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「Catch up Premier League」~2022.4.23 プレミアリーグ 第34節 ブレントフォード×トッテナム ハイライト

■苦手分野に追い込まれたトッテナム

 ここ数試合、相手にボールを渡しつつ、ショートパスを大事にするスタイルを貫いてきたブレントフォード。ボールを持たせられる局面が苦手なトッテナム相手にも同じ策を敷いてくるかと思ったが、ブレントフォードはここ数試合とは異なり、積極的な守備を仕掛けてきた。

 ハイプレスで相手を仕留めきる!という類のものではないが、前線からプレスで相手の攻撃を片側サイドに限定することは非常に強く意識していた様子。中央にも当然網を張りつつ、タイトなスペースの攻略にスパーズを追い込む。

 スパーズの得意分野は前線のスピードを生かした速攻と、WBとクルゼフスキによる幅を使った攻撃の二択。トッテナムはこうしたスモールスペースの攻略に追い込まれるのは得意ではない。ブレントフォードのブロックの組み方は明確で捨てるところと閉じるところの区別がしっかりしており、トッテナムが使いたいところをきっちり封鎖していた。

 よって、トッテナムが狙いたいのは時折高い位置に出てくるブレントフォードのプレッシングを退けての速攻である。それならば狭いところを攻略する必要はない。しかし、ソンとケインにはいつもの精度がなく、速い攻撃に転じた時のカウンターには威力がない。ブレントフォードのバックラインの奮闘も確かではあったが、それ以上にトッテナムの不振さが気になる展開だった。

 ブレントフォードの保持に対しては、とりあえずトッテナムは持たせて対応。ブレントフォードはローアスリウとヘンリーをSBとする4バック変形でトッテナムに挑む。

 ブレントフォードの攻め手はとにかくセットプレー。サイド攻撃主体でセットプレーをもぎ取ると、エリクセンのプレースキックを山のように浴びせかけ続けることで何とかトッテナムのバックラインをこじ開けようとする。サイドの深い位置からのスローインもロングスローが可能なセーレンセンがいれば、実質コーナーキックのようなものである。だが、ここはトッテナムのバックラインがなんとか踏ん張った。

 後半、押し込む機会が増えたトッテナム。だが、機会は増えようともブレントフォードに閉じ込められたスモールスペースを打開する以外にはこじ開ける方策はない。押し込まれてもブレントフォードがやることをブラさなかったのでトッテナムは引き続き苦しむこととなる。頼みのアタッカー陣も動き出しの量と精度が物足りず、トッテナムには決め手がない状況が続く。

 そして後半はカウンターと引き続きセットプレーでトッテナムに反撃するブレントフォード。ケインの水際のクリアや終了間際のトニーのヘディングなどいくつか惜しい場面はあった。だが、こちらもネットを揺らすことは出来ず。

 結果は痛み分け。だが、トッテナムを閉じ込めて自分たちの思い通りに展開を進めたブレントフォードの方がより手ごたえのある内容になったのではないだろうか。

試合結果
2022.4.23
プレミアリーグ 第34節
ブレントフォード 0-0 トッテナム
ブレントフォード・コミュニティ・スタジアム
主審:マーティン・アトキンソン

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