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「Catch up Premier League」~2023.1.5 プレミアリーグ 第19節 チェルシー×マンチェスター・シティ ハイライト

後半頭の猛チャージでトラブル続きのチェルシーを下す

 年末年始の連戦の最後。中断明けから継続してきたメンバーを入れ替えて臨んだのはアウェイのマンチェスター・シティの方だった。後方のビルドアップを支えてきたリコ・ルイスとアカンジに代えてカンセロとウォーカーを起用するという変更を行った。

 変更したのはメンバーだけではない。フォーメーションにもグアルディオラはメスを入れた。カイセドをWBとみるかSHとみるかは微妙なところではあるが、右サイドにはカイセドとウォーカーを縦に並べる形。フォーメーションとしては4-4-2か3-4-2-1のどちらかといった形だろうか。

 ボール保持においては3-2でのビルドはキープ。ウォーカー、ストーンズ、アケの3枚の前方にロドリとベルナルドが並ぶ形になった。チェルシーのプレスはそこまできっちりかかることはなかったけども、攻撃はやや直線的で淡白なものに終始。細かいやり直し等は少なく、ダイレクトな裏抜けか、あるい右の大外のカンセロからの侵入のどちらか。ツィエクとチュクエメカが中央を締めていたこともあるが、あまりシティらしくない単調さであまりチェルシーのゴールを脅かせてはなかった。

 一方のチェルシーは序盤から誤算が連発。開始早々にスターリングが負傷し、トップ下起用の全容が不明なまま交代。左サイドのプリシッチも前半の内にいなくなり、オーバメヤンとチュクエメカが前半から交代で出て行くことになった。

 ただ、それでもチェルシーはクリーンな前進が可能ではあった。シティのハイプレスはここ数試合と同じく省エネモードのまま。バックラインからショートパスでボールをつなぐことはチェルシーにとっては難しくなかった。プレス回避の主役はコバチッチとザカリアの両CH。相手の逆を取るドリブルで中盤に風穴を開けてボールを前に進めることが出来ていた。

 DF-MF間でパスを受けてそのまま前を向いていたハフェルツも悪くはなかった。シティは中盤の守備もルーズであり、いくら何でも前を向かせすぎな場面が目立った。

 しかし、そこから先がうまくハマらないのがこの日のチェルシー。サイドの攻撃はWGとSBのタンデムであり、中央のメンバーでのサポートは皆無。このあたりは気が利くマウントの存在が恋しい。WGとSBのコンビでは右サイドではできることは限定的。ツィエクの右からのカットインクロスもバレているケースが多く、精度もそこまで高くはなかった。

 チェルシーはアタッキングサードで不満を抱えていたし、シティはボールの動かし方に難があった。どちらのチームも思い通りにいかない状況の中で試合はハーフタイムを迎える。

 後半、シティは勝負に出る。リコ・ルイスとアカンジを投入し、普段の装いにチェンジしたシティは後半早々にプレスで畳みかけていく。前半とは別人のようなプレッシャーからチェルシーのバックラインから時間を奪い、ボールを即時回収。ハーフコートゲームにもちこみ、一方的に攻撃を続けていく。

 サイド攻撃にもリコ・ルイスが加わったことで流動性がアップ。グリーリッシュ、マフレズの両WGのフレッシュさもアクセントとなり、アタッキングサードでもチェルシーに脅威を与えていた。前半は役割がふわふわしていたデ・ブライネもサイドに流れてのクロスを主体とすることでようやく役割が定まった感がある。

 そして、後半にチェルシーの守備は決壊。シティは右サイドから横断するようにサイドを変えて、最終ラインの前でデブライネが前を向くと、サイドに待ち受けていたグリーリッシュがエリア内にラストパス。ファーのマフレズがこれを沈めて先制する。

 ゴールエリアまで持ってこられる形はチェルシー目線からすればすでに悪かった。だが、それでもケパが飛び出していればマフレズがパスを受けるのを防げたようなボールだっただけに、がっくりきたチェルシーファンは多かったのではないだろうか。

 さて、リードを奪われたチェルシー。前半よりも激しいシティのプレスに苦しんでおり、なかなかに攻略の糸口をつかむことができない。幸い両CHのプレス耐性は生きていたため、チェルシーはここから相手を剥がしての脱出が出来ていた。

 だが、問題になったのはやはり攻撃の仕上げのところ。中央で相手を剥がしてもそのままスピードに乗ってゴールに向かうエネルギーが完全に欠如している。ギャラガー投入はそういった部分を補う意図だろう。とりあえず前に向けるエネルギーがなければ、ゴールまでボールは届かない。配置よりもガソリン的な意味でギャラガーはチェルシーの原動力になっていた。

 しかし、馬力は何とかなってもシティのバックラインを越えてゴールに迫るのにはやや無理があった。終盤に再びシティがペースを落としたことでチェルシーに保持の機会は回ってきたが、若手主体のメンバーは得点を得ることが出来ず。後半頭の猛チャージでもぎ取った先制点を守り切ったシティがアウェイで勝利を手にした。

ひとこと

 2回の交代機会と手薄なアタッカーを失ったチェルシーが敗れてしまうのは仕方ない。が、連戦はまだまだ続くという地獄は待ってくれない。両軍ともスカッド事情はあまり良くなさそうではあるが、1月に置いていかれるわけにはいかない。勝負の一カ月になるだろう。あと、ザカリアは怪我しなければ相当いい感じ。

試合結果

2023.1.5
プレミアリーグ 第19節
チェルシー 0-1 マンチェスター・シティ
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
Man City:63‘ マフレズ
主審:ポール・ティアニー

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