプレーも不発。むしろ、クリスタル・パレスのロングカウンターが徐々に出てきやすい展開にシフトする。比較的オープンな展開になった後半にも活路を見出せなかったウルブス。順位表に現れる苦しみがピッチの上にも表れる結果だった。

試合結果
クリスタル・パレス 1-0 ウォルバーハンプトン
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:60′ エゼ
主審:サイモン・フーパー

③マンチェスター・シティ【1位】×シェフィールド・ユナイテッド【20位】

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■迫るCL、CFの使い方は?

 好調を取り戻したマンチェスター・シティとそのお隣さんを破って今季2勝目を奪取したシェフィールド・ユナイテッド。首位と最下位の一戦は首位が終始相手を押し込む展開になった。

 ブレイズの5-3-2に対して、シティは外側から攻勢をかける。左はラポルト、右はウォーカーがフォワードとインサイドハーフの間に立つようにしてビルドアップの入り口になる。中央に無理に起点を作ることはせずに大外から攻める。フェラン・トーレスが大外タッチライン側から相手を破り先制点をアシストしたのはグアルディオラのオーダー通りだろう。薄い大外からの質的優位はこの日のシティの必須スキルだった。

 得点を決めたジェズスはさすがに本職CFということもありベルナルドほど自由に動き回ることはない。たまに左サイドに流れることはあるんだけど、それがあまり効果的な働きとは言えず。先制点をゲットはしたものの、今後どういう使われ方をしていくんだろう?という部分がもう少し見えてくるとよかった。

 その分、この日はインサイドハーフに入ったベルナルドが右サイドを軸に動き回る。内側にジェズスが常駐し、ギュンドアンがそのそばでサポートストライカーのような振舞いをすれば大外レーンに2人いてもよしとしたのかなと。それともこの日の彼らはたまにTLで見かける大外を2レーンに分けるナーゲルスマン的なやつなのだろうか。よく勉強していないからわからないけど。

 なかなか押し上げができないブレイズ。終盤にはおなじみになってきた4バックシフトを行うが、シュートは増えず。枠内シュート1本ではなかなか簡単には勝ち点は取れないだろう。一方のシティも90分まで選手交代はなし。過密日程でこれだけ選手を代えないということは当初の目的が達成されなかったことの表れかもしれない。試行錯誤は見えたが、順調だった上昇曲線は最低限の勝ち点3と共に少し一休み。グアルディオラさん、そろそろCLでの新作発表の準備も大詰めでしょうか。

試合結果
マンチェスター・シティ 1-0 シェフィールド・ユナイテッド
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:9′ ジェズス
主審:デビッド・クーテ

④ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン【19位】×フルハム【18位】

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■不思議の国のイブラヒモヴィッチ

 まぁ、またとないヘンテコな試合だった。前半は明らかにフルハムペース。ペースという言葉では正直生ぬるいくらい。フルハムの縦パスは全て通ったし、ウェストブロムのDF陣はミトロビッチやロフタス=チークへの体を寄せた対応を禁じられているかのようだった。セカンドボールは全てフルハムの下に転がっていったし、ロングボールに対してウェストブロムは無理な競り合いで体勢を崩すせいでほぼ相手ボールになるという状況に。

 やすやすと最終ライン前までリーチし、そこから仕上げの崩しを行うフルハムはまるでバルセロナのように見えたし、無双をし続けるミトロビッチはまるでイブラヒモヴィッチのようだった。コルドバ=リードの先制点もゲットしたし、ケチをつけるとしたら追加点が入らなかったことだけ。アラダイスが前半途中に怒りの交代を行うなど、試合はフルハムが絶対勝たねばいけない展開だった。

 しかし、後半は世界が一変。フルハムとウェストブロムがまるっと着ているユニフォームを交換したかのような展開に。ウェストブロムは前日に契約を発表したディアーニュを投入すると、彼をターゲットにしたロングボール総攻撃を開始。今度はロングボールのターゲットにアプローチをサボるのはフルハムの方。後半にイブラヒモヴィッチを手にしたのはウェストブロムの方だった。

 縦パスがスイスイ通るのも、フィフティーのボールがウェストブロムの下に転がるのも、フルハムのDF陣がやたら甘くなるのも前半と真逆。ウェストブロムのDF陣が急に禁を解かれたようにミトロビッチにガンガンぶつかってくるのも不思議だった。

 そんな状況に飲まれたフルハムはあれよあれよという間に逆転を許す。何とかペースを引き戻したいパーカーはハリソン・リードを投入してボール保持で落ち着きを取り戻す。だが、5バック⇒4バックにシフトしたウェストブロムの大外に生まれた隙をついて何とか同点に追いつくのが一杯。勝利がマストだった試合を決めきれなかった結果、サッカーの神様がいたずらをしたのだろうか。かなり奇妙な試合だった。

試合結果
ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 2-2 フルハム
ザ・ホーソンズ
【得点者】
WBA:47′ バートリー, 66′ ペレイラ
FUL:10′ コルドバ=リード, 77′ カバレイロ
主審:アンソニー・テイラー

⑤アーセナル【9位】×マンチェスター・ユナイテッド【2位】

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■健闘も首位追走には物足りず

 共に締まった守備の立ち上がりとなった。アーセナルもユナイテッドも前線からのプレスがハッキリしており、両チームともに相手をずらしながらのスムーズな前進の機会は限られていた。ユナイテッドはSH起用されたポグバのところが預けどころになったものの、それ以上の成果は見られず。ラッシュフォードの脚力に依存したチャンスメイクになりがちに。ただ、前線の動き出しの悪さは相変わらずで、この部分がユナイテッドのここ数試合の停滞感の要因のような気がする。

 よりうまく相手を動かせていたのはどちらかと言えばアーセナル。中盤のフィルターであるフレッジの食いつきの良さを理想してスムーズに縦に前進する機会もないことはなかった。ラカゼットも好調のマグワイア、リンデロフ相手に互角にやりあうことができたし、何より動きながら受け手と出し手両方高い水準でこなすスミス=ロウを捕まえることはできなかった。

    ペペも好調でラカゼットが降りる分のストライカータスクをこなしていた。30分から撤退守備にしたアーセナルは後半になるとプレスを再開。押し込みながらチャンスを作るも決め手を得るには至らなかった。

 決定機だけで言えばユナイテッドの方が多かったかもしれない。チャンス創出になったのは左サイドのルーク・ショウ。アーセナルのブロック攻略の旗手としてクロスを供給し続ける。ただ、こちらは前線が不振。攻守にチームを牽引する献身性を見せていたカバーニはシュートが当たらず、マルシャルも調子を落としている。連勝を重ねるシティを追走するには前線の奮起が不可欠だ。

試合結果
アーセナル 0-0 マンチェスター・ユナイテッド
エミレーツ・スタジアム
主審:マイケル・オリバー

⑥サウサンプトン【11位】×アストンビラ【10位】

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■仕上げに手間取り、軸で殴られる

 互いのチームの持ち味を考えるとなるべく早くMFラインの後方にボールを運びたい。そして、相手の弱点を考えるとなるべくDFラインを背走させたい。それが互いのゲームプランだったのは間違いない。

 どちらかと言えばそれがうまくいっていたのはサウサンプトンの方だ。プレス隊、中盤は間を空けてしまいサウサンプトンに簡単に縦パスを通すことを許す。そういう意味では相手が嫌がる攻撃を繰り出す機会を得ていたサウサンプトン。前節、課題になったSBの控え問題にはウォード=プラウズを採用。ボールの預けどころになっていたし他選手との連携もスムーズだった。少なくとも保持においては改善点が見られている。

 だが、しかしこの日は前線の連携が噛み合わない。彼らの最後の仕上げはだれか個人でなんとかするというよりも縦パス、ポスト、裏抜けの一連で解決する。そして、この流れを前4枚がどの役割も高次元でこなせることが今季のサウサンプトンの攻撃に流動性を出している。控え選手がこの波に乗れないのが悩みで、この日もレドモンドはだいぶ苦労していた。

 一方のアストンビラにはグリーリッシュという軸があり、彼が作ってズレに周りが合わせるパターンが主。先制点も左サイドで抜けたグリーリッシュのクロスから。確かにこのポジションはスクランブルでコンバートされたウォード=プラウズだったが、たとえヴァレリが起用されていても、もしかすると本職のウォーカー=ピータースが守っていたとしても何とかするのは難しかったかもしれない。

 前後半通じて土台を積み上げることには成功していたサウサンプトン。だが、仕上げの積み木を積むところで崩してしまうことの繰り返し。1つの軸から決勝点を奪ったアストンビラとは対照的な結果を得ることになってしまった。

試合結果
サウサンプトン 0-1 アストンビラ
セント・メリーズ・スタジアム
【得点者】
AVL:41′ バークリー
主審:リー・メイソン

⑦チェルシー【8位】×バーンリー【15位】

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■関連しない戦術と得点、真骨頂はまだ先か

 トゥヘル・チェルシーの2戦目の相手はバーンリー。初戦のウルブスに続いて、ボールを渡してくる相手といえるだろう。前半のチェルシーはメンバーの変更こそあったものの、大枠でのそれぞれのポジションの役割は初戦と同じ。ただ、バーンリーは4-4-2なため、個々の立ち位置が自動的に間を取る形になる。したがって間受けは前節よりもさらにやりやすそうになる。

 逆にバーンリーはハイプレスで足元に怪しさのあるチェルシーのバックスに挑む。確かに大きく最終ライン同士の距離感が遠い時やジョルジーニョが近くない時はパスミスをすることもあるのだが、構造的にはチェルシーの方が数的優位を維持できるので、簡単に抜けられて加速をされる場面もあった。

 バーンリーのシュートの少なさを見ても、相手陣に押し込んでハーフコートゲームに持ち込むというチェルシーのコンセプトはうまく機能していたといっていいだろう。チアゴ・シウバを軸に高い位置からのチェックで前線に起点を作らせない。バーンリーとしてはバーンズの不在に加えて、ウッドが負傷交代してしまい、前線のメンバーが入れ替わってしまったのも痛かった。

 チェルシーで躍動を見せるのはハドソン=オドイ。大外からのチャンスメイクは特に4バック相手には抜群。すでにトゥヘルの3-4-3において非常に重要な役割をこなしているといっていいだろう。

 一方でこの日の2得点はいずれもトゥヘルのサッカーのスイッチの入れ方とは異なるのは気になる。1得点目のハドソン=オドイの仕掛けは確かによく見られるものだが、点を決めたアスピリクエタのオーバーラップはむしろトゥヘル就任後に最も抑制された要素の1つ。2得点目のマルコス・アロンソもインナーラップで追い越す動きはあまりレパートリーにはなかったように見える。ライン間で受けるシャドーを起点とした得点が見られないので、ここの仕組みが得点につながるとより良くなる予感。得点に絡むサイドプレイヤーの役割や属人性についてももう少し見ていきたいところだ。

試合結果
チェルシー 2-0 バーンリー
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:40′ アスピリクエタ,84′ アロンソ
主審:グラハム・スコット

⑧レスター【3位】×リーズ【12位】

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■『あえて?』それとも『仕方なく?』

 リーズとの試合において対戦相手は選択をする。簡単に言えば彼らが得意な早い展開に付き合うか、それとも撤退してペースを落とすかの選択である。ペースを落としてリーズが得意な攻守の切り替えが多い展開を回避するという対策は割とシーズンが進むにつれて他チームに浸透した。これがリーズがシーズン序盤ほどに内容も結果もよろしくない理由である。

 だが、この試合のレスターはその早い展開に付き合った。攻撃は縦に速く、守備はハイプレスで。いわばリーズの土俵の上で戦いを行う形である。その結果先に当たりを引いたのはレスター。バーンズのゴールを演出したのは流れてラインを下げながら受けたマディソン。ヴァーディ不在で作るのに苦労していた深さを作り上げてバーンズの入り込むスペースを創出した。

 しかし、直後にリーズは反撃。得意な早い展開からバンフォードのポスト、これを追い越したダラスが同点弾を沈める。

 後半はレスターは5-4-1に布陣を変更。あーこれで試合を落ち着かせるんだなと思いきやそういうわけでもなかった。ならなんで布陣変更したんだろう?というのは気になるところ。この試合のロジャーズの采配には不思議なところが多かった。

 ペースを代えないまま布陣変更を行ったレスターに対してリーズはさらに得点を決める。手厚くなったはずの後方のビルドアップからのミスから最後はバンフォード。続く、勝利を決定づける3点目はいくら何でもCKの被カウンターがお粗末。ソユンクは更なる深追いをする必要はなかったはずだ。

 レスターは初めは早い展開における試合運びを学ぶために負荷がかかるやり方を選択したのかと思った。しかし、先制点を取ったり後半に布陣を変えたりなどやり方を変えるタイミングは結構あったように思う。が、そこでやり方を維持した。ということはヴァーディがいないことで戦術の幅が狭まっているとロジャーズは考えているのかもしれない。

試合結果
レスター 1-3 リーズ
キング・パワー・スタジアム
【得点者】
LEI:13′ バーンズ
LEE:15′ ダラス,70′ バンフォード, 84′ ハリソン
主審:ピーター・バンクス

⑨ウェストハム【5位】×リバプール【4位】

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■相手も『あの男』も思わず脱帽

 前節トッテナムを見事に撃破したリバプール。インサイドハーフに起用したチアゴを軸に相手を動かして主導権を握ったのが勝因の1つだった。それを見たウェストハムはなるべく陣形を維持して動かされないようにしながら守ることを選択。4-2-3-1を維持しながらマークを受け渡していく。

 唯一、ウェストハムが例外としていたのはアレクサンダー=アーノルド。彼に関してはフォルナルスがマンマークにつき、対面の相手により守る位置の高さを変えることを許容されていた。ということはそこのズレはリバプールが使えることになる。ここにチアゴが降りることでリバプールは安定してボールを保持した状態で試合を進める。

 ウェストハムは逆に上がるアレクサンダー=アーノルドの裏を使うようにカウンターから左サイドに流れてチャンス創出を狙う。アシストの多いクレスウェルもこちらのサイド。彼らのストロングポイントが左ということも大いに関係しているだろう。

 押し込むも停滞感を打破できなかったリバプールはミルナー⇒ジョーンズの投入でより自らボールを運べるキャラクターにインサイドハーフの役割をスイッチ。その直後にジョーンズの運びから点が入るのだから、クロップの采配は当たったといっていいだろう。まぁ、得点自体はサラーのスーパーゴールなんだけど。

 それ以上にスーパーだったのは2点目。カウンターからジョーンズの展開はややズレたものになったように思えたが、それをリカバリーするシャキリのダイレクトロングパスとサラーの氷のように冷静なタッチは芸術的。

 ハマった交代策にスーパーゴール。こんな勝ち方をされてしまえば負けたウェストハムも交代させられて不満そうだったミルナーもクロップを称賛するしかないというものだろう。

試合結果
ウェストハム 1-3 リバプール
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:87′ ドーソン
LIV:57′ 68′ サラー, 84′ ワイナルドゥム
主審:ジョナサン・モス

⑩ブライトン【17位】×トッテナム【6位】

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■想定外の緊急事態に特効薬はなし

 大エースケイン不在で臨む一戦。おそらくシーズンを通してこの状況が発生することは想定されていなかったのでは?という自分の予想は比較的当たっていたのではないだろうか。トッテナムはこの一戦、非常に苦しんだ。

 まずはボール保持。5-3-2気味に守るブライトンに対して、2トップ脇から運ぶことを試みる。最終ラインへのプレッシャーが強いわけではないので、問題なく運べる余裕はあるものの、浮いた彼らから進めるメカニズムはなかなか見えてこなかった。

 ひとまず中央への縦パスを刺すものの、ソンがとくいではないポストを頑張ってやっている姿はなかなか切ないものがある。なかなか前を向くアタッカーを作ることに四苦八苦するトッテナム。前を向けば強いアタッカーがいるものの、彼らにいい状況を作れる仕組みがないあたりはウルブスに近い悩みである。

   前で時間を作れるエンドンベレはもう1列前でもいい気もするけども。でも中盤でも悪くないから難しい。ハーフタイムに入ったヴィニシウスは体を張る気概を見せたのはポジティブ。でも精度はまだまだという具合だった。

 一方の非保持はブライトンのビルドアップに苦しめられた。前5枚で基本プレスは何とかしたかった感があるが、深さにポジションチェンジに自在なブライトンは余裕を持ってボールを運ぶことができた。

   ブライトンとしては最終ラインから相手を引っ張り出せれば、トッテナムはそのカバーに出てくるのが遅いので、そこが糸口になる。ブライトンの先制点はまさしくそのカバーの遅さをついたもの。突破されたデイビスの裏をロドンがカバーするのが遅れた。3バックは即席感が否めなかったか。

 振り返ってみればブライトンが終始優勢だったといっていいだろう。終盤こそ相手陣に押し込めたものの、そこから先に決定機を作るための崩しの手段はなし。トッテナムは大黒柱の不在に即時の解決策がないことがわかった一戦だった。

試合結果
ブライトン 1-0 トッテナム
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRI:17′ トロサール
主審:ピーター・パンクス

   おしまいじゃ!!

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