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「EURO2020ハイライト」~Group F Match day 1 フランス×ドイツ~ 2021.6.15

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■虎子を得られなかったドイツ

 グループステージ第1節の目玉カード。圧倒的死のグループであるグループFで優勝候補の本命であるフランスが歴戦の猛者であるドイツと激突する。

 両チームは各国メディアの事前予想通りのスターティングメンバーを並べてきた。唯一異なるのはフランスの3トップの並び方。トップ下にグリーズマンを置く2トップ予想が目立ったが、実際の並びはフラットな3トップ。ドイツの3バックにかみ合わせる?と思ったのだが、右に開いたグリーズマンのマーク対象はリュディガーではなく、このサイドに降りてくるクロース。リュディガーは放置プレイである。

 誰かにボールを持たされて苦しめられるドイツというのは、どこかのワールドカップで見たことがある気はする。だが、メキシコほどフランスがめっちゃ組織立っていたかと言うとそういうわけでもない。例えば、中央の3センターの守備はやや開き気味。ミュラー、ハフェルツなど降りてくるドイツの前線をカンテ1人では潰しきれない場面も目立つ。

 したがって、ドイツも縦にパスを入れる機会さえあれば十分に前進することができた。強いて言えば縦パスの落としを受ける人と、そこから裏抜けする人までセットできれば上出来。だけど、ドイツもそこまでの完成度ではなかった。クラブでの役割を考えるとギュンドアンには1列前に入りたい。もちろん、被カウンターのリスクはあるけど。虎穴に入らずんば虎子を得ずがこの日のドイツのテーマだったように思う。リスクを取らないとフランスから点は取れない。

 フランスの攻撃はグリーズマンがフリーマン化。守備時の右サイドにこだわらず、逆サイドまで顔を出すこともしばしば。人を捕まえる傾向が強くなりがちだったドイツに浮遊するグリーズマンの存在はややこしかった。フランスの狙い目になっていたのはドイツの右サイドの裏。先制点の場面もその裏を突いたリュカの攻撃参加がトリガー。後半もラビオの決定機がこのサイドから生まれるなどフランスの攻めのターゲットにされていた。

 後半のドイツはその右サイドの保持を整備。WBのキミッヒがSHやIHのあたりに浮遊することでフランスの守備の基準を乱す。前半に指摘したカンテ周辺の過負荷をさらに増やすこと、そしてニャブリーの決定機のように前線に顔を出しながらレーンを入れ替えるなどチャンス創出に貢献。もちろん裏を狙われるリスクはあるけど、虎子を得るには仕方ない。

 だが、後方を支えるギンターの負傷から徐々にドイツのリスクが顕在化。後半はキミッヒの裏狙いに専念したフランスが逆に決定機を生み続ける展開になる。追加点こそ得られなかったものの、後半もフランスには多くの好機はあった。

 ドイツは後半の終盤に失速。間で受けられるハフェルツを下げてヴェルナー、サネというスピードスターコンピを投入したことが裏目になった。前線はミュラーと誰がリンクするかという部分がドイツの今後の伸びしろのように思う。結局大一番はフランスの勝利に。ドイツは2節、3節にプレッシャーがかかる苦しい状況を迎えることになった。

試合結果
フランス 1-0 ドイツ
フースバル・アレナ・ミュンヘン
【得点者】
FRA:20′ フンメルス(OG)
主審:デル・セーロ・グランデ

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