猛攻を防ぎ切り首位キープ
CLこそグループステージでの敗退を喫してしまったものの、リーガでは首位をキープするバルセロナ。特筆すべきはその失点の少なさ。ここまでわずか6である。
同じCLでのグループステージ敗退をしてしまったアトレティコはその舞台に返り咲くための4位争いの真っただ中。あまたのライバルを出し抜くためにもここは勝利が欲しいところである。
バルセロナの保持での振る舞いは左サイドを片上げする形の3-2-5。アンカーのブスケッツの横に入ってくる選手が少し流動的だったが、全体的なポジションのバランスはこの形になることが多かった。アトレティコは4-4-2で中盤をケア。バックラインには自由にボールを持たせてOKというスタンス。ハーフウェイラインからPA手前の10mくらいのところにブロックを組み、バルセロナの保持の様子をみる。
バックラインには自由を許しているアトレティコだが、2トップの脇からボールを運んでくるバルセロナに対して、中盤より後ろは非常に厳しくプレッシャーをかけていた。バルセロナはこのスタンスに受けて立つ構え。左サイドを中心に2トップの脇から侵入して攻略を狙っていく。
バルセロナが侵入を試み、アトレティコが跳ね返すという流れが続いていた試合だったが、流れを変えたのはペドリ。ドリブルによる打開で1人でアトレティコの守備網に侵入することに成功。そのまま、逆サイドまで展開し、待ち構えていたデンベレが先制ゴールを奪い取る。まさにペドリの魔法の杖を振ったかのような一撃でアトレティコに穴を開けてみせた。
アトレティコはこのシーン以降はジョレンテを下げながら5-3-2のように守ることが増える。時折、逆サイドのSHも下がりながら6バック気味になることもあるくらいであった。
非保持に関しては失点以降はソリッドに守れていた感のあるアトレティコだったが、保持面で苦労が目立つ序盤戦。しかしながら、30分くらいから徐々にペースを握る。フェリックスの降りる動きやモリーナの裏を取る動き等で徐々に盛り返していく。バルセロナの戻りが間に合ったシーンではもう一段階崩しが必要なので苦しかったが、トランジッションからチャンスを作る。グリーズマンは決定的なシュートチャンスを得ることも。逆にバルセロナはパスワークのミスが目立ち、ペースはアトレティコに流れた時間帯だった。
後半もアトレティコがさらにそのペースを強める。キーになったのはプレッシング。ジョレンテを中央に移動し、中央をより強固にする形で前半以上に積極的にプレッシャーをかけていく。
バルセロナはこのプレッシングにかなり屈した形。ボールをつなぐことができず、自陣からなかなか脱出することができない。デンベレのロングカウンターで散発的な攻撃を繰り出していくが、アトレティコのバックラインは余裕を持ってこれに対応する。ボールを取り返そうにもファウルが多く、クリーンにボールを取り返すことができないバルセロナ。きっちりファウルを取って帰ってくるフェリックスは非常に頼りになる。
押し上げるアトレティコは大外を担当するモリーナが高い位置まで顔を出す頻度が上がり、インサイドも厚みを出す攻撃を繰り出せるようになるように。しかし、なかなかネットを揺らすところまで至らない。
60分を過ぎるとようやくバルセロナに落ち着ける時間が訪れることになる。アトレティコは再び勢いを取り戻すためにフォーメーション変更で再点火。両翼にレマル、ジョレンテというワイドと中盤の1人2役ができる選手を並べる4-1-3-2のような形で再度の試合の活性化を図っていく。
終盤に再びペースを取り返したアトレティコ。波状攻撃を仕掛けるが、バルセロナのバックラインが立ちはだかる。特にグリーズマンのシュートをアラウホがすんでのところで防いだシーンはまさしく1点もののプレーとなった。
終盤はチャンスよりも小競り合いが目立った両チーム。仲良く退場者を出すなど荒れ模様の後半追加タイムになったが、なんとかバルセロナがゴールを守り切ることに成功。アトレティコの猛攻をいなしきり、貴重な勝ち点3を重ねることに成功した。
ひとこと
正直、Twitterではあまり評判が良くないように思えたアトレティコだったが、想像よりもちゃんとしていた。ジョアン・フェリックスがいなくなるの、結構辛そうに見えるけども。
試合結果
2023.1.8
リーガ・エスパニョーラ 第16節
アトレティコ・マドリー 0-1 バルセロナ
エスタディオ・シビタス・メトロポリターノ
【得点者】
BAR:22′ デンベレ
主審:ムヌエラ・モンテーロ