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「先制点でつまづかせる」~2023.2.18 プレミアリーグ 第24節 アストンビラ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第24節
2023.2.18
アストンビラ(11位/8勝4分10敗/勝ち点28/得点26 失点34)
×
アーセナル(2位/16勝3分3敗/勝ち点51/得点47 失点21)
@ビラ・パーク

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でアストンビラの3勝、アーセナルの7勝。

アストンビラホームでの対戦成績

 過去10戦でアストンビラの2勝、アーセナルの6勝、引き分けが2つ。

Head-to-head from BBC sport

Head-to-head
  • アーセナルは2年連続のビラ戦シーズンダブルを狙う。
  • 直近21試合の対戦でドローになったのは1回だけ。
  • アーセナルにとってビラ・パークはウェストハムのアウェイゲームに次いで勝ち点を奪っている場所。

スカッド情報

Aston Villa
  • タイロン・ミングスは太ももの問題で起用できるかは不明。
  • バートランド・トラオレは負傷中だが、ジエゴ・カルロスはアキレス腱の怪我から回復しつつあり、復帰が近い。
Arsenal
  • 背中に問題がありシティ戦を欠場したトーマス・パーティは当日評価。
  • モハメド・エルネニー、ガブリエル・ジェズスは引き続き欠場だが、エミール・スミス・ロウは復帰の見込み。

Match facts from BBC sport

Aston Villa
  • ジェラード政権最後の2試合以来のプレミアリーグ連敗。
  • 直近2試合の7失点はそれ以前の7試合と同じ。
  • ビラ・パークで連敗すれば昨年4月以来のこと。その時の2敗中の1敗はアーセナル戦。
  • 立ち上がり15分での9失点はリーグ最多。
  • 昇格以降、タイロン・ミングスが先発しない12試合では1勝のみ(D2,L9)。2019年12月のノリッジ戦が唯一の勝利。
Arsenal
  • 直近3試合のリーグ戦でポイントを落としており、初めの19試合と同じ数字。
  • 8月20日以来初めてリーグテーブルのトップにいない状態で今節を迎える。
  • アウェイでは33ポイント中25ポイントをとっており、昨シーズン全体より3少ないだけ。
  • アウェイでの公式戦は連敗中で、それ以前の14試合での2敗と同じ数字。3連敗となると2021年12月以来だが、無得点での3連敗となると2009年の12月以来のこと。

予習

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予想スタメン

展望

 縦パス一つから展開を加速させる

 リーグ戦3試合勝ちなし、かつ首位陥落。その上で中2日のランチタイムでのアウェイゲーム。相手は1週間たっぷり休養があるという一方通行的に厳しい条件で迎える今節の相手はミケル・アルテタの前任者だったウナイ・エメリが率いるアストンビラである。

 ジェラード解任の時点では17位だったチームは現在11位まで回復。残留争いとは無縁の位置まで順位を上げており、チーム作りはまずまずうまくいっていると考えていいだろう。

 成績だけ見ると安定感が抜群のように見えるが、内容は結構不安定な側面が目立つ。マンチェスター・ユナイテッド戦のように一気に畳みかけて競合に一泡吹かせるときもあれば、直近2試合のうように失点をひたすら積み重ねていくような試合もある。ジェラード時代にはシティから勝ち点を奪っているなどできる日はできる。こうした気質はクラブに根差している部分といえるかもしれない。

 スタイルにおける変化として挙げられるのはまずボール保持を大事にしている点である。バックラインはボールを持ち、縦パスを積極的に狙っている。横パスはバックライン同士による部分が多く、相手が食いついてきたタイミングで一気に前進ができれば理想的である。

 近頃のフォーメーションは4-4-2で固定されている。この布陣において特徴的なのはSHのキャラクターである。このポジションで起用される選手はブエンディア、コウチーニョ、ラムジー、マッギンあたり。軒並み攻撃的なMFタイプの選手たちであり、幅を取りながら戦うタイプの選手ではない。唯一、ベイリーはワイドに適性はあるが、イングスが移籍してからは基本的にはCFで使われることが多く、幅を取る役割は任されていない。

 よって、幅を取るのはSBの役目である。ディーニュ、ヤング、モレノ、キャッシュなどこちらは逆に大外レーンを使える人材が豊富。片側のSBだけ上げて3-2-5型に変形するか、CHのカマラが最終ラインに下がったり、マルティネスがCB間に入ったりなどして両SBを上げるというプランのどちらかである。どこまでサイドの選手が高い位置を取るかはその時の選手のキャラクターやスコアなどいくつかの要因次第という感じだろう。

 流れとしては中央の選手に縦パスを刺すorワトキンスへのロングボール→サイドに展開→クロスを上げるという形が多い。縦のパスを入れる前の段階ではバックラインのパス交換は行うが、一度縦のパスを入れてからは不可逆的で一気に攻める形が多い。

 クロスという攻撃の終結点はやり直しが少ない分、割り切って人数をかけている印象。特にエリア内は2トップに加えてCHのルイスや逆サイドのSBなど多くの選手が飛び込む。SHの選手たちはいずれもミドルシュートを持っているので、バイタルからこぼれ球を拾っての二次攻撃としてシュートを放つというパターンも持っている。

 ルイスはカマラが復帰してから特に自由を謳歌している。完全にBtoBの選手になった感じがあり、かつてトーマスのポジションで獲得を考えていたアーセナルファンからすると、少々今のスタイルは意外かもしれない(もっとも、獲得の段階でビラファンの方からは「アンカーじゃないよ。無理にやっているだけだよ。」という話を伺ってはいたけども)。

 4-4-2の非保持は基本的には格上のチームにはローブロックが多い。SHが下がり、きっちりとPA内を埋める。ビハインドなど追い込まれた時はプレスを発動するが、基本的には慎重策が先に来ることが多い。最後方にはおなじみのマルティネス。のせたらめんどくさい人物というのはW杯での活躍を見ずとも、アーセナル時代の彼のプレーを見たことがあるものにとっては自明である。

先制点で躓かせる

 端的にいうと、アストンビラはバランスを大きく動かすタイミングで歪みが出ることが多いチームだと思う。ビハインドで追いかけなければ!という状況におけるギアチェンジがとても裏目に出やすい印象である。もしくは同じ失敗を繰り返してドツボにハマっているパターンもある。

 例えば、ハイプレスに出て行った時にドウグラス・ルイスだけやたら出て行ってしまってズレが生じるとか、マークの受け渡しに失敗しているなど。前がかりになった結果、チーム全体に間延びやズレなどマイナスなことが起きやすい。

 そうした要素が顕在化しやすいのはアストンビラの保持のスタイルも原因がある。先にも述べたようにバックスからのパスは一撃必殺が基本。相手を揺さぶるような工夫をジャブ的に入れるとか、陣形を広げたりといったアクションはあまり多くはない。

 よって、バックスが縦パスをひっかけることは珍しくない。基本的にビハインドであれば、こうしたチャレンジをするケースが増えるので、アーセナル目線からすればこのようにバランスを崩すための先制点をなんとかして手に入れたいところである。早い段階での先制点はこうしたビラの難点を顕在化できる可能性がある。

 ミッドウィークも戦っているアーセナルにとっては豪華なアタッカー陣を擁しているビラと終盤まで殴り合うのは本意ではない。ミドルと速攻が得意なビラの攻撃陣は非常に曲者揃いだ。ハマる前に先制点で躓かせて、ズレを生かして試合をコントロールする方向にもっていきたいところだ。

 プレスはインサイドに縦パスを誘導するようにして、出した先を捕まえてカウンターを狙う。大外は限られた選手しか使わず、レーン交換はそこまで多くないので、クロスを上げられそうになったら躊躇なく寄せるのが基本。クロスを跳ね返した後の二次攻撃が怖いから、クリアの方向には要注意である。

 ボール保持においてはおそらくバックラインに時間を貰えることが前提と予想する。直近3戦は様々な角度から困難を突きつけられたアーセナルだが、ビラ・パークで想定される一番近い展開はブレントフォード戦のようにブロックを攻略する形だろう。

 ただ、サイドの旋回についていけるかとか、サイドへの全体のスライドがきっちりできるか?という点においてはブレントフォードほどのコミットは期待できないように思う。きっちりと振り切っていきたいところだ。

 少し気になるのはシティ戦の後半にビラが見せた5バック。シティが緩めたとはいえ、後半は守備が落ち着いたところがあるので、守備から入ろうと思った時にはこれくらい明確に割り切ってくることもあるかもしれない。同サイドのSHが降りつつ、逆サイドの2列目は絞ることでボールサイドのCHのスライドを支援する形。この形が出てくるとアーセナルとしては少しめんどくさいかもしれない。

 前節、ミスで絡んでしまった冨安は出番があれば攻撃でインパクトを残したい。できればアシストが欲しい。保持で活躍するブレイクスルーが彼には必要である。

 チーム全体としては狭いところを使うフィーリングは未勝利ながらも試合を経ることに上がっている感じはある。ローラインの攻略をじっくりやるスタンスと相手の縦パスを網にかけてのカウンターの二本柱で攻勢をかけたいところ。難所であるビラ・パークでかつての恩師に成長した姿を見せつつ、なんとか未勝利を止めたいところだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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