ポゼッションを増やせども
ボーンマスは中断明けから明確に5-3-2に変更したようである。ビリングはIHに配置する形である。後方の重たい形でのブロックはパレスの強いところに枚数を割ける形になっている。パレスのWGには2枚体制でサイドに囲い込むように守ることが多く、サイドからの打開を封じていた。
ボール保持においては4バック変形。ケリーとセネシがGKを挟むように立ち、外から前進を狙っていく。パレスはザハがたった1人でバックラインへのプレス隊を行っていたため、かなりボーンマスの保持には余裕が出ていた。試合のほとんどはボーンマスのボール保持で進む。
だが、ボールをもてても主導権は握れず。少しでもアバウトさが出てくればクリスタル・パレスに咎められるし、大外からなんとかする突破力があるわけでもない。さらにはビリングが負傷交代と踏んだり蹴ったりなボーンマスの前半だった。
前進に苦しんでいるボーンマスに対して、クリスタル・パレスはカウンターからシュートを重ねていく。早い攻撃はファウル奪取に繋がり、セットプレーからチャンスを生むという好循環で、シュートすらないボーンマスを尻目にチャンスを積み重ねていく。
そして、先制したのはセットプレーから。コーナーからアイェウのゴールでネットを揺らし前に出ることに成功する。36分に決めた追加点もセットプレーから。CKからマイナスのボールを受けたエゼがバイタルからミドルシュートを放って2点目を得る。
ビハインドを背負ってしまったボーンマスは後半に巻き返しを狙う。前半に比べれば、中央に縦パスを入れる頻度が高まり、細かいコンビネーションからサイドに展開することで深さを作ることができていた。しかし、シュートに向かう手段がないのは相変わらず。押し込めるようになってもチャンスの構築の頻度は増えないままである。
15分くらい押し込まれながら何もできなかったパレスだが、徐々にロングボールから前進ができるように。セットプレーからコツコツチャンスを積み重ねていく形で地味ながらもボーンマスを脅かす。
結局、後半もゴールに近かったのはパレスの方。カウンターからの決定機から試合を決める3点目をいつ決めてもおかしくなかった。セットプレーから危なげなく逃げ切りを決めたパレスが年内ラストゲームを勝利で飾った。
ひとこと
ボーンマスのビハインドになった時の攻め手の少なさは気になるところ。パレスはじっくりと受けきりながらアタッカーの特性を活かす方向性に無理なく舵を切ることができていた。
試合結果
2022.12.31
プレミアリーグ 第18節
ボーンマス 0-2 クリスタル・パレス
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
CRY:19′ アイェウ, 36′ エゼ
主審:アンドレ・マリナー