■仕留め方は鮮やかに
いよいよ厳しくなってきた残留争い。日曜日に対戦するのはこのままだと降格してしまう2チームである。
より残留の可能性を残しているのは18位のバーンリー。前節のエバートン戦での立ち上がりと同じく、まったりとボールを持ちながら攻めの機会を伺う。
特によく使っていたのは横に振る大きなボール。サイドにボールをつけることでノリッジが開けやすい外のスペースを侵食し、敵陣深くでのプレーを狙っていく。
一方のノリッジはより直線的な攻撃。一気に縦に進み、バーンリーのバックラインの裏を取るような動きを見せる。
より効果的にボールを前進できていたのはノリッジの方だろう。バーンリーはサイドにボールを出すところまでは辿り着けてはいるのもの、そこからのずらしながらのもう一手にかけている。エバートン戦ではサイドから1枚剥がして敵陣に迫ることでマイナスのスペースを創出していたが、この試合ではそうした動きはなし。サイドからのハイクロスに終始しており、明確なアドバンテージを得ることができなかった。
一方のノリッジはバーンリーの戻りが遅くなったところを強襲するような攻撃で優位に。カウンターからシュートの機会を作ることができていた。その機会を生かして先制点まで辿り着いたノリッジ。セットプレーからの跳ね返りをレース・メルがバイタルからミドルで打ち抜き、早い時間にノリッジが前に出るようになった。
個人での局地戦でも有利なのはノリッジ。ボールを持っているときに相手を剥がすのがうまいのはこの日はノリッジの方だった。バーンリーは30分以降は敵陣でのプレータイムを増やすことに成功はしてはいたが、相手の守備ブロックに穴を開けるようなアプローチは少なかった。
後半は両チームとも撃ち合いにシフト。中盤が間延びした影響で、両軍のゴール前を行き来するような展開が続く頃になった。殴り合いから両チームともチャンスを作ることができていた。ノリッジはハンリーのヘッドやラシツァの仕掛け、バーンリーは64分のコルネの決定機が90分を通して最もゴールに迫った瞬間であった。ノリッジとしては早い展開の中で、既に警告を受けていたレース・メルが2枚目のカードをもらわなくて一安心という場面もあった。
撃ち合いの中で先に当たりくじを引いたのはノリッジ。外に相手の意識を向けながら、中央のプッキを使ったスルーパスで相手の裏を書いたプレーを見せたノルマンは素晴らしかった。おそらく、この試合で最も鮮やかに決まったアイデアでノリッジが追加点を奪う。
撃ち合いを生かせず無得点に終わってしまったバーンリー。エバートンとのシックスポインターを台無しにする敗戦で、残留への道はより厳しいものになってしまった。
試合結果
2022.4.10
プレミアリーグ 第32節
ノリッジ 2-0 バーンリー
キャロウ・ロード
【得点者】
NOR:9′ レース・メル, 86′ プッキ
主審:マイケル・オリバー