■不安定さは健在ながらも勢いには差が
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共に絶不調で目標となっているCL出場権から遠ざかっている両チーム。アーセナルは前節、そのトンネルを脱してチェルシーに勝利した一方、ユナイテッドはリバプールに仕留められて大敗。マグワイアへの脅迫が発生するなど、チームはサポーターともども不穏な空気になっている。
この試合の立ち上がりはその両チームの勢いの差を反映したものとなった。前半3分。先制したのは前節連敗を止めたアーセナル。セドリック、ジャカの2人で左右に大きくボールを振りながら、ユナイテッドの守備陣を横に振り回す。最後に決めたのは左サイドの大外から入ったタヴァレス。こぼれ球を押し込み、開始早々に大仕事を成し遂げる。
先手を取られたユナイテッドは高い位置のプレッシングでアーセナルのビルドアップを阻害にかかる。前節もバックラインからの不安定なボール回しを見せていたアーセナルを相手陣側で追い詰めていく算段だ。アーセナルは前節ほどの不安定さはなかったが、バックラインのレギュラーが入れ替わった影響は感じられるボール回しの出来。時折、ひっかけてユナイテッドにショートカウンターのチャンスを与えてしまう。
もう1つアーセナルにとって怖かったのはロナウドの存在。カウンターの旗手、エリア内での空中戦の強さ、マイナスのパスを刈り取るプレスバックの勘の鋭さ。ユナイテッドの前線でアーセナルのバックラインを苦しめるために立ちはだかっていた。34分に奪い取ったゴールも駆け引きでガブリエウを上回ったもの。年季の違いから前に体を入れてマティッチのクロスを押し込んだ。
幸運だったのはアーセナルにとってこれが同点弾ではなかったこと。その直前の30分付近。アーセナルはユナイテッドのバックラインのラインコントロールの不安さに漬け込んで2点目を挙げていた。大外のサカで相手の最終ラインの高さを決めると、サカにマークが集中した分、浮いたウーデゴールが決定的な仕事を果たす。ウーデゴールは自身に注意が向いたヴァランをあざ笑うかのようにヴァランの後ろに入り込んだサカに浮いたラストパス。これをテレスが倒してPK。2試合連続でPKを決めたサカによって、前半をリードのうちに折り返せたアーセナルだった。
後半は互いに撃ち合いの入り。アーセナルも前半に引き続き、ユナイテッドのバックラインにちょっかいをかけることは出来てはいたが、中盤が間延びしている分、ユナイテッドにもチャンスは十分。中央で浮くマティッチから大外のサンチョなどいくつか攻略できそうな糸口はあった。
同点のチャンスを得たのはユナイテッドの方。タヴァレスのハンドで得たPKは同点の絶好のチャンス。だが、ブルーノ・フェルナンデスがこれを枠に決めることが出来なかった。
ブルーノのミスを取り返そうと必死に同点ゴールを狙うユナイテッド。その攻撃を耐えきったアーセナルはこの試合の行方を決定づける3点目を手にする。試合を決めたのはジャカの左足。エリア内からスピード、コース共に完璧なミドルで打ち抜いて見せた。
さすがに2点差がつくとトーンダウンした来たユナイテッド。交代選手が流れを変えることも出来ず、アーセナルに逃げ切りを許してしまうことに。リバプール戦大敗の連鎖を止められなかったユナイテッドとは対照的に、アーセナルはこれで2連勝。CL出場という悲願に向けてまた一歩その道のりが近づく大きな勝利だった。
試合結果
2022.4.23
プレミアリーグ 第34節
アーセナル 3-1 マンチェスター・ユナイテッド
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:3′ タヴァレス, 32′(PK) サカ, 70′ ジャカ
Man Utd:34’ ロナウド
主審:クレイグ・ポーソン