■予定外の交代選手が決勝点のお膳立て
ウェストハムを倒した前節のリーズは結果以上に内容が良化。オフザボールにおける豊富な運動量と、大きな展開からの攻撃は従来のリーズらしい強みを発揮できた。ファンにとってはここ数ヶ月の苦しい戦いからようやく脱することができるかもしれないという希望がとっても重要な試合だったように思う。
この試合でもリーズはウェストハム戦に続いたいい流れを継続。最終ラインからのビルドアップで、ニューカッスルを圧倒する。特にハードな対応に追われたのはニューカッスルの中盤。WG裏で受けるエイリングやダラスに対しても出ていかなくてはいけないし、自陣深い位置のハーフスペースに裏抜けするIHにもついていかなくてはいけない。
ジョエリントンやウィロックはIHの守備の仕事に忙殺されていた。リーズとニューカッスルはどちらも中盤の枚数は3枚なので、普通にやれば中盤は噛み合うのだが、リーズの中盤以外の選手がニューカッスルの中盤に対して余計な仕事を与えていたため、リーズの中盤は余裕を持ってボールを握ることができた。アンカーのコッホを中心にリーズがピッチを広く使うことができたのは、相手の中盤に中盤以外の仕事をさせることがうまくいったからである。
だけども、PA内での動きでは迫力が出ないリーズ。キャラクター的にジェームズは1人ではターゲットにならないし、復帰したロドリゴもIHから決定的な仕事するには至らなかった。
時間の経過とともにリーズの優勢は徐々に消えていくことに。個人的にはニューカッスルがジョエリントンからS・ロングスタッフに代わったことで、割り切って撤退色を濃くしたことがリーズにとって悩みの種になったように思う。
ニューカッスルが積極的なプレスを止めることで、リーズはオフザボールの動きで相手を出し抜く場面がだんだんと減ってきてしまう。すると勝負は局面での打開力勝負に。サン=マクシマン、ラフィーニャと両軍のエースが縦に早い動きでゴール前まで迫るカウンターの応酬となった。
このパンチの打ち合いを制したのはニューカッスル。この日のニューカッスルは交代枠を3枚とも負傷で使うなどやりくりが難しい状況にはなっていたが、交代で入ったマンキージョが大仕事。エイリングを出し抜いて、ジョレンテからファウルを奪取。この直接FKをシェルビーが決めて75分に先制する。
リーズは新鋭のゲルハルトを投入し、ゴールに迫るが後ろ重心でゴール前を固めるニューカッスルに対して解決策を見出すことができず。逃げ切ってのシーズン2勝目を挙げたニューカッスル。冬の移籍市場での活発な動きも相まって、ここから反撃の2022年となるだろうか。
試合結果
2022.1.22
プレミアリーグ 第23節
リーズ 0-1 ニューカッスル
エランド・ロード
【得点者】
NEW:75′ シェルビー
主審:クリス・カバナフ