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「Catch up J1 League」~2022.7.30 J1 第23節 ジュビロ磐田×湘南ベルマーレ ハイライト

■前半から見せていた隙を得点につなげた杉本

 立ち上がりから攻勢の兆しを見せていたのはこの試合の時点でより厳しい立場にいた磐田の方だった。高く保った最終ラインから伊藤がロングボールを跳ね返したところをきっかけに金子がジャーメインにラストパス。裏に抜けて決定機を迎える。このシュートは枠をとらえなかったが、湘南に脅威を与えるものとしては十分な一撃と言えるだろう。

 この攻撃に代表されるように序盤の磐田はトランジッションが持ち味の攻め方が多かった。ボールを奪った後のWBやシャドーの出足の良さから一気に敵陣に迫っていく形。この場面の後にも完全に抜け出した黒川がチャンスを迎えるなど、ポジトラに関しては磐田は明らかな手応えがあった立ち上がりと言っていいだろう。

 一方の湘南は長いボールを2トップに当てながら様子見。ただ、磐田のプレスに対してはショートパスを軸に抜けることができず。なかなか繋ぎながらの厚みのある攻撃に転じることができない。

 ただ、湘南がそれ以上に気になるのは非保持の振る舞い。最終ラインの設定が比較的高く、前からプレスに行きたいという意識はわかる。実際にホルダーには積極的にプレスに行っていた。だが、磐田に対してプレスを嵌めることができず、繋がれてしまう場面が非常に多かった。

 気になるのは選手ごとによって追い込む方向が統一されていないように感じるところ。連続してホルダーにプレスには行っているのだけど、1人目よりも2人目の方が奪いやすい状況になっているようにはあまり感じられないのが気がかりである。磐田ももう少しスムーズに繋げればいいのだけど、それ以上に湘南が取りきれない部分が大きく、なかなか非保持からリズムを作れていない印象だった。

 30分になると、今度はホルダーにプレスをかけるのが難しくなるように。ラインは高め、でもホルダーにはノープレッシャーとなると待っているのは裏抜け地獄である。そういう部分でも湘南の非保持の方針にはややチグハグさを感じた前半だった。

 勢いに乗れない湘南は後半には2トップが積極的に裏抜けをしながら前進の仕方を模索する。59分にはタリクと大橋を投入し、前線の厚みを増す方向性に。圧力をかけながらセットプレーなどでチャンスの機会を増やしていく。

 しかし、先に決定的なチャンスを掴んだのは磐田だった。ノープレッシャーのバックラインからボールを引き出した杉本が裏に抜け出しラストパスまで持ち込むと、これを金子が押し込んで先制する。

 最終ラインと完璧な駆け引きをした杉本の完勝と言えるゴールシーンだろう。逆に対応した杉岡はあまりに稚拙。ホルダーがフリーなのに安易に裏を取られすぎており、失点につながるミスを早い段階で犯してしまったことになる。もっとも、これは前半から見られていたこの試合の湘南の危なっかしさなのだけど。

 湘南の脆さをついた杉本が強かにチャンスメイクまでを行い均衡を打開。優位をきっちり結果につなげ、厳しい立ち位置の磐田が残留に光を見出す勝ち点3を手にした。

試合結果
2022.7.30
J1 第23節
ジュビロ磐田 1−0 湘南ベルマーレ
ヤマハスタジアム
【得点者】
磐田:77′ 金子翔太
主審:池内明彦

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