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「Catch up Premier League」~2022.3.13 プレミアリーグ 第29節 ウェストハム×アストンビラ ハイライト

■誰かが勇気づけられることを願う

 立ち上がりは両チームとも攻守の切り替えが少ない落ち着いた展開。4-4-2にブロックを組むウェストハムと、4-3ブロックで前後分業制のアストンビラといういつも見る光景でのマッチアップとなった。

 どちらかといえば攻撃がうまくいっていたのはウェストハムの方。ライスが降りてゲームメイクを行いつつ、ビラのマークが届きにくいため、低い位置で落ち着いてボールを持てるSBを活用しながら、左サイドを中心に波状攻撃を行う。

 サイドの受け方が脆弱なビラの弱みをついた仕組みもさることながら、個人的にはやはり前節不在だったライスの存在感の大きさを感じた。組み立ても安定するし、自身もボール運ぶことができる。彼がいなくてもウェストハムはチームが壊れる印象はないが、彼がいることでチームが一段上のレベルに引き上げられるように感じる。

 対するアストンビラは主に遅攻において苦戦。ウェストハムの撤退に対して効果的な手を打つことができず。自由に動き回るコウチーニョはコンパクトなウェストハムの4-4-2ブロックの中で呼吸することができず、いつものような攻撃における重要な役割を果たすことができない。

 ビラが光明を見出したのはファストブレイク。アタッカーが少ない手数でゴールに向かう動きはさすが。手早くゴールに向かうことでウェストハムに脅威を与えた。

 スコアレスで迎えた後半はウェストハムのアクシデントで始まる。アントニオの負傷は次節以降もウェストハムの大きな悩みの種になりそうだ。

 両チームともセットプレーからチャンスを迎える後半の頭。ビラはイングスが、ウェストハムはドーソンがそれぞれ決定機を迎えるが、ネットを揺らすことができない。後半にペースを握ったのもウェストハム。執拗にSB→SB のパス交換を使ってアストンビラを横に揺さぶることで撤退的にビラのスリーセンターにスライドを強要する。

 ウェストハムが優勢に試合を進める中で試合が動いたのは70分。左サイドからのベンラーマのカットインを収めて反転シュートを決めたのは途中交代で入ったヤルモレンコ。ピッチの中で最もゴールが必要だった選手によって、ウェストハムに先制点がもたらされる。

 だらっと間延びした展開が続く後半の流れを活かしウェストハムはさらに追加点。ライスのドリブル突破からロングカウンターを発動。またしてもベンラーマからヤルモレンコを囮にラストパスを受けたフォルナルスが2点目を決める。アストンビラは90分にラムジーの追撃弾が決まるものの、反撃もここまで。試合はウェストハムが勝利。

 だが、個人的にこの試合で最も印象に残ったのは結果よりも、得点を決めた後に涙を流し、喜びというだけでは表現できない複雑な表情を見せたヤルモレンコの顔。このゴールだけでは何も解決しないけども、このゴールが苦しい状況にある誰かを勇気づけるものであることを願わずにはいられない。

試合結果
2022.3.13
プレミアリーグ 第29節
ウェストハム 2-1 アストンビラ
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:70′ ヤルモレンコ, 82′ フォルナルス
AVL:90′ ラムジー
主審:ジャレット・ジレット

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