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「塗り替えれるか?」~2020.12.6 プレミアリーグ 第11節 トッテナム×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第11節
2020.12.6
トッテナム(1位/6勝3分1敗/勝ち点21/得点21 失点9)
×
アーセナル(14位/4勝1分5敗/勝ち点13/得点10 失点12)
@トッテナム・ホットスパー・スタジアム

戦績

近年の対戦成績

図1

直近10戦でトッテナムの4勝、アーセナルの2勝、引き分けが4つ。

トッテナムホームでの対戦成績

図2

直近10試合でトッテナムの6勝、アーセナルの2勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

トッテナムには80-82の3連勝以来のノースロンドンダービーの連勝の可能性。
アーセナルは直近12試合のプレミアでのアウェイのトッテナム戦は2014年3月の1勝のみ。直近6試合は勝ちなし(D2L4)
トッテナムはアーセナル戦においてリードしている状態から42ポイント落としており、リーグでもっとも多い。

スカッド情報

【Tottenham】

・ハリー・ケイン、トビー・アルデルワイレルドは起用可能の見込み。

Arsenal

・トーマス・パーティにはフィットの可能性。
・日曜のウルブス戦で頭部を切ったダビド・ルイスも起用可能の見込み。

Match facts from BBC sport

【Tottenham】

・プレミア9試合負けなしはリーグハイ
・勝てばホームでの公式戦5連勝。直近2年で初めて。
・クリーンシートを達成すれば2017年4月以来初めてのリーグ戦4試合連続の無失点
10試合で9失点はリーグ最少。
ジョゼ・モウリーニョは公式戦におけるホームでのアーセナル戦無敗(W6,D4)
ハリー・ケインが得点を決めればノースロンドンダービーでの歴代最多記録を更新する。現状ではボビー・スミスとエマニュエル・アデバヨールと並ぶトップタイ。

Arsenal

・10試合での13ポイントは81-82以来、最も少ない
・直近8試合でのリーグ戦で5敗。これはアルテタ就任直後の22試合の負けと同じ数。
・クリーンシートを達成すれば、2013年5月以来のリーグのアウェイでの3試合連続無失点達成。
566分間、プレミアリーグではオープンプレーでの得点がない
ミケル・アルテタジョゼ・モウリーニョと対峙したプレミアでの7試合(選手時代を通して)で未だに勝利がない
ピエール=エメリク・オーバメヤン今季1得点に449分かかっている。昨季は128分で1得点

予想スタメン

画像9

展望

■大車輪のケインを支えるエンドンベレ

 勢いとしては対照的な両チームのノースロンドンダービーとなる。首位を走るトッテナムで光るのは何といってもハリー・ケインだろう。目に見えるゴールやアシストだけでなく、チームの中央の攻撃を助ける起点となる動きが非常に大きい。彼の降りる動きに合わせるようにWGがフィニッシャーとして裏をとる動きが合わせて起こる。ちょうどマンチェスター・シティ戦の1点目がその理想形である。

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 最終ラインがケインの動きにひっぱられてしまえば、守備陣はWGには逆を取られてしまうようになる。ケインの降りる動きに対して、中盤で対応できればいいのだが、この得点シーンのようにエンドンベレが中央で受けてしまえば、中盤だけで対応するのは難しい。

 そういう意味でトップ下でのエンドンベレの目途が立ったのは大きい。前節のチェルシー戦ではカンテとシウバを共に吹っ飛ばすほどの威力。中央でのエンドンベレが機能してしまえばトッテナムは楽になる。60分以降はバテてしまうという難点があるものの中央で受けることができる時間帯は彼の対応には苦慮することになる。アーセナルはフィジカルで対応できそうなトーマスの復帰の可否が大きく戦況を左右しそうだ。

 ただ、ケインは起点専用機ではなくあれだけ低い位置に下がっているにも関わらず、非常に多くの得点に絡んでいる。これができるのはカウンターにおいてピッチの幅を使いながら前進ができているから。

画像2

画像3

 このボールの動かし方ができれば多少FWが降りても得点に絡むことができる。というか、そもそもアーセナルの昨季のいい時は中央を経由したサイドチェンジを駆使することで前節のプレビューでいう所のボールと共に前進をすることができていた。

 今のトッテナムはボールと共に進むことができている。そしてそれが得点の機会につながっている。逆に言えばケインとエンドンベレが中央で起点を作れているからこそ、この前線の攻撃は機能しているともいえる。エンドンベレがバテる後半や、欠場の噂も漂うケインが不在ならばトッテナムの攻撃の舵取りは難易度はグッと上がることになる。

■ラカゼットのトップ下を生かすなら

 守備は4-2-3-1。シティ戦とチェルシー戦共に前線がブロックに参加して守備のタスクを負う。攻撃で猛威を振るうケインですら守備を免除されることはない。それどころか、むしろケインがWGや中盤が穴をあけたスペースまで埋める位置まで下がることも珍しくはない。

 守備においては中盤が内を固めながら外に追いやるように守る。シティ戦は特にこの傾向が強かった。左に起用されるイメージが強いソンを右に使うのも直近のトレンド。おそらく、これは守備における負担を考慮してのこと。左のベルフワインは中盤やSBの出ていくスペースのカバーまで担当しているので、守備において負荷が高い。フィニッシャーとしてより優秀でケインとの連携も計算できるソンをより高い位置に残した状態で攻撃に転じたいということではないだろうか。

 ではソンを戻さずに右はどう守っているの?というとシソコが大きい貢献を果たしている。ソンとオーリエは受け渡しがスムーズにいかない場面も多々あるのだが、これを何とかするのが運動量が豊富なシソコの役目。

 アーセナル目線で言うと守備者として能力の高いシソコをまずは中央から追い出すことはトッテナムの守備陣の攻略の第一歩となる。前節トッテナムと対戦したチェルシーも、エイブラハムへの縦パスが収まるようになってから敵陣深くまで侵攻ができるようになっていた。

 ただ、最近のアーセナルの攻撃は前線が中央で起点となる動きがあまりにも少ない。その解決の可能性として挙げられるのはELですでに採用されているラカゼットのトップ下である。ただし、このやり方も懸念がないわけではない。

 今までのラカゼットのポストが効いていたのは、そもそもCFの位置から降りるような形で中盤の空いた位置に顔をだしていたから。はじめからトップ下の位置にいれば、素直に中盤について回られてしまいあっさり潰される可能性もある。例えば、この試合で言えばシソコ。シソコが中盤の守備に集中できればラカゼットとは言え簡単に背負ってチームを前進する手助けができない可能性が出てくる。

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 というわけで、ラカゼットが中央で受けるならば中盤から解き放たれる必要がある。1つ考えられるのはサイドの選手への対応でシソコをおびき出すこと。

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 もう1つはトップの選手とポジションを入れ替えながら狙いを絞らせないことである。

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 いずれにしてもここ数試合でアーセナルができなかった中央での起点作りがトッテナム攻略のポイントになることはまちがいない。トッテナムの守備の誘導に乗っかってしまうと、そっくりウルブス戦と似ているU字のパスルート頻発の再現の可能性もあるだろう。

 できなかったことをできるようにする。そして今季ここまで白く塗られているノースロンドンの勢力図を赤く上書きする。下馬評の低い状態で迎えるダービーにおいて、低調なここまでを塗り替える力がチームにあるのかどうかが試される一戦になる。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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