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「EURO2020ハイライト」~Group B Match day 3 ロシア×デンマーク~ 2021.6.21

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■宿ってしまったんだから仕方がない

 本拠地パルケンでの2節で連敗を重ねてしまったデンマーク。それでもめぐりあわせで言えば突破の可能性は残っている状況。ここまで後押しをしてくれている大観衆、そしてエリクセン。気を落とせるようなシチュエーションではないのは逆転突破に向けた救いだったはずだ。

 そんな敵地に乗り込んだロシアは今日も元気にジューバ大作戦。いつもに比べるとやや左に傾きながらボールを収めて前進を狙う。ロシアの前進はこのジューバ大作戦とゴロビンを軸としたドリブルに寄るロングカウンター。長いボールとドリブルでの陣地回復でデンマークのゴールを目指す。

 一方のデンマークはやや右偏重。クリステンセンが時には右のSBに入るようにして右サイドを押し上げたこともあり、右サイドは割と人が密集。入れ替わり立ち替わりで選手が飛び出してくるデンマークの右サイドはロシアにとって対応がしにくかっただろう。

 時間が進む中で目立つようになったのはデンマークが入れる中央への楔。30分付近くらいから中にダイレクトに縦パスを刺すシーンが目立った。そして、ロシアはややそのパスへの対応が甘かった。ロシアはその代償をきっちり払うことになる。間受けの旗手となったのはダムスゴー。そのダムスゴーがライン間で前を向くと右足を一閃。GKが一歩も反応できない虚を突かれたタイミングでデンマークが先制する。

 後半も均衡した展開だったが、ミスが出たのはロシア。バックパスをこの日振るわなかったポウルセンにプレゼント。この大会の彼のセレブレーションにはどうしてもグッときてしまう。

 後半のロシアはジューバ大作戦の効果がだいぶ薄れていた。デンマークはここに2人守備者をつけるようになっていたし、そもそもジューバへのロシアのロングボールの位置がずれるようになってきた。そのためにロシアはソボレクを投入し、ツインタワー作戦に移行。その結果、なんとなくプレッシャーは分散。押し込んだところでドリブルを仕掛けたゴロビンがきっかけでPKを獲得。試合をわからないところまで引き戻す。

 しかし、ここからのデンマークにはもう太刀打ちする術はなかったように思う。なんというか完全に宿ってしまった。79分のクリステンセンのゴールとかはもうなんか言葉もない。勝つって知っていても『すげぇ』って言ってしまうような得点だった。宿ってしまってはもうロシアとしては正直できることはない。でも宿ってしまったものは仕方ないし、ここに宿るべきだったし、俺も宿ってほしかった。

 スタンドの思いを投影したかのようなゴールラッシュですべてをひっくり返す逆転突破を果たしたデンマーク。勢いを持ったアンダードッグとしてノックアウトラウンドに殴り込みだ。

試合結果
ロシア 1-4 デンマーク
パルケン・スタディオン
【得点者】
RUS:70′ ジューバ
DEN:38′ ダムスゴー, 59′ ポウルセン, 79′ クリステンセン, 82′ メーレ
主審:クレマン・トゥルパン

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