■ハイプレス解禁を逆手に取る
前節、ようやくリーグ戦の連敗を5で止めたブレントフォード。とはいえ、内容はスコアレスドロー。できれば勝利で苦しむシーズン後半戦の活路を見出したいところ。今節の対戦相手は一足早く公式戦で勝てない苦しみから脱することができたアーセナルである。
開幕戦に続いた勝利でアーセナル相手にシーズンダブルを決めたかったブレントフォードだったが、この試合ではかなり厳しい立ち上がりからの展開となった。試合を支配したのはアーセナル。ボールを握るのはもちろん、ゴールに迫る機会も十分に確保。サイドの攻撃が機能しブレントフォードを守備に奔走させる。
アーセナルの選手は軒並みパフォーマンスが良かったが、今季ここまでの出来と比較して良かった選手はセドリックだろうか。開始から高い位置を積極的に取ることで、同サイドのサカやウーデゴールをフォロー。逆サイドからのボールの引き取り役という黒子としての働きも十分。サイドを変えるキックも備えており、これまでの保持の局面での仕事と比べてもこの日は高い水準の仕事をこなせたと言っていいだろう。もう1人、パフォーマンスが良かったのはラカゼット。これまでの試合に比べるとより、ゴール側の仕事に意識を向けたアクションが多かった。
一方のブレントフォードは自陣に押し下げられたことでなかなか前に進むことができない。ムベウモは高い位置でボールを収めることができず、カノスやヘンリーなどWBがクロスを上げる機会を確保することができない。
というわけで後半、ブレントフォードはハイプレスを解禁。積極的にボールを奪いに動き出していく。ところが、アーセナルはこのハイプレスに見事に対応。前半は高い位置で背負う役割をこなしていたラカゼットはプレス回避に動くことで起点となり、スミス・ロウの先制点をお膳立てすることに成功。ブレントフォードの反撃の仕掛けを跳ね返して見せた。
先制した後もブレントフォードのだらっとしたペースに付き合ったアーセナル。殴り合いになっても勝算があると踏んだのだろう。そして、そのアーセナルの賭けは結果的に正解。79分のサカの追加点を無理矢理にでも奪い取ったことで、最終盤のノアゴールの得点が致命傷にはならなかった。
メンバーが揃い、2月にようやく上昇気流に乗っかってきたアーセナル。2022年初勝利を連勝でつなげ、CL出場権のポールポジションを奪いにいく。
試合結果
2022.2.19
プレミアリーグ 第26節
アーセナル 2-1 ブレントフォード
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:48′ スミス・ロウ, 79′ サカ
BRE:90’+3 ノアゴール
主審:ジョナサン・モス