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「Catch up UEFA Champions League」~2022.3.16 UEFAチャンピオンズリーグ Round 16 2nd leg リール×チェルシー

■足りなかった縦成分で名誉挽回

1st leg

 オーナーの財産凍結により、前代未聞の自腹遠征という形でフランスに降り立ったチェルシーの面々。リールとしても選手たち自身の金で遠征にやってきたチームをホームに迎えるという経験も非常にレアなはずである。

 ピッチ外の様子で見れば窮している感じがあるチェルシーだが、ピッチの中においては1stレグでは2点リードと優勢で2ndレグを迎えている。

 この試合でもどちらかといえば優位に立ったのはチェルシーである。チェルシーの3バックでの組み立ては4-4-2で対するリールにとっては少々工夫が必要。SH、特に左のグズムンドソンが縦にスライドすることでチェルシーのバックラインにプレッシャーをかけようとする。

 だが、さすがにチェルシーのWBに対して、リールはSBまでスライドするほど強気な守備を見せることは出来ず。チェルシーはボールを落ち着ける場所を確保しながらポゼッションする。だけども、リードしているチェルシーは無理はしない。やり直しを繰り返しながら、薄いサイドを作る試みをしつつ仕掛けのパスは慎重に。U字型のポゼッションが中心で、縦に貫くようなパスがなかなか出てこなかった。

 それに対して、リールはサイドを変えられるたびにラインを高く維持すべく中盤とDFがラインをきっちり上げていた。よって、試合はチェルシーの保持の時間は続くもミドルゾーンでボールを回す時間ばかりが増えていく流れとなった。

 リールはカウンターでのワンチャンスを狙っていくスタンス。だが、突き抜ける個人はおらずチェルシーのバックラインに穴をあけることができない。

 そうした試合の流れが変わったのはクリステンセンの負傷交代である。右のCBに彼の代わりとしてチャロバーが入ったことで、リールは攻略の糸口をみつけられるようになった。シェカのターンから左に流れたデイビッドにボールを渡し、いきなりチャロバーにイエローカードを受けさせたことは流れが変わった証拠だろう。

 その流れに乗るようにリールはPKを獲得。ジョルジーニョのハンドでリールは1点差に迫るPKでの得点を得る。

 だが、一気に畳みかけたいリールを前にチェルシーは反撃。前半終了間際のラストプレー。これまでのチェルシーの攻撃に足りなかった縦に貫くラストパスを受けたプリシッチが角度のないところから得点を叩き込む。縦成分をもたらすラストパスを与えたのはハンドを犯したジョルジーニョだった。

 再び2点差を追うことになったリール。ギアは極端に上げずに慎重な姿勢を貫きながら攻撃を継続する。チェルシーが受けに回ったこともあり、リールは保持の機会を得ることはできていた。だが、攻めあぐねるシーンが続き、チェルシーのゴールを脅かすことはできない。

 そうこうしているうちに隙を逃さないチェルシーが動く。WB→WBという幅を使った攻撃を完結させての追加点をゲット。アスピリクエタが押し込んだゴールで試合は完全に決着する。

 180分を通してチェルシーが主導権を握ったこのカード。リールも意地を見せはしたが、前年王者の壁は高く、このラウンドで姿を消すこととなった。

試合結果
2022.3.17
UEFAチャンピオンズリーグ
Round 16 2nd leg
リール 1-2 チェルシー
スタッド・ピエール・モーロワ
【得点者】
LIL:38′(PK) ユルマズ
CHE:45+3′ プリシッチ,71′ アスピリクエタ
主審:ダビデ・マッサ

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