■超ワールドクラスの証明
この試合の10分に行われるエリクセンの拍手までに失点するわけにはいかなかっただろう。デンマークの立ち上がりには鬼気迫るものがあった。この大会では珍しいオールコートマンツーでベルギーに面食らわせる。すると、2分には先制点がデンマークに。デナイデルのパスミスを誘ったデンマークのプレス、そしてポウルセンのフィニッシュとセレブレーションは録画みてもグッとくるものがあった。
3-4-3のミラーでの戦いだが、明らかに出足はデンマークの方が上。対面の選手に反転する自由を与えず、前進する余裕を持つことができないベルギー。中盤のティーレマンスという供給源を封じられた上に、最終ラインのビルドアップのためのサポートや動き直しが少ないため、早々に手詰まりになる。
左サイドのトルカン・アザールとカラスコのコンビまでボールをつなぐことさえできれば、チャンスにはなりそう。だが、その機会は限定的。好調のルカクにもボールは入らなければ意味がない。
ベルギーはプレスの勢いでもデンマークに劣っていた。プレスには出ていくものの、反転する余裕は持たせる程度の距離しか詰められず。オフザボールの動きをサボらないデンマークにとって前進は難しくなかった。前半は保持も非保持もデンマークペースだった。
後半に試合を一変させたのはデ・ブライネ。中盤に降りてくることができるデ・ブライネの登場で中盤のボールの預けどころを見つけることができるようになったベルギー。加えて、ルカクをサイドに逃がすことで前半よりも広い範囲で勝負できるように。同点ゴールはこの形から。ルカクの裏抜けから、前線に顔を出すところまで攻めあがったデ・ブライネが後方から追いついてきたトルカン・アザールにラストパス。同点に追いつく。
さらに、デ・ブライネは決勝点も。エデン・アザール投入でアタッキングサードの質が上乗せしたベルギーはデンマークの守備を完全に崩す。デンマークはデ・ブライネの登場以降、どうしても押し返すことができずに自陣に釘付けになった。
終盤はブライスワイトとダムスゴーの2人を軸に敵陣に迫るも、デンマークは最後の一崩しを上乗せすることができず。前半はデンマークペースだったが、デ・ブライネの登場で戦況が一変。アウェイの地で鮮やかな逆転劇を決めてみせた。
試合結果
デンマーク 1-2 ベルギー
パルケン・スタディオン
【得点者】
DEN:2′ ポウルセン
BEL:54′ トルカン・アザール, 70′ デ・ブライネ
主審:ビョルン・カイペルス