■残された手応えと逃した勝ち点にどう向き合う?
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https://note.com/seko_gunners/n/n667ce9297a90
内容でも結果でもシティがアーセナルを圧倒。近年のこのカードは例外なくこの流れになるのがお決まりだった。加えて、直近ではアーセナルがつまらないミスから失点をして、シティが省エネのまま変身を残して90分を終えるという明らかな力の差があるストーリーになることも珍しくなかった。
だが、この試合はこうしたこれまでのストーリーとは異なる筋書きだったと言っていいだろう。単刀直入にアーセナルがシティに互角以上に立ち回ったのである。
最大の要因はコンディション面だろう。中2日の2セット目に入ったシティに対して、中5日のアーセナルは明らかに元気。プレスもビルドアップも明らかに頭も体もクリアにシティを振り回していた。サカ、マルティネッリを中心に前線のアタッカーが体をはり、中盤でトーマスに前を向かせてサイドチェンジ。そこから最終ラインの裏を取り、クロスで決定機を生み出すというポゼッションチームのお手本のような流れでシティを圧倒する。
プレスにおいてもシティのポゼッションは脱出口を見つけられず。何よりシティは前線の選手のオフザボールの動きがすこぶる悪く、前節出番がなかったスターリングとアーセナルが降りる動きを捕まえきれなかったジェズスを除けば、足元に要求してはボールロストをひたすら繰り返していた。サカの先制点も元を辿ればデ・ブライネのドリブルがホワイトに咎められたところから。そこからのアーセナルの崩しの流麗さも含めて、この試合の両チームの出来をぎゅっと凝縮したような崩しとなった。
後半も流れは変わらない立ち上がりだったが、シティは得意のハーフスペースアタックからPKを奪取。アーセナルにとっては大いに不満が残る判定となったが、ここから試合はシティペースに。直後の決定機をマルティネッリが外すと、早い縦の攻撃からジェズスの潰しにガブリエウが失敗し、2枚目の警告を受けて退場する。
いくら、シティが不調とはいえ10人で余裕で守れるほど容易いチームではない。シティはストロングの右サイドを中心に、敵陣深い位置まで攻め込むとエリアの外からカンセロとデ・ブライネが、カットインではマフレズとベルナルドがそれぞれゴールを脅かす。
不調のシティはラストパスが刺さらないまま攻撃をだらっと続けるが、最後の最後に仕事をしたのはデ・ブライネ。難しい軌道のクロスにアーセナルはクリアし切ることが出来ず。最後はエリア内にロドリが押し込んで決勝点を奪った。
悲願となったシティ撃破最大のチャンスだったが、アーセナルはこの機会を逃してしまう。首位相手へのやれた手応えと勝ち点を逃した結果にどう向き合うかで今季のトップ4争いはもちろん、今後のアルテタのアーセナルの行く末は決まっていくことになるだろう。
試合結果
2022.1.1
プレミアリーグ 第21節
アーセナル 1-2 マンチェスター・シティ
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:31′ サカ
Man City:57′(PK) マフレズ, 90+3′ ロドリ
主審:スチュアート・アットウェル