■苦しい展開を分けたセットプレーからの先制点
保持型のチームに対しては大人しくブロックを構えて迎え撃つ姿勢を取ることが多いウルブス。この試合でもブライトン相手にしっかりと構える形でボールを明け渡す。
ブライトンは保持から敵陣に進みつつ、最終ラインの攻略に挑むことになる。だが、最後の数十mのところで攻撃はノッキングしてしまう。ウルブスの中を閉じる守備のせいで、ブライトンのボールは外回りで循環。なかなかPAに効果的な配球をすることが出来ない。
むしろ、チャンスになったのは早い攻撃が決まりそうになった時。20分のマーチのシーンなどはその一例といえそう。ウルブスの弱点はワイドのCBの裏。ウルブスのバックスにはスピードがあるわけではないので、ネガトラで最終ラインの裏を取られるパターンが彼らが一番気にする部分である。
だが、ブライトンも弱みであるシュートチャンスを生かせないという部分が露呈。決定的なシュートを決められなかったのはこの日スタメンに抜擢されたムウェブだった。
しかし、ウルブスもなかなかシュートまでたどり着けない厳しい展開。早い攻撃を刺すことが出来ず、ボールが外に循環しながらの形が多く、WGが何枚も抜き去らないとどうにもならない!という昨シーズンみたいな形に終始した。
互いに悪い流れの中で先制点を奪ったのはアウェイのウルブス。セットプレーからの流れで攻め残ったサイスにネベスが裏抜けのラストパスが刺さった形。前半終了間際にウルブスがリードを得ることに。
後半はトランジッションの局面が増えた両チーム。ブライトンは縦に速い攻撃を繰り出そうにも、一度カウンターが減速する形になってしまうことが多く、先に指摘したようなウルブスのバックラインの機動力に付け込むような速攻を繰り出すことができない。
速い攻撃により適した人材がいるウルブスはリードしたことも相まって前半よりも楽になった印象。遅攻でもハーフスペースの裏抜けからの攻略を狙い、ブライトンのゴールに迫っていく。
終盤は左サイドからククレジャを中心にゴールを狙ってきたブライトンだったが、最後までシュートをウルブス側のゴールネットに突き刺すことは出来ず。
渋い試合運びながらもウルブスがトップハーフの立ち位置を固めることに成功した。
試合結果
2021.12.15
プレミアリーグ 第17節
ブライトン 0-1 ウォルバーハンプトン
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
WOL:45+1′ サイス
主審:トニー・ハリントン