止まりかけていた矢先のミスが試合を決める
シンプルに落ち着かない試合だった。止まった方が負けというサッカーのルールにない分野で勝負をしているのかと勘違いするほど両チームは動きまくっていた。
立ち上がりからボールは両軍を行ったり来たり。相手からボールを奪ったらとりあえず縦に進んでいく。両軍とも縦には早いが、ロングボールのターゲットとして確固たる信頼を置ける選手はいないので、とりあえず蹴って跳ね返ってきてを繰り返しながらボールが前に進んでいくことを繰り返していた。
縦にガンガン進み、止まることが許されないサッカーである以上、ポイントとなるのは構図や仕掛けではなくシンプルなデュエルにおける優劣である。
中盤で優位を取ったのはエバートンの方だった。開始直後、オナナのセカンドボールの回収からシュートに行くなど中盤でのデュエルはやや優勢。リーズもマッケニーが入った分、強くはなったが苦しんでいた部分もあった。
一方でサイドアタッカーが前に進む身軽さでいえば現状はリーズに軍配。エバートンもサイドに追い込むことができればプレスに行くが、そこをニョントやサマーフィルが気合で打開するなどとても見ごたえがある戦いとなった。
両チームの溢れる闘志は乱闘という形で消化されることに。マクニールとアダムスの喧嘩から当事者以外が感情を爆発させていたのが印象的だった。ちなみにドゥクレとマケニーが一番暴れていた。
後半も前半と陸続き。その中で変化が見られたのはエバートンの右サイド。このサイドから積極的な攻め上がりからエバートンは打開を図っていく。
ただ、60分を境にエバートンの強度は落ちてしまい、徐々にリーズが中盤で前進をしていくように。リーズにわずかに流れが傾きかけている時間帯に得点を取ったのがエバートンだった。決め手になったのはコールマン。右サイドの角度のないところから直接シュートを決めて貴重な先制点を確保する。
リーズはインサイドに選択肢がなかったことを踏まえるとメリエのポジションミスといえるだろう。エバートンに疲れが見えている時間帯だったこと、ここ数試合の彼のパフォーマンスは良い流れで来ていたことを踏まえると悔しい失点となった。
リードを得たエバートンはこれによりこの試合で初めてゆっくりとプレーするように。急ぎたいリーズはラターをトップに入れる形で4-4-2に移行する。
ラター自体の背負う精度はそこまで問題になっている感じはなかったが、縦にパスを入れる精度やファウルスローなどからなかなかリズムをつかみきれない状態が続く。
結局試合はそのまま終了。メリエのミスに漬け込んだエバートンが止まったら負けの一戦を制した。
ひとこと
収まる拠点が見つからないエバートンが行き付いた先はひたすら運動量で圧倒という感じだった。多分、残り20分くらいは持たなさそうなので、あの時間帯に得点が奪えなかったら試合の流れは逆側に進んでいただろうと思う。
試合結果
2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
エバートン 1-0 リーズ
グディソン・パーク
【得点者】
EVE:64’ コールマン
主審:アンディ・マドレー