■殊勲弾はまさかの相殺…
5連勝で突破を首位突破を決めたリバプールにとっては完全なる消化試合。マネ、サラーの両翼こそ起用したものの、残りの主力は大幅なターンオーバー。前節と同じくアンカースタートとなったモートンをはじめとしてテスト色の強いメンバーとなった。
他会場の結果も絡むとはいえ、突破の可能性を残すミランにとってはここは当然真剣勝負。全力でリバプールに臨むこととなる。
立ち上がりはリバプールの保持の時間が長くなる落ち着いた展開。ミランはリバプールのバックラインにボールを持たせる選択をする。もっとも、プレス隊の先頭がイブラヒモビッチならば、そうするしか選択肢がなかっただけかもしれないが。
その分、タイトにマークを行ったのはサイドの選手。特にサラーとマネという大駒を孤立させるためのハードマークが際立っていた。ミランの縦関係は両翼に仕事をさせないためにハードワークで彼らを試合から締め出すトライをしていた。
特に左のSHのクルニッチは同サイドのIHであるオックスレイド=チェンバレンを監視しながらサイドの守備に奔走。いい時のリバプールの特色であるIHのサポートが見られなかったのは彼のタイトなマークが一因といえるだろう。
リバプールはオックスレイド=チェンバレンとサラーが厳しいマークにあう分、ウィリアムズが空く機会が多かったが、ボールをもって攻めあがれるほどのクオリティを保持で出すのは難しかった。
ミランは大胆に攻めあがるSBからリバプールの保持を押し返すやり方で陣地回復を狙う。貴重な先制点を奪ったのはミラン。CKからロマニョーリがスラしたところをトモリが押し込んで先制。難しい試合で先制点を奪う。
リバプールはミランのサイド圧縮に対して脱出できずに苦しむ。アンカーを使いながらサイドを変えることができれば問題ないのだが、モートンには少し重荷だったかもしれない。
リバプールの打開のきっかけになったのは1枚剥がすことができるオックスレイド=チェンバレン。ケシエを剥がして個人のクオリティでスルスル持ち上がり、右サイドから解決策を見つけると、ようやく解放されたサラーが同点弾をゲット。マンマーク気味のミランの包囲網を脱し追いついて見せる。
ミランはこれ以降は保持での不安定さが目につくように。ショートパスがつなげず、インサイドではリバプールの厳しいマークに遭い、前進ができない。サリーを使っての前進も積極的に行っていたが、ズレを作れずのどから手が出るほど欲しい勝ち越し点をなかなか手繰り寄せられない。
苦戦を続けるミランは後半10分、先制点をゲットしたトモリのミスからピンチを招いてしまい失点。殊勲弾を打ち消してしまうミスでさらなる苦境に立たされる。
リードを奪われたミランはかなり自由に動いていたケシエに攻撃的な振る舞いを許可。大外をSBのテオとフロレンツィに任せながらサイドを壊しにかかる。
だが、リバプールはこれに対してゴメスを投入し、最終ラインの枚数を揃えることで対応。高い位置を取るミランのSBの裏を取るカウンターから反撃を見せる。
最後は縦パスを付けられるバカヨコの投入など、打てる攻撃策は全てピッチに入れ込んだミランだったが、最後までリバプールの牙城は崩せず。他会場の結果を聞くまでもなく、今季のCLから姿を消すことが決まってしまった。
試合結果
2021.12.7
UEFAチャンピオンズリーグ
Group B 第6節
ミラン 1-2 リバプール
サン・シーロ
【得点者】
MIL:29′ トモリ
LIV:36’ サラー, 55′ オリギ
主審:ダニー・マッケリー