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「Catch up J1 League」~2023.4.1 J1 第6節 湘南ベルマーレ×ガンバ大阪 ハイライト

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大差を生み出す残酷なストーリー

 昨季の湘南×G大阪はG大阪にとって山口監督との再会というストーリーがその背景にあった。今季はそこに湘南側の谷との再会というストーリーが付け加えられることとなる。G大阪サイドはその思いにこたえるかのように谷を先発守護神としてこの一戦に送り出した。

 立ち上がりにボールを持ったのは湘南だった。3バックからボールをキャリーし、プレス隊の脇から運んで2列目からプレス隊の追撃隊を引き出していた。立ち上がりの湘南のスタンスは悪くはなかったが、G大阪は無理に深追いせずにサイドに追い込む形を作ってからボール周辺を囲い込む。

 G大阪は自陣に押し込まれることを許容する代わりに、湘南相手に防衛策を得ていたようだった。MFとDFのライン間はコンパクトに保つことができていたし、湘南の縦の楔は大体封じることができていた。

 G大阪は保持のアプローチもそれなりにできていたように思う。低い位置のサイドを積極的に使うことで、湘南の3-2型の前方のプレス隊を広げることができていた。これでひとまず第一関門はクリアという感じだろう。アラーノが低い位置まで降りてキャリーする序盤は全体の重心が低すぎるという問題点があったが、前半の中盤あたりからは広げた中央に縦パスを入れてポストプレーとオフザボールのランを組み合わせて前進するスタイルを見せることができていた。

 G大阪は徐々にきっかけをつかめていただけに先制点の場面は悔いが残るだろう。町野を目掛けたロングボール対応は人数的にも体勢的も十分に処理できるもの。目測と連携を誤った谷が完全に町野にゴールをプレゼントしてしまった格好になった。

 この先制点で湘南はポジトラという武器を敵にした感がある。右サイドの石原を起点に裏を狙う町野とライン間に入り込む阿部の縦を使う2トップからG大阪の右サイドを破壊。2点目はサイドの裏を取ったことでG大阪は全体的に後ろ重心での対応を余儀なくされることに。バタバタした対応が三浦の中途半端なクリアミスを呼んでしまった。

 ミス起点とはいえ、ゴールを続ければ自信がつくのがストライカーである。町野は40分にセットプレーの流れで角度のないところからシュートを決めてハットトリックを達成すると、2分後には再びゴール。決壊した湘南の右サイド側にG大阪の中盤の意識が向いてしまったことで、ポジションが乱れてしまい、空いた中央を攻め込まれて最後はまたしても町野が決める。

 前半のうちに4得点。ハーフタイムの笛を待たずして勝ち点的な部分では決着がついてしまった試合となった。

 大量リードを得た湘南は後半はさすがにスローダウン。G大阪がいかに相手を引き出しつつ、ポゼッションで攻略の糸口を見つけるか勝負になっていく。

 キーになりそうだったのは前半の内で鈴木に代わってCFに入ったジェバリ。ポストプレーにおける強力さはもちろんのこと、相手のラインと背後で駆け引きをするケースも多く、鈴木がなかなか見せることが出来なかった裏に引っ張るアクションを頻繁に見せる。

 特に効いていたのはアラーノとのユニット。追撃弾となるゴールも、2列目に配置された半田のボール奪取から一気にカウンターを発動し、2人でゴールを陥れて見せた。これ以降もジェバリのポストと反転からの直線的な動きは効果的。前半よりもさらにゴールに迫る機会が増えるようになった。

 湘南は失点してもなお動じずにカウンターに専念。ボールが自陣の深い位置にあっても落ち着くことができるのはひとえに3点差のおかげだろう。交代で入った平岡を中心にスポットのカウンターで反撃に打って出る。

 終盤にはジェバリにPKという決定的なチャンスが訪れるが、これは大きく枠外。2点差にして終盤にかすかな希望を残すことは出来ず。G大阪の反撃は1点に留まることとなった。

ひとこと

 谷の1つのミスが試合の表情を変えてしまったゲームだった。G大阪は昨季からGKのミスが試合に悪影響を与えるケースが多い気がする。今季もすでに東口と谷が決定的なミスを犯してしまっている。スカッドで見ればGKは屈指の陣容であるだけにやや不思議なところだが。

試合結果

2023.4.1
J1 第6節
湘南ベルマーレ – ガンバ大阪
レモンガススタジアム平塚
【得点者】
湘南:21′ 38′ 40′ 42′ 町野修斗
g大阪:66‘ イッサム・ジェバリ
主審:山下良美

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