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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 European qualifiers」~2022.3.24 プレーオフ 準決勝 ポルトガル×トルコ ハイライト~

■間延びする中盤を制したのは?

 失意のEUROから立ち直るべく、快調に欧州予選を進めていたポルトガル。だが、最後の最後に立ちはだかったセルビアのミトロビッチに突き落とされて、プレーオフに回ることになった。対するはEUROでグループステージ敗退だったトルコ。ポルトガルにとってはここは確実に乗り越えておきたい相手である。

 ボール保持の時間が長かったのはホームのポルトガル。トルコはまずはトップのユルマズがアンカーのモウチーニョを監視するように引きながらの守備を行い、ポルトガルにボールを持たせるようなアプローチで試合に入った。EUROでは見た覚えがない3-4-3だったが、Tanaさんによると予選でも見せていない奇襲パターンらしい。

 トルコはシャドーの守備も絞り気味。中央に多くの人を配置する陣形になるポルトガルの4-3-1-2に対して、中央で不利にならないような工夫を施す。

 中央にパスを付けにくくなったポルトガルは前線の動きで変化をつけるアプローチに。降りたりサイドに流れたりなどの動きでトルコの守備網の切れ目に顔を出していたのがブルーノ・フェルナンデス。そして、前線に流れるのがロナウドとジョッタである。

 ポルトガルはこの前線の動きを活用して先制。サイドに流れるロナウドを起点にオタビオが先手を奪う。このオタビオは2点目のシーンも大活躍。ライン間に入り込み、対角のジョッタにクロスを送るという得点を演出してみせた。

 順調に得点を重ねていったポルトガルだったが、試合を落ち着かせられたかどうかは別問題。トルコはプレッシャーの薄いサイドからボールを持ち運べており、中央でもコクチュやチャルハノールがポルトガルのバックスとのデュエルに負けずに中に切り込んでいく。アンカーのモウチーニョの脇も含めて、ポルトガルの中盤は中央のプロテクトの観点からは物足りなさがあったといわざるを得ない。

 ただし、ミドルゾーンからの撤退が遅いトルコは一度ボールをひっかけてしまうとカウンターのピンチになってしまう。そういう意味では一進一退の攻防となっていた。

 後半はビハインドのトルコが前線からのプレスを強化したことで、テンポが速くより間延びした展開となる。ポルトガルもスムーズに進めることはできていたが、この時間帯における強度はトルコの方が上、中盤の間延びしたスペースをうまく使って前進する。ポルトガルはホルダー近くの選手以外があまりに守備のポジション修正に無頓着で、トルコのパスワークに後手を踏むことが多かった。

 後ろが重くなったポルトガルに対して、トルコはユルマズが追撃弾。直後も抜け出しのチャンスを迎えるなど、この時間帯は圧倒的にトルコペースだった。

 その中で迎えた最大の決定機はもちろんPK。フォンテのファウルで得たPKを決めることができれば、同点に追いつくことができたトルコだったが、これをユルマズが失敗してしまう。

 同点の最大の機会を逸したトルコに対して、ポルトガルは交代選手が躍動。抜群のキープ力で間延びしている中盤を支配するようになったラファエル・レオンの登場で再び流れはポルトガルに。このレオンからヌニェスの追加点が決まり、試合は完全に決着。冷や汗をかいたポルトガルだったが、終わってみれば快勝だったといっていいだろう。

試合結果
2022.3.24
カタールW杯欧州予選 プレーオフ 準決勝
ポルトガル 3-1 トルコ
エスタディオ・ド・ドラゴン
【得点者】
POR:15′ オタビオ, 42′ ジョッタ, 90′ ヌニェス
TUR:65′ ユルマズ
主審:ダニエル・シーベルト

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