MENU
カテゴリー

「Catch up J1 League」~2022.8.6 J1 第24節 京都サンガF.C.×柏レイソル ハイライト

■叩き続けた扉をこじ開けた武藤

 多くのコロナ陽性者で苦しんだ京都だったがこの試合では多くの選手が前節から復帰。徐々に人は揃いつつある状況になってきた。コンディション面に不安は残るが上位へのチャレンジとなる柏戦にはなんとか主力を中心に臨めそうなスカッドではある。

 京都はここ数試合と同じく3バックのフォーメーションを採用。ポゼッションから試合を組み立てていく。圧倒的に収まるウタカがいない分、京都は前線の起点作りには苦労していたが、その分背後を積極的に狙うことで補っていた感じがある。WBで対面の柏のWBを最終ラインから引き出して、そのギャップに走らせるなど、チームとして前進のルートを探ることはしていた。

 3バックで柏の2トップに対して数的優位を担保できていたこともあり、京都のポゼッションは安定。ロングボールでの競り合いはさすがに厳しい感じはあったが、前線はその分プレッシングで奮闘をしていた。

 ペースを握った京都がそのまま先制点を奪うことになったが、そのきっかけは少々意外なものだった。ファウルを受けてクイックリスタートを敢行した福岡のロングフィードに対して佐々木と高橋が連携ミス。この隙を武田が見逃さずにミドルを叩き込んで先制する。正直守備側のお粗末な部分も否めない失点だったが、福岡と武田の抜け目のなさは評価したいところである。

 リードを奪われた柏はプレスを強化。京都の3バックに対して中盤から3枚目をヘルプとして出すようになる。これで京都の保持の安定感はやや失われた感がある。保持においてもよりシンプルさを重視。なかなか収めどころを作れなかった柏だったが、裏抜けの形を重視したスピード勝負に挑むことで、京都のDF陣とのスピードでミスマッチを作ることに成功する。

 同点ゴールはプレッシングがきっかけ。3枚目のプレス役となったドッジが本多にプレスをかけると、バックパスのミスが発生。上福元の頭上を越えたシュートはそのままゴールに収まることになってしまう。

 要はこの試合はいかに相手の最終ラインにちょっかいをかけるか勝負である。5バックだけどラインは高く、でもそれゆえの不安定さをはらんでいる両チームに対して裏抜けとプレッシングでどこまで追い込みをかけることができるか?その点におけるタイマン勝負といってもいいだろう。

 互いに2列目やWBのフリーランの走力は高く、アタッカー以外が攻撃に絡む脚力を担保できている。あとは持続力勝負。そういう点ではコンディション面と選手層で優位があるであろう柏が有利である。

 京都はウタカの投入をはじめとして攻撃的な選手を前線に投入するが、やや機動力に欠けており柏との相性を考えるとあまり攻め方がマッチしていなかったかもしれない。

 一方の柏はバックラインに対して裏抜けを継続できる体力があった。特にメンデスの裏のスペースは再三狙われており、これが決勝点につながることになる。

 武藤の決勝ゴールは劇的なものではあったが、この試合の終盤の流れを見るといつこのゴールが生まれてもおかしくはない形だった。柏が叩き続けた扉が最後の最後に開いた。ドラマチックな一発だが、しっかりとノックを続けたからこそ最後の最後に勝ち点3が待っていたといいたくなる勝ち越しゴールだった。

試合結果
2022.8.6
J1 第24節
京都サンガF.C. 1-2 柏レイソル
サンガスタジアム by KYOCERA
【得点者】
京都:7‘ 武田将平
柏:25’ 本多勇喜, 90+8‘ 武藤雄樹
主審:小屋幸栄

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次