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「Catch up Premier League」~2022.2.26 プレミアリーグ 第27節 エバートン×マンチェスター・シティ ハイライト

■ハンドを嘆ける会心の出来

 降格圏が後ろに迫った状態で悪戦苦闘するエバートン。ランパートが就任以降は内容に兆しを感じないことはないが、成績が明確に改善することはなく苦戦は続いていると言っていいだろう。

 そういう意味ではこの試合の彼らの出来は会心だった。相手と噛み合うように3センターでスタートしたこの日のエバートン。噛み合わせている状態を外すために動き出すのはシティでいえばベルナルド。この日はトップに入った彼が降りる動きからズレを作ろうとする。

 これに対してエバートンはとてもスマートに対応。WGのゴードンがストーンズにある程度ボールを誘導する形で中を絞ることで、ベルナルドが受けるスペースを消すことを優先したのが非常に効いていたように思う。

 この日のエバートンが良かったのは人基準の守備の割には深追いしすぎずにマークの受け渡しをしたこと。そして、相手との距離を詰めた後に無理に飛び込んで交わされるシーンがほとんどなかったこと。自分で奪うのではなく、チームでボールを奪えればOK。今季なかなか具現化できなかったコンパクトさと相手へのタイトさを併せ持つやり方をようやく実現できていた。

 これによりシティは苦戦。特に高い位置で起点を作ることができず、サイドでのトライアングルでの旋回から相手を押し込むようなシーンが見られなかった。一方のエバートンは単一ではあるが、ボールを奪った後にルートがあった。ゴードン、リシャルリソンなど多少強引でもゴールに向かってボールを運ぶ意志があった選手が多く、彼らの推進力に助けられた格好だ。シティはサイドで1つしかパスコースがない!という感じだったけど、エバートンは1つあれば大丈夫!みたいな心強さを感じたというか。

 エバートンが前線にそうしたボールを繋ぐことができたのは、ビルドアップにおけるプレス回避がうまくいっていたから。バックラインからの対角のパスや、シティのプレスの連動の悪さ(実は攻撃以上に気になった部分である)の切れ目を狙っての縦パスから前進。より機能的に前進したのはエバートンの方と言っていいだろう。

 後半はだいぶシティが改善。流石に中盤より前のプレスの機能性が落ちたエバートン。アタッカーの推進力が奪われてしまったことにより、カウンターの頻度も低下する。ゴードン→グレイの投入は推進力の回復を狙ってのものだろう。

 後半は押し込んで支配的に時間を進めたシティ。サイドへの旋回と素早いサイドチェンジを駆使した幅を使った攻撃で徐々にエバートンを苦しめると、80分すぎにPA内でこぼれたボールをフォーデンが押し込んで先制する。

 奮闘していただけにこの失点は残念。この試合では今季のうさを晴らすような出来だっただけにエバートンファンにとっては手ぶらで持ち帰るのはさぞ悔しかったことだろう。終盤のロドリのハンドが取られていれば!と嘆くことができるくらいに、この日のエバートンはシティ相手に勇敢に立ち向かって見せた。

試合結果
2022.2.26
プレミアリーグ 第27節
エバートン 0-1 マンチェスター・シティ
グディソン・パーク
【得点者】
Man City:82′ フォーデン
主審:ケビン・フレンド

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