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「Catch up UEFA Champions League」~2022.10.5 UEFAチャンピオンズリーグ グループF 第3節 レアル・マドリー×シャフタール~

シュートが決まらなければ決着はしない

 共に4-3-3をベースにしながらも、非保持においては4-4-2気味の変化を行う両チームの対戦であった。IHがCFを助ける形でプレスに出ていくといった風情のシャフタールに比べると、より明確に4-4-2に変形したのはレアル・マドリー。ロドリゴ、ベンゼマの2トップを残し、バルベルデがSHに出ていくことで中盤がフラットな形にシフトする。

 W杯と試合を見る順番が逆だった案件なのだが、このレアル・マドリーはめっちゃ既視感があった。ほぼアルゼンチン代表である。3トップがCFに近寄って3人の細かいコンビネーションで崩すパターンはメッシを軸とした崩しっぽかったし、SHとCHを兼務しながら前線にも出ていくバルベルデはほぼデ・パウルだった。

 レアル・マドリーはまずはボール保持から堅実に前進。左のIHにクロースを下ろす形で人数を割きながらビルドアップを行っていく。立ち上がりはシャフタールもIHを上げるプレッシングで応戦したが、徐々に4-5-1ブロックを敷くことで安定。試合はレアル・マドリーのボール保持を軸に進むことになった。

 敵陣に積極的に仕掛けていくレアル・マドリーに対して、シャフタールは序盤からギリギリの対応を強いられるように。押し込みつつ主導権も握ることができたのはマドリーの即時奪回が効いていたからだ。高い位置からプレッシャーをかけて、シャフタールに1本目の縦パスを出させない。シャフタールはバックラインがボールを繋ぎながらプレスを回避していく形が多かったが、危険な形でのボールロストも多く、あまり効果的にボールを動かすことができなかった。

 シャフタールは撤退した後もなおマドリーのボール保持に対抗できなかった。特にアンカーのチュアメニを抑えることができず、サイドに自在に展開を許してしまったことが苦しくなる要素となっていた。なんとかラインアップをしてもバルベルデが一気にラインを下げる裏抜けを行うなどマドリーはシャフタールの狙いを外すことができていた。

 どの局面でも相手を上回ることができていたレアル・マドリーは順当に先制。中央でドリブルを仕掛けたロドリゴが相手とのワンツーをするような形から抜け出して先制ゴールを奪う。追加点もマドリー。3トップの流麗な連携からヴィニシウスが美しいゴールを決めてシャフタールを突き放してみせた。

 あとはマドリーがガンガン得点を決めるだけ!という流れ。しかしながら、ここからGKのトルビンが奮闘。ファインセーブでマドリーの3点目を防ぐ。得点を決めきれないというマドリーのシュートの問題もあり、なかなか決定的なゴールを奪い切ることができない。

 するとシャフタールは1点を返す。左サイドからのクロスからズブコフが決めて1点差に追いついてみせる。マドリーの即時奪回用のプレスさえ回避することができれば、シャフタールにもチャンスはあった。4-4-2の陣形に対して、大外とハーフスペースの両方に人を並べる形でマドリーの中盤をかき乱し、敵陣に迫っていく形は作り出すことができていた。

 後半はマドリーが再びプレッシングを強化。ハーフコートゲームに持ち込むことで再び流れを明確に持っていく。前半と同じようにシャフタールは自陣から脱出することができない状況になっていく。しかしながら、マドリーがシュートを決めきれない状況は前半と同じ。36本のシュートを打ちながら3点目を奪うことは最後までできなかった。

 とはいえ、シャフタールには後半の反撃のチャンスはあまりなかった。1点差で推移した終盤にラシーナ・トラオレを入れて2トップに移行した途端、プレスを強めてチャンスを作るマドリーのしたたかさはさすが。ペースを持っていかれないために要所をきっちり押さえているなと思わされた場面だった。

ひとこと

 決めきれない物足りなさと勝負所で流れを渡さないマドリーの強さと弱さをどちらも見た感じ。スカローニ、絶対このマドリーは参考にしている感。

試合結果

2022.10.6
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第3節
レアル・マドリー 2-1 シャフタール
エスタディオ・サンチャゴ・ベルナベウ
【得点者】
RMA:13′ ロドリゴ, 28′ ヴィニシウス
SHA:39’ ズブコフ
主審:イヴァン・クルジュリアク

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