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「Catch up Premier League」~2023.2.18 プレミアリーグ 第24節 ノッティンガム・フォレスト×マンチェスター・シティ ハイライト

目次

ワンチャンスもワンチャンス

 前節、フラム対策としてノッティンガム・フォレストが用意したフォーメーションは4-2-3-1。ミドルプレスを回避し、なるべく中央の網にかからないように左右のロングボールを増やしながら立ち向かうといったものだった。

 今節、彼らがマンチェスター・シティを迎え撃つにおいて用意したプランは先週のフラム対策が可愛く見える極端なものだった。ベースのフォーメーションは4-3-2-1というべきだろうか。とにかく重心は後ろである。ただし、4バックの泣きどころである大外にはSBがきっちりと迎撃。IHやアンカーが最終ラインにスライドする形で5,6枚で最終ラインが形成される。

 同サイド圧縮、そしてフリーは作らない。これがフォレストの基本である。そして奪ったら右サイドの裏である。アーセナル戦と同じ基準で考えれば、シティのこの日のフォーメーションはベルナルドを左のSBとする4バックである。だが、似たメンバー構成で挑んだアストンビラ戦を見ればわかる通り、ベルナルドが4バックの左に入るという状況をシティの非保持で顕在化させるにはある程度のボール保持の時間と頻度が必要である。

 ボールを持ったら右サイドの裏というセオリーが徹底されているフォレストがそうした保持の時間を作れるはずがない。よって、机上でいえばベルナルドの背後を狙うというフォレストの実情はこのサイドをカバーするラポルトとのやり合いになる。ベルナルドの裏をベルナルドが存在しない中で奪い合うというなかなか哲学的な試合になった。もっとも、トランジッション局面でこのサイドを守ることがシステムによって担保されているとも見れるけども。

 いずれにしてもフォレストの裏抜けは孤軍奮闘感が強かった。ギブス=ホワイトかジョンソンのどちらかが右サイドの裏を取るのだが、インサイドのサポートは間に合って1人。場合によっては角度のないところから個人で何とかしなければどうにもならない!みたいな場面も平気で発生する。もちろん、抜け出す前に囲まれたりパスがズレたりして終了することもあるので、フォレストの得点の糸は相当細いものだった。

 一方のシティはブロックの破壊にいそしむ。手ごたえは好調でサイドから深くをえぐりつつ、エリア内でガッツリ勝負ができている状態。立ち上がりからあわやという場面も作りまくっており、フォレストはいつ決壊してもおかしくない状態が続いていた。ロドリの1列前に上がってのヘディングの決定機はシティが陣形を押し上げながら試合を進めている証拠といえるだろう。

 先制点となったのはベルナルドの脱力系ミドル。押し込んでエリアの外から打ち抜くという解決策で前半の内にゴールをこじ開けて見せる。

 後半もペースを握ったのは当然シティだ。フォレストは前半以上に押し込まれてどうにもならない状況が続いている。48分のフォーデンの独走のシーンで失点しなかったのはフォレストにとっては奇跡だろう。試合を終わらせることができるタイミングでフォーデンは足を滑らせてしまった。

 それでもほぼディアスを後方に置く1バックのような形でシティは押し込む展開を続けていく。フォレストは後半途中からリードしているにも関わらず、ほぼ陣形が5-4-1のようになっていた。だが、シュートが決まらない。この日は頼みのハーランドも不発。クロスバーに当たったり、跳ね返りを押し込まなかったりと試合を決める2点目が入らない。

 そういう状況が続けばフォレストにチャンスがちっとも来ない状況でも「もしかして・・・?」と思ってしまうのがプレミアファンである。この試合に用意された筋書きは「右サイド裏抜けからのワンチャンスをクリス・ウッドが沈める」というもの。移籍後も目立ったパフォーマンスができないまま苦しんでいたウッドが同点に追いつく大仕事を成し遂げた。

 あとは徹底的に守備である。ローラインにおけるケイラー・ナバスの安心感は異常で、ここまでの数試合で冬にフォレストに来た意味をすでに証明し終わってしまった。ヘンダーソンの復帰で1試合も出ない状況に仮に陥ったとしても成功と断言できる補強である。

 大量のチャンスをフイにしてしまい、勝ち点をこぼしてしまったシティ。直接対決で下したアーセナルに首位を再び明け渡すという文字通りの三日天下になってしまった。

ひとこと

 こういう、シュートさえ!っていうシーンが何個も続いて勝てなかった試合ってどう反省すればいいんだろうね。

試合結果

2023.2.18
プレミアリーグ 第24節
ノッティンガム・フォレスト 1-1 マンチェスター・シティ
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:84‘ ウッド
Man City:41’ ベルナルド
主審:グラハム・スコット

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