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「EURO2020ハイライト」~Group A Match day 2 トルコ×ウェールズ~ 2021.6.16

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■『ぱなし』のツケ

 イタリアに後塵を拝し、まずは2位浮上を狙う両チームの対戦。前節イタリアと対戦したトルコは、イタリアには明け渡していた大外のレーンをこの日は止めにかかる。イタリア戦よりは相手と組み合って渡り合う意識が強く出ているように見えた。

 一方でウェールズはスイス戦と似たアプローチ。同サイドに相手を閉じ込めて食い止めるように試みる。したがって、トルコは大きな展開でウェールズの誘導から脱出を狙う。イタリア相手にはボール保持の時間そのものを作れなかったトルコだが、ウェールズならば保持の時間は作ることができる。左サイドから逆に振る大きな展開で大外のチェリクを使い、ウェールズを左右に揺さぶる。

 しかし、右サイドのチェリクが決定的な動きができないこと、そして中央でのタメができないことからトルコの攻撃は停滞する。どちらかと言えば攻撃に鋭さがあったのは、カウンター主体のウェールズの方。特にベイルとラムジーのコンビは強力。受け手として優秀なラムジーと、タメが作れる上に自らがロングカウンターの旗手となれるベイルの2人がウェールズの核である。

 この日、より効いていたのはラムジー。間受けに裏抜けにトルコのバックラインを翻弄。特に裏に抜ける動きはそのまま決定的なチャンスにつながっている。が、なかなかそのチャンスを決められないじれったい展開に。ようやく手にしたのは42分。3回目くらいの決定機をようやく沈め、ウェールズが前に出る。

 巻き返しに出なくてはいけないトルコ。空中戦では優位に立ってはいるものの、どうしても決め手に欠く状況が続く。停滞した展開になったトルコはユルマズのポストを活用しながら中央に起点を作る方向にシフトチェンジ。ウェールズは時間が経つにつれ、ラムジーの戻りが遅くなってしまっており、中央にスペースはできるように。

 ただ、トルコは攻守にきめ細かさがやや欠けていた。中央でのポストを使うにも動き直しが少なく、連携が完結しない。守備においてもラインの制御や守備のフォローが見られない。ベイルが失敗したPKのシーンも安易な飛びこみが引き金になっている。

 押し込む状況は続くトルコだが、だんだんと攻めっぱなしの状況に。終盤は逆にウェールズのロングカウンターからの決定機が徐々にできてくるように。ラストプレーでロバーツの追加点が生まれたシーンでも、ベイルへのトルコのマークがあまりにも甘すぎる。攻勢に出るも攻守に集中力を欠いたトルコをウェールズが手堅く仕留めた一戦となった。

試合結果
トルコ 0-2 ウェールズ
バクー・オリンピック・スタジアム
【得点者】
WAL:42′ ラムジー, 90+5′ ロバーツ
主審:アルトゥール・ディアス

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