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「Catch up Premier League」~2022.2.19 プレミアリーグ 第26節 マンチェスター・シティ×トッテナム ハイライト

■少ない機会を見事な仕上げに昇華しダブル達成

 チームとしての陣容の整い方も前年の順位もシティの方が上、だが勝利を挙げたのはエース不在のトッテナム。というのが開幕戦のこのカードの成り行きだった。チーム史上初めてのCLファイナルの切符を鼻先で掠め取られたあの日から、シティにとってはトッテナムはうざったい邪魔者になっている。今節の対戦においても状況は同じ。無敗ロードを突き進むシティはリーグ戦3連敗という下げ潮のトッテナムと相対することになる。

 ヌーノは前の六角形を使いながら彼らの使いたいピッチ中央を封鎖してのショートカウンターの設計に取り組んだ。

 だが、コンテはヌーノとはやや異なるやり方でシティに対することになる。ケインに次いで高い位置を取るのはCHのベンタンクールとホイビュアの2人。SHのソンとクルゼフスキは低い位置まで下がって自陣を埋める役割を託される。

 そうなった時の懸念点は当然敵陣に侵攻できるの?という点である。それが可能であることを証明したのが開始早々のカウンターである。よく見るドラマの再放送くらい既視感のある、ケインのタメからのソンの抜け出しというシティ戦の鉄板パターンで決定機を作ると、最後の仕上げはクルゼフスキ。抜擢された新戦力の初ゴールでいきなりトッテナムが前に出る。

 シティはここからトッテナムの5-4-1のブロック崩しに挑む。立ち上がりはベルナルドを中央、右にスターリング、左にフォーデンという最近では珍しい並びにトライしたが、前半の早い段階で左からスターリング、フォーデン、ベルナルドとしっくりくる並びに戻した。大外からWBのポジションを動かしながら壊していくのがシティの強さだが、この日のトッテナムはWBにSHを重ねる2段構えで大外をプロテクトしていく。それゆえ、大外を1枚ずらしてのニアのスペースを開けるやり方は通用しにくい。やるならば全てを剥がし切るか、大外からピンポイントで放り込むかのイメージである。

 前者の部分で効いていたのはカンセロ。大外からトッテナムの警戒が手薄なエンドライン側からのドリブルで敵陣に迫っていく。そして、同点ゴールを生んだのは後者のパターン。スターリングのクロスにぎりぎり対応したロリスのこぼれ球をギュンドアンが押し込んだ。

 後半、より支配的になったシティ。トッテナムは攻めに出る機会を得ることができない。だが、前半に比べると単調なクロスが増えた感があり、トッテナムは跳ね返しが容易になってしまっている印象だった。

 そして、トッテナムは少ない保持の機会も目一杯生かそうというスタンス。ボールを持てた時はプレスも回避しながら押し上げる場面もあったし、カウンターにも枚数をかけられるように。少ないチャンスから生まれたケインのゴールはいずれも流れながらSBに競りかけるような形でクロスに合わせる状況。自陣深くの守備のタスクをこなしながら敵陣に出ていくことができたホイビュアやクルゼフスキの勤勉さは素晴らしかった。

 後半追加タイムの劇的な同点弾すらひっくり返されて勝ち点に結びつけられなかったシティ。これでトッテナムに対してはシーズンダブル。前半戦は自軍への加入騒動で不在だったケインに2得点を決められるというおまけつきでシティの無敗記録は止まることになった。

試合結果
2022.2.19
プレミアリーグ 第26節
マンチェスター・シティ 2-3 トッテナム
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:33′ ギュンドアン, 90’+2(PK) マフレズ
TOT:4′ クルゼフスキ, 59′ 90’+5 ケイン
主審:アンソニー・テイラー

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