■意地のリシャルリソンが勝ち点1を持ち帰る
シーズン終盤、毎試合が正念場となっているエバートン。今節の対戦相手は残留争いにも欧州カップ戦争いにも関与していないが、残りのリーグ戦の数が多く、ここから忙しくなってくるレスターである。
両チームとも4-3-3ベースのフォーメーションだったが、その質には差が出た。保持でクオリティを見せつけたのはレスター。アンカーのメンディが前を向くところから左右にボールを大きく振りながらのサイド攻撃までの流れが非常にスムーズだった。
非保持側のエバートンにスポットを当てると、アンカーのケアを誰がやるかが曖昧だったのがいただけない。誰かがマークにつくのか、トップが消すのかがどっちつかず。おかげでメンディは誰の助けを借りずとも簡単に前を向くことができた。
保持で中央から大きな展開をして、サイドで崩してチャンスを作る。5分に生まれたレスターの先制点はゆったりとしたポゼッションからの崩しとしてはお手本のようなものだった。WGのマークを外れた位置で受けたリカルド・ペレイラからサイドで三角形を作っての崩し。これにより、エバートンはアンカーのデルフがサイドに釣り出されている。空いた中央に入り込んだバーンズが先手を奪った。
一方のエバートンの保持はだいぶ相手に捕まってしまった感。ショートパスからの組み立てを志向してはいるのだが、エバートンは味方に前を向かせる意識が低いという難点がある。この試合は受け手が常にレスターのマークマンに捕まってしまっており、そこから脱出することができなかった。
唯一の希望の光となっていたのは背負ってもキープできる懐の深さのあるイウォビ。リシャルリソンにむやみにロングボールを蹴るよりは、彼にとりあえず預ける方がまだ可能性があった。それでも相手を外しながら運べていたレスターに比べればチャンスメイクの数は少ない。エバートンは切替を早くしつつなるべく乱戦に持ち込むことで純粋なアタッカーのクオリティ勝負という戦える土俵に持ち込もうとしていた。
前半の途中からやや相手のペースに釣られた感のあったレスター。後半は、再びゆったりとしたポゼッションから押し込みペースを取り戻す。70−80分付近はレスターの決定機のオンパレード。特にセットプレーからカスターニュ→ルックマンと繋いだものは非常に惜しかった。
これを凌いだエバートンは試合終了間際にセットプレーを主体として相手のゴールに襲いかかる。それが実ったのが後半追加タイム。意地を見せてボールをゴールに押し込んだのはリシャルリソン。手ぶらでは終われない思いが呼んだ同点弾はエバートンに貴重な勝ち点1をもたらした。
試合結果
2022.4.20
プレミアリーグ 第18節
エバートン 1-1 レスター
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:90+2′ リシャルリソン
LEI:5′ バーンズ
主審:デビッド・クーテ