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「Catch up Premier League」~2023.2.26 プレミアリーグ 第25節 トッテナム×チェルシー ハイライト

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ほんのり優位をきっちり反映

 立ち上がりから落ち着かない展開の応酬で幕を開けたロンドンダービー。まず、目についたのはトッテナムにビルドアップに対するチェルシーの対応である。4バックでトッテナムの3バックに対応するにはどこかでズレを作らないといけないが、この試合ではデイビスに対してツィエクが下がり、最終ラインに入り込む形で数を合わせていた。

 チェルシーは前からのプレスの意識は高いが、ツィエクを引く位置まで下げている分、なかなか右サイドに圧力がかからなかった。そのために上下動できるロフタス=チークが右にいるのだろうが、長い距離を出ていって捕まえられないシーンも多く、結果的に中央に残るエンソが広範囲をカバーしなければいけなくなる状況になっていた。よって今日もチェルシーのハイプレスはハマらない展開が続くことになった。

 トッテナムは敵陣深くまでボールを繋ぐことができていたが、ロスト後の被カウンター耐性が脆い。チェルシーは速攻から数的優位の状況でカウンターを打つことができる。しかしながら、この日は前線のプレーのフィーリングが悪い。特に気になるのはフェリックスで、味方へのパスが合わない場面が目立ち、いつもの鋭いプレーは鳴りを顰めていた。

 バックラインからのビルドアップにおいてはチェルシーの守備陣のパススピードの遅さが際立つ。スタジアムの芝が長いのか、全体的にパスのスピードは遅かった。その中でもクリバリの窮屈そうなプレーはトッテナムのプレスの狙い所になっていた。

 全体的に見ればビルドアップの精度と出足の良さの部分でトッテナムはやや優勢だったと言える。ただ、それ以上に接触プレイや負傷者の続出で試合にテンポが出ないことの方がはるかに目立った。前半の見どころは終了間際の乱闘と言っても差し支えないくらい、両チームともサッカーの面では苦労していたと言えるだろう。

 後半、先制攻撃を成功させたのはトッテナム。左サイドからの流れるようなパスワークを逆サイドまで繋ぎ、エメルソンのシュートからのクリアを拾った二次攻撃をスキップが成功させる。刺さるようなミドルシュートでトッテナムが先制する。チェルシーは決定的なミスというのはなかったけども、断続的に悪いプレーがいくつも積み重なることで失点まで辿り着いていた感があった。

 チェルシーは前半よりは中央での細かなパス交換が見られるなどわずかながらも崩しの兆しが見えた。しかし、エンソのタッチダウンパスは多発しすぎていてトッテナムに見切られてしまっていた。あんまり乱発すべき類のパスではない気もする。

 だが、そうした飛び道具がないとまともに進めないのが今のチェルシーとも言える。トッテナムは低い位置に構え、ロングカウンターで陣地回復し、カウンタープレスでチェルシーのビルドアップを詰まらせるというやり方で敵陣に進撃していった。

 そして決定的な追加点はCKから。ニアでスラしたダイアーのラストパスをファーでケインが押し込んで勝負あり。オーバメヤンとムドりクの投入直前にトッテナムが完全に試合を決めてみせた。

 試合はそのまま終了。ほんのり見られた優位をきっちりスコアの差に反映したトッテナムがダービーを制した。

ひとこと

 チェルシーの辛い現状は続行。ボールと人を前に送れないという状況をチアゴ・シウバの負傷がさらに悪くしている感じ。代役のフォファナのパフォーマンスも穴を埋めるのに十分とは言い難く、暗い状況を打破するきっかけはなかなか見えない。

試合結果

2023.2.26
プレミアリーグ 第25節
トッテナム 2-0 チェルシー
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:46′ スキップ, 82′ ケイン
主審:スチュアート・アットウェル

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