■先導役で関所を突破
16節の延期分は今現在延期されているカードの中で最も古いもの。前半戦に開催されるはずだったこのカードはようやくこの時期に開催。3月にしてシーズン初めての対戦となるレアケースで顔を合わせることとなったブライトンとトッテナムの一戦である。
連敗中でなかなか結果が出ないブライトン。この日は高い位置からボールを追いかけまわし、トッテナムの時間を奪いにいく形でプレッシャーをかけていく。序盤はこのプレッシングに苦しんだトッテナム。ブライトンはボールを奪ったところからリズムをつかみ、トッテナムを攻め立てていく。
だが、ブライトンのプレッシングには徐々にトッテナムは慣れてきた様子。20分もすれば落ち着きながらボールをもてるようになる。攻撃においてトッテナムの打開策となったのは縦方向へのパス。特にケインの降りる動きで列を超えるケースがだんだんと増えていくように。
ブライトンはビスマを防波堤にしつつ対抗しようと試みる。ここをスムーズに超えれば一気に攻撃の道が開けただけにトッテナムにとってはブライトンの中盤は関所のようなものだった。
立ち上がりはトッテナムのプレスに屈してあわや失点の場面もあったブライトン。だが、ブライトンの前進も20分を越えると徐々に落ち着く。こちらも相手の中盤という関所をどう超えるか勝負。しかし、関所を越える先導役となるケインの立ち位置の選手が不在。その分、中央からのクリーンな前進は難しい。
そうした中で先制したのはトッテナム。クルゼフスキのミドルが間に入っていたロメロに当たりゴールイン。前半のうちの先制点確保に成功する。
後半、ブライトンは立ち上がりから反撃。左サイドのククレジャを軸にサイドからのクロスで攻勢を強める。サイドは人をかけずにシンプルに。その分、中は手厚くという形で一気に反撃に出る。モペイを囮にマック=アリスターが詰めた場面はゴールに迫ったが、シュートは枠をとらえない。
となるとここから先は我慢比べ。カウンターのトッテナムか、それとも押し込んで崩し切りたいブライトンか。ブライトンはランプティ、ウェルベックと次々に引いた相手に動きを付けられる選手を投入して攻勢を強める。
だが、試合を決めたのはトッテナムの方。ベンタンクールの持ち上がりから裏に抜けたケインが仕留めて試合を決定づける。
後半は攻め立てる機会を得たブライトンだったが、シュートだけではなく崩しの質ももう一声といった感じ。さすがに降格までは距離はあるが、調子の上がらなさは心配でもある。
試合結果
2022.3.16
プレミアリーグ 第16節
ブライトン 0-2 トッテナム
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
TOT:37′ ロメロ, 57′ ケイン
主審:ロベルト・ジョーンズ