■まさに今年のバーンリー
例年のごとく、後半戦に向けて怒涛の粘りを見せるバーンリー。ダイチを解任し、マイク・ジャクソンが暫定監督になっても粘り腰は相変わらずで、上位勢を苦しめている。
今節の相手のウォルバーハンプトンは直近のバーンリーの対戦相手の中ではいい入りをした方だと思う。3-4-3の基本フォーメーションはバーンリーの4-4-2に対して、ズレを生みやすく保持する際には有利。大外とハーフスペースのコンボを意識しつつ、後方からの数的優位を生かしながらボールを前に運ぶことが出来ていた。
バーンリーはどこを埋めるかの意識が統一できておらずに、優先度を決めることができない状態で苦しんでいる様子だった。エリア内でもギリギリの対応であまり余裕はなかったといえるだろう。
ただ、ウルブスはCFのファビオ・シルバが最後のところで物足りない。PA内でのゴールにつながるプレーの精度がついてこずにチャンスをフイにしてしまい、ウルブスは先制点を奪うことができない。
ウルブスは非保持においてもプレッシングがよく刺さっていた。後方からゆったりとつなごうとするバーンリーに対して、なかなか落ち着くことを許していなかった。
バーンリーは敵陣まで運ぶことができれば、前節から好調を維持しているマクニールを軸にクロスをポンポン入れることができる。外を回って右足でもよし、内にカットインして左足でもよし、大外を回るロバーツを使ってもよしと右サイドはあらゆる形からクロスを入れることができていた。
劣勢の前半をスコアレスで終えたバーンリーは後半に修正。縦に速い攻撃を意識しつつ、非保持においてはSHを早い段階で埋めることで撤退守備を強化。ウルブスに大外とハーフスペースのコンボを使うことを許さない対策を取る。
敵陣深くまでは攻め込めるが、攻めあぐねているウルブス。すると、そのウルブスを尻目に得点を奪ったのはバーンリー。右サイドでタメを作ったマクニールが同サイドのベグホルストに裏抜けを促すパス。ベグホルストからの折り返しをヴィドラが決めて先手を奪う。
こうなると一気にペースはバーンリー。彼らの意気込みにからめとられたようにウルブスは攻め手を失う。エリア内のターゲットもヒメネス1枚では厳しいだろう。
後半はむしろ、カウンターからバーンリーがイケイケ。不安定な前半からイケイケの後半というこの試合の展開はまるで今季のバーンリーをそのまま表現しているかのよう。90分でリカバリーを決めたバーンリー。消化試合の違いはあるが、暫定順位でついに降格圏脱出に成功した。
試合結果
2022.4.24
プレミアリーグ 第34節
バーンリー 1-0 ウォルバーハンプトン
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:62′ ヴィドラ
主審:アンソニー・テイラー