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「課題=狙い目」~2020.11.8 プレミアリーグ 第8節 アーセナル×アストンビラ プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第8節
2020.11.8
アーセナル(9位/4勝0分3敗/勝ち点12/得点9 失点7)
×
アストンビラ(8位/4勝0分2敗/勝ち点12/得点15 失点9)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

近年の対戦成績

図3

直近10戦でアーセナルの8勝、アストンビラの2勝。

アーセナルホームでの対戦成績

図4

直近10試合でアーセナルの7勝、アストンビラの3勝。

Head-to-head from BBC sport

・直近3試合のホームでのリーグ戦のアストンビラ戦でアーセナルは全勝。合計スコアは12-2
・7月のこのカードにおけるビラの勝利は、公式戦のアーセナル戦7連敗を止めた。この間23失点を喫している。
・ビラがアーセナル戦に連勝すれば1998年以来

スカッド情報

【Arsenal】

・モルデ戦以降、新たな負傷者はなし。温存したピエール=エメリク・オーバメヤン、トーマス・パーティ、ガブリエル・マガリャンイスはスタメン復帰見込み。

Aston Villa

・バートランド・トラオレは鼠径部の負傷で欠場の見込み。
・トム・ヒートンは膝のケガによる10か月の離脱からフルトレーニングに復帰している。

Match facts from BBC sport

【Arsenal】

・リーグ戦開幕7試合で12ポイントは昨季と同じ
・前節のレスター戦は2020年初めてのホームでのリーグ戦敗北
・今季7失点はリーグ最少。しかし、直近6試合のホームでのリーグ戦ではクリーンシートがない。
・ホームでのリーグ戦で2試合連続無得点になれば2016年2月以来
ピエール=エメリク・オーバメヤンホームでのリーグ戦4試合連続無得点になれば2014年のドルトムント時代以来のことになる。

Aston Villa

・勝てばリーグ戦のアウェイゲーム3連勝。達成すれば2010年の4月以来
・開幕4連勝のあと3連敗をしたチームは過去に2例。この試合に負ければ1895-96のストーク、そして1891-92のアストンビラ以来3例目になる。
・昨季リーグ戦5勝目を達成したのは第19節。ボクシングデイのノリッジ戦。
・直近13試合の「トップ6」相手のアウェイゲームで12敗(D1)
アウェイでの失点を喫していない唯一のチーム。昨季は唯一のアウェイでのクリーンシートがなかったクラブだった。
ジャック・グリーリッシュは今季ここまで4得点、4アシストで8得点に関与。これより多いのはハリー・ケイン(14)とソン・フンミン(10)だけ。

予想スタメン

画像3

展望

■大エースと周辺の歪みにどう対応するか

 好調の流れは連敗は一回落ち着いている。リバプールを倒して序盤の台風の目になっていたアストンビラはここに来てやや立ち止まり気味である。今季のアストンビラは非常にまともなチームである。そのまともなチームをスペシャルにしているのが10番を背負うグリーリッシュ。彼の存在が「まともなチーム」を「序盤戦の台風の目」に押し上げているといっても過言ではない。

 大勝したリバプール戦も彼を軸に組み立てた攻撃から周りが活性化されて引き上げられている印象を受けた。したがって、攻撃は左サイドを軸に作られている。ベースポジションは左サイドにいるものの自由に動き回るグリーリッシュ。彼が空けたスペースに誰が入り込むか?で徐々に相手の守備にズレが生じていく。

 リバプール戦ではここにトップのワトキンスが流れて、この動きにゴメスがついていったことでリバプールの中央のスペースががら空きに。左で作るアストンビラに付き合い、陣形をゆがめてしまったリバプールは好き放題にやられてしまう。

 まずは組み立てにおいて自由に動くグリーリッシュにどう対応するか。もっとも、これは今の世界中のアストンビラ戦のプレビューで書いていないものは1つもないんじゃないかと思うくらいわかり切ったことといってもいいはず。

   もう一歩踏み込むと、彼がボールを持ったことにより動く周りのビラの選手たちに対して、アーセナルの守備陣がどこまで陣形をゆがめることを許容するか。全体のバランスを崩さずに失点を重ねていないアーセナルはおそらく受け渡し主体で守るのだろう。グリーリッシュ個人とそれに伴う全体に対してどう構えるかがまずは見どころとなる。ポッカリ中央を開けるブレイズ戦の失点のような形は避けたい。

 では、ビラが勝てなくなった理由は何か。攻撃においては彼以外のまともな面々でズレができないことだろう。ミスは多くない、選択も悪くない、しかし相手に驚きを与えるものではない。グリーリッシュが経由しない攻撃はどこか淡白に映る。彼を噛ませてしまえばたとえ多少劣勢であろうとも、得点への活路を見いだせるのはサウサンプトン戦で証明済みだ。

 まずは彼と彼から生じる歪みにどう対応するか。アストンビラ戦のポイントはまともなチームのスペシャルな異分子の破壊力をどこまで抑えられるかに集約されるといっていいだろう。

■狙い目は我らの課題

 攻撃においてのヒントはサウサンプトン戦になりそうである。この試合ではサウサンプトンのカウンター時にFWのサイドへの裏流れにビラのCBが引っ張られるシーンが目立った。まずは真ん中を手薄にするためにFWがレーンを入れ替わる斜めの動きを入れるのは効果的である。

画像4

 ボール保持時はハーフスペースへの最終ラインの責任がやや曖昧になることがある。ここをエアポケットとして起点を作ることも可能。4-4-2の隙間を突くような立ち位置をまずは心がけたい。

画像5

 ただ、上にあげたどちらもポイントも裏抜けの動きを手早く活用するという部分がセットにならないと機能しない。カウンター時に流れたCBのスペースを活用したいときは、この中央のスペースに入り込む動きがセットでないといけない。

画像6

 ハーフスペースは立っているだけではただの場所だ。ここで前を向いてプレーできることによって広がる選択肢を活用できなければ意味がない。裏抜けをセットにしなければこの先の展開が見えてこないことになる。

画像7

 ユナイテッド戦のアーセナルに足りなかったのはこの動き。カウンターは攻撃がスピードダウンしてしまい、落ち着いたボール保持の局面でもスイッチを入れられるオフザボールの動きも少なく、後ろからそれを活用するパスも出てこない。今季ここまでのシュート数、ゴール数がともに少ないのはこのファイナルサードでのスイッチを入れるタイミングを共有できていないからだ。

 現状では左サイド大外のクロスくらいしか、パッと思いつく定点攻撃は用意されていない。もちろん、サカやティアニーも大きな武器なのだが、チャンピオンズリーグ出場権獲得を狙うクラブとしてはいささかスイッチが少なすぎるだろう。シュート数、ゴール数は気にしすぎるべきではないが、この数字はピッチの上での課題とリンクしている。

 動かしやすいアストンビラの守備陣を利用してスペースメイクができるか?そしてそのスペースを活用できるか?アストンビラ攻略は今のアーセナルの課題の到達度を測るのには絶好の相手だと思う。

 あと最後にもう1つ。サウサンプトン戦の先制点のシーンを見るとビラはミングスとコンサがフリーマン、残りはマンマークでCKの対応をしていた。空中戦に強そうなこの2人がフリーマンなのは少しもったいない気がする。アーセナルはここ数試合セットプレーから惜しいシーンは作れているので、マガリャンイスやホールディングのセットプレーから頭に合わせる形も期待できるかもしれない。

 ユナイテッド戦では中盤の強度という1つの課題を解決して見せたアーセナル、次の課題をこの1戦で克服できるだろうか。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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