■立ち上がりからの殴り合いの代償は・・・
最終節における両チームの狙いは同じ。なるべく多くの得点を奪って相手に勝つことである。2位通過を狙うスイスはウェールズを得失点差で逆転する必要があるし、3位通過を狙うトルコは勝ち点3での得失点差をなるべくプラスに傾けておきたいという思惑がある。
したがって、この試合がオープンになることに両チームとも全く抵抗はなかったといっていいだろう。試合が立ち上がって早々に仕掛け合いを見せる。左サイドに人を集め打開を狙うトルコをあざ笑うかのように先制点を決めたのはスイス。この大会はここまで沈黙を続けてきたセフェロヴィッチが豪快なミドルを突きさし、一歩前に出る。
トルコの攻めは左右対称。左の攻めはCFのユルマズを中心に人を集めるのに対して、逆サイドはウンデルに広いスペース勝負での打開を託す。右サイドに人が集まっても、あまり互いの様子がわからなかった動きをしていたので、このアプローチは正しかったように思う。
対するスイスも押し上げは左サイドから。今日は3バックの左に入ったリカルド・ロドリゲス。攻撃時にはSB可視、同サイドのツバーの攻撃参加を促す。ツバーはほぼWGとして前線を駆け上がっていた。
狙いはサイドだけでなく中央も。トルコのアンカー脇に縦パスを刺すのも前進の手段の1つ。今大会、ここまで厳しいマークを受けてきたジャカやフロイラーはやたらオープンになった一戦でようやく機能したというのはなかなか皮肉な感じである。ってことはより堅い展開が予想されるノックアウトラウンドではまた機能しなくなりそうということでもあるので。
前半のうちに追加点を得て一気にまくしたてるスイス。トルコは後半に1点を返すも、スイスに3点目を決められて試合は終わってしまった感。スイッチを勝手に切るのはトルコの終盤の悪い癖である。攻守に動きなおすことをやめてしまい、サボりまくってしまうモードに突入する。一方のスイスも90分間殴れるガソリンはなし。終盤は偶発的にもたらされた好機にそれぞれが取り組むという最終ラウンドのボクサーのような展開となった。
終盤はスコアは動かず、勝ったのはスイス。他グループの結果次第での3位通過に望みを託すことに。トルコは3戦全敗での敗退となった。
試合結果
スイス 3-1 トルコ
バクー・オリンピック・スタジアム
【得点者】
SWI:6′ セフェロヴィッチ, 26′ 68′ シャキリ
TUR:62′ カフヴェジ
主審:スラブコ・ビンチッチ