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「Catch up Premier League」~2022.10.16 プレミアリーグ 第11節 リバプール×マンチェスター・シティ ハイライト

■息の詰まる後半に決着をつけたのは

 近年のプレミアでは双璧をなす両雄の一戦。だが、今年は例年と異なり、無敗のシティにボトムハーフで不振にあえぐリバプールが胸を借りるという構図での激突となった。

 前節のサウサンプトン戦からシティはバックラインのメンバーはいじらなかったものの並びを変更。左に入っていたカンセロを右に移し、アケを左に出す形でリバプールを迎え撃つ。中盤の構成はIHの2人が比較的フラットに並ぶ形。ギュンドアンがエリア内に突撃していく機会の多さを踏まえると、デ・ブライネのトップ下を採用しているとはちょっと言いにくい感じである。4-3-3と捉えるのが自然だ。

 ビルドアップはカンセロを押し出す形での後方3枚が主流。右サイドから作る形がメインでデ・ブライネにボールが入ると一気に攻撃は加速する。仕留める形は右からハーランドと入り込んでくるギュンドアンに直接入れ込む形か、逆サイドのフォーデンまで展開し、抉る形を作ってからエリア内に折り返すかの二択。どちらを使うかはデ・ブライネ次第!といった感じであった。

 今季のリバプールですでにおなじみになったが、前線からのプレッシングでリズムを掴むことはこの試合もできない。それに対してプレスを効かせていたのはシティ。デ・ブライネとギュンドアンがハーランドを追い越す形でCBにプレスをかけてまでハイプレスを敢行していたのは印象的だった。

ただし、リバプールのバックラインの踏ん張りはこの試合ではよく効いていた。負傷直後にベンチに入ったアレクサンダー=アーノルドの代わりにスタメンを張ったミルナーを含め、バックラインはパフォーマンスが安定していたのは救いである。シティが30分以降にさらにゴールの気配を強めてもエリア内では完全に主導権を渡すことはなかった。

 保持においても見せ場は十分あったといえるだろう。アリソンを使ってハイプレスを超えることができれば、ロドリの周辺にはスペースは十分にある。この日の主役はサラー。アーセナル戦では外に張ることで他の前線の選手たちが裏に抜ける手助けをしていたが、この日は完全なメインディッシュである。自身が裏抜けをしながら、エリアに迫っていく役割を担い、ゴールをダイレクトに脅かす振る舞いを徹底する。リバプールが途中から4-2-3-1にして、サラーを中央に移動させたのも彼自身がゴールに向かう機会を増やすためであろう。

 当然、その分ワイドに開く人は減るわけだが、このあたりはSBのミルナーがオーバーラップで見事にカバー。アレクサンダー=アーノルドに比べるとできることは少ないが、着実にタスクをこなしているのは好印象である。

 後半の頭はシティが4-2-3-1に変更。手早い攻撃でリバプールとの打ち合いに挑む。エリア周辺のパスワークでの流麗さでいえば明らかにシティに軍配。しかしながら、リバプールは降りてくるフィルミーノがカウンターの起点になっており、シティはここをなかなか咎められなかった。

 サラー、ジョッタ、ハーランドなど両チームともエース級の選手が決定機を得るが、互いになかなかゴールを割ることが出来ず。アリソン、エデルソンの美技も飛ぶかう中でゴールという結果になかなかたどり着くことが出来なかった。

 先にネットを揺らし、歓喜を上げたのはシティ。しかしながらこれはゴールまでのプロセスの中でハーランドのファウルがあったため取り消しになってしまう。

 首の皮1枚で助かったリバプールは再三決まらなかったサラーの抜け出しがようやく火を噴き先制。サクッと入れ替わられたカンセロとやけに淡白なFKでアリソンにリスタートの機会を与えたデ・ブライネにとっては痛恨だったといえるだろう。

 最後まで猛攻をかけるシティ。カンセロにとっては汚名返上となりそうなスーパーな折り返しもリバプールの最終ラインに防がれてしまう。試合自体がヒートアップする機会が増えて、クロップも退場したリバプールだが、DF陣の集中は最後まで継続。シャットアウト勝利を決めた。

 今季3勝目は宿敵相手挙げた貴重な一勝。ジョッタの怪我は気がかりだが、勢いに乗って上位を目指せるための足掛かりにしたいところだ。

試合結果
2022.10.16
プレミアリーグ 第11節
リバプール 1-0 マンチェスター・シティ
アンフィールド
【得点者】
LIV:76‘ サラー
主審:アンソニー・テイラー

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