勝敗を分けたのは終盤のカウンター
第4節の段階で一足先にグループステージ突破を決めたレアル・マドリー。引き分け以上で首位通過が決まる一戦となった。対するライプツィヒは最終節にシャフタールとの直接対決を控える形。少しでも有利な形で最終節を迎えたいところである。
試合は前回対戦と同じようにゆったりと保持側がボールを持つ展開に。序盤にボールを持ち続けたのはライプツィヒ。左サイドを起点に敵陣に攻め込む。1トップの脇からボールを持ちこむグバルディオルが後方の軸となり、フォルスベリとラウムの左サイドの関係性で抜け出す選手を作る。トップ下のヌクンクもこちらのサイドに流れてくることが多く、抜け出す形でマドリーのゴールを脅かす立ち上がりだった。
ライプツィヒは保持の良い流れを利用し、高いラインから跳ね返しを実施。五月雨式に敵陣での攻撃を続けていく。マドリーはこのライプツィヒの即時奪回に対抗するように動き出す。SBの位置まで下がるクロースや、サイドや低い位置に降りながらCFにこだわらずに起点になっているロドリゴなどの前線や中盤のポジションを下げる動きでボールの預けどころを作る。
降りると一般的に後ろが重くなってしまうという難点があるが、マドリーの場合は中盤の選手が前線に顔を出すことでポジションのバランスを取っていることと、降りる選手が相手を外しながら前線にボールを自ら運べるスキルを持っているケースが多い。このようにマドリーは押し返しのきっかけを作っていく。ただし、常にカウンターでマドリーのバックライン強襲を狙うヌクンクの機動力には警戒を払う必要がある。
得点を挙げたのは先にボールを握ったライプツィヒ。セットプレーからニアのシルバが合わせて、ファーのグバルディオルが押し込んで先制する。
さらにセットプレーの流れからライプツィヒは追加点をゲット。左サイドからの侵入でヌクンクがゴールを決めた。マドリーはクリアしきれてないにも関わらず、攻めに舵を切るのがやたら早かった。アタッカーとは言え、ボールサイドにいながら持ち場を放棄して高い位置まで走っていったヴィニシウスの判断は規律面で問題があるといえるだろう。
2失点目以降、保持の時間を増やしたマドリー。ライプツィヒは4-4-2で低めのブロックを敷いたこともあり、マドリーの押し込む局面を受け入れた形となった。ワイドからクロスを上げ続けるマドリーが報われたのは前半終了間際。右サイドの連携から前を向いたアセンシオが上げたクロスがヴィニシウスにつながり1点差に迫るゴールを決めた。
2-1で折り返した後半は前半と陸続きでマドリーの保持の時間が長い展開に。ただ、前半と比べるとマドリーの保持はエリア内に入り切れない感がある。アタッカーの動きが時間経過とともに減ってきたこともあり、マドリーはシュートまで持っていける機会が出てこなくなる。ライプツィヒがマドリーの即時奪回に対してプレス回避の耐性を見せたこともあり、マドリーは一方的なペースに試合を持ち込むことが出来なかった。
結果を分けたのは終盤のカウンターからの決定機。マドリーがヴィニシウスからの決定機を逃した直後、ライプツィヒが同じ早い攻撃からヴェルナーが仕留めて試合を決める3点目をゲット。終盤のこのカウンターに対する決定機は勝敗を分けた感がある。
終盤にマドリーはPK判定から1点差に追いつくが、時すでに遅し。ライプツィヒが最終節で優位に立つ大きな3ポイントをゲットした。
ひとこと
左サイドの保持でのスキルは非常に高いレベルで出来上がっている。ヌクンクがいなくなることが決定しているため、今季でこのユニットは解散決定。残りのシーズンを目に焼き付けたい。
試合結果
2022.10.25
UEFAチャンピオンズリーグ
Group F 第5節
ライプツィヒ 3-2 レアル・マドリー
RBアレナ
【得点者】
RBL:13′ グバルディオル, 18′ ヌクンク, 81′ ヴェルナー
RMA:44′ ヴィニシウス, 90+4′(PK) ロドリゴ
主審:ダニエレ・オルサト
