Fixture
明治安田生命 J1リーグ 第10節
2023.5.3
京都サンガF.C(11位/4勝1分5敗/勝ち点13/得点14/失点14)
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川崎フロンターレ(12位/3勝3分4敗/勝ち点12/得点13/失点14)
@サンガスタジアム by KYOCERA
戦績
近年の対戦成績
直近10試合で京都の3勝、川崎の7勝。
京都ホームでの戦績
直近10戦で京都の4勝、川崎の6勝。
Head-to-head
- 直近3試合の京都戦における川崎の勝利はいずれも3得点以上決めたもの。
- 京都の直近2試合の川崎戦の勝利はいずれもホームゲーム。
- 直近3試合はいずれもホームチームが勝利している。
- 2年連続の5月での京都ホームの試合。
- リーグでのGWの対戦は過去2回。いずれも川崎ホームで川崎が勝利している。
スカッド情報
- 武田将平は右膝内側半月板損傷で数ヶ月の離脱中。
- ジェジエウは左膝外側半月板損傷により長期離脱。
- レアンドロ・ダミアン、瀬川祐輔と共にベンチ外が続く。
- 左ハムストリングの肉離れで8週間の離脱予定のマルシーニョは部分合流。
- 田邉秀斗は左膝側副靭帯損傷で長期離脱。
- チャナティップ・ソングラシンは清水戦で負傷交代。
予想スタメン
Match facts
- リーグ戦は直近2試合勝ちなし。
- 3試合になれば今季初めて。
- リーグ戦では6試合連続失点中。
- 今季のホームゲームはここまで引き分けがない。
- パウリーニョがJリーグにおいて唯一得点を決めている相手は川崎。
- 豊川雄太は3試合連続のリーグ戦で得点中。
- パトリックは直近5試合のリーグ戦出場で3得点を挙げている。
- 連勝すれば今季初めて。
- 今季のアウェイゲームでは全て失点を喫している。
- しかし、得点を決めたリーグでのアウェイゲームはここまで全勝。
- アウェイでのリーグ戦は引き分けがない。
- 今季のリーグ戦の勝利は全てアウェイゲーム。
- 中3日でのリーグでの連戦は直近3試合負けなし。
- 直近の中3日のリーグ戦連戦の勝利は昨年のホーム京都戦。
- しかし、直近の中3日のリーグ戦連戦の敗戦は昨年のアウェイ京都戦。
- 瀬古樹は出場時の90分における平均得点が3.1。チームで最も高く、チーム平均(1.5)の倍以上の数値。
- ジョアン・シミッチは4試合以上出場した選手のうちここまでスタメン出場した試合で負けがない唯一の選手(W3,D4)
- スタメン時における平均勝ち点が1.86でありチームトップ。
予習
第8節 G大阪戦
第9節 鳥栖戦
第10節 柏戦
展望
らしいスタイルを支える特徴的な人選
昨シーズンの中で最も川崎が苦しかった時期はいつだろうか?今季ほどではないにせよ、2022年も順風満帆なシーズンではなかったため、人によって様々なシーンが挙げられることになるかもしれない。
そんな中で少なくともノミネート候補に挙がるのは連敗を喫した5月の京都アウェイだろう。個人的な話ではあるが灼熱の観戦環境の過酷さも含めて、かなり苦い思い出が強いスタジアムだ。
なんの因果かはわからないが今年も亀岡での開催は5月。昨年よりも春に近い時期なので大丈夫だとは思うが、昨年の経験談として試合後にはスタジアム周辺の自販機はすっからかんだったので、水分に関しては京都市内から余裕を持った量を持参することをお勧めしたい。
さて、話を試合に戻そう。今季の京都のスタイルは非常にくっきりはっきりしていてとても曹貴裁監督らしいと言えるだろう。簡単に言えば彼らのスタイルはテンポを上げた状態で主導権を握っていくスタンスである。
プレスに関してはためらいがない。CFが前からCBにプレスをかけると、それに呼応するようにボールサイドのWGが高い位置にプレスに出ていく。外切り気味にプレスにWGが出ていくと、インサイドではマンツー気味の中盤がボールを刈り取ろうと待ち受けている。
バックラインは高い位置を維持しつつオフサイドをとりにかかる。ライン間に差し込まれるボールには出ていってボールを奪い、すぐさまカウンターに移行。少ない手数にゴールまで向かっていく。
自陣からのボール保持はバックラインが距離をとりながらボールを回す状況を作れる時もあるが、基本的にはとっとと前にボールを当てることが多い。仮にバックラインから時間を作れたとしても出口は一緒。前線へのロングボールで敵陣に迫っていく。昨季は絶対的な存在だった川﨑がベンチに座っているのもなんとなく納得感がある。
特徴的なのはFWのカラーである。3人のトップはいずれもFW型であり、WG型ではない。3人のFWが並んでいるイメージであり、誰に当ててもいいしレーンを入れ替えてもOK。ロングボールの的を絞らせないという狙いが見える人選である。
サイドにおいては個人で打開できるドリブラーはいないため、SBのオーバーラップの時間は欲しいところ。前線へのロングボールはSBへのオーバーラップを促す時間稼ぎができるかどうかがミソになる。
サイドからクロスを上げる状況さえ作れれば逆サイドのWG、飛び出しができる中盤などPA内の圧力を高めることはできる。クロスを上げる状況を作れるかどうかが京都の攻撃の成否を分けると言えるだろう。
強い川崎につきものなのは…
川崎が徐々に復調気配を見せているのはバックラインにおけるボール保持の安定感の創出が大きい。よって、京都のバックラインの圧力に対してどこまでこの復調の要因を前面に出せるかがキーになる。CFに追従するWGは非常にスピード感があるので、CBの時間は浦和や福岡に比べると明らかに余裕がない状況になる。
福岡戦では前を向くことができたシミッチは京都戦では同じようにはいかないだろう。中盤やサイドで時間を生み出すため重要なのはCBとSBの関係性である。京都はCF→WGのプレスの連動は見事だが、WGの後方はやや甘いことがある。
よって、狙いたいのは川崎のCBに京都のWGを食いつかせること。そして、SBを京都のWGの後方で受けさせることである。上福元、車屋、高井のトリオであればこうしたトライは可能だろう。というか、これをしてくれないのであれば、このユニットを活用する意義が薄まってしまう。
自陣からの脱出ができれば敵陣での駆け引きでは川崎側に勝負が見込めるだろう。SBの裏を活用することで京都のラインは押し下げることができるし、宮代や遠野はこうしたプレーを得意としている。そこからのゴールへの持っていき方には徐々に改善が見られる。京都は背走しながらエリアを守らなくてはいけない状況や、サイドにCBが釣り出された状況におけるPA内の対応あたりは怪しさを感じるので、前線のフリーランで相手のDFを釣り出すアクションはきっちりやりたい。
京都の気になる点としてはプレスの持続力が怪しいところ。時間の経過とともにプレスの圧力は弱まっていくため、川崎からすると粘り強くプレスを剥がしていくことが大事。自陣でビルドアップに詰まっていないにも関わらず、トップへのロングボールで逃げるアクションは京都を助けることになる。相手を釣り出してフリーマンを作って、前を向く選手を自陣で作るというところは欠かさずに行いたいところだ。
ボール保持においては前節のスタメンをそのまま活用することに抵抗はない。その一方で非保持においては懸念もある。京都はおそらくロングボールの活用という点に関しては、これまでの相手の中で鹿島と並んで最も積極的なチーム。知念と鈴木という的が2枚だった鹿島と比べても、枚数的に言えばより強烈かもしれない。
よって、川崎にとってはDFラインの対空性能は気になるところだ。特にSB。登里のところは京都の自陣からの前進のターゲットだけでなく、クロスの狙い所としても心配な部分である。
CBの2人も試されることになるだろう。空中戦の強度自体はあまり心配はないコンビではあるが、どこまで出ていくかの判断の部分は2人とも難がある。ロングボール主体の京都のスタイルは川崎にそうした判断を強いる機会はとても多くなる。バックラインにとってはミスなくできるかどうかを試される重要な90分になるだろう。
ここ数試合の復調気配を支えたのは間違いなく後方のビルドアップである。これまでと異なる時間を奪ってくるスタイルに対しても通用するのか、そしてロングボール主体の攻撃にも耐えられる強度があるのか。強い川崎には強固な最終ラインがつきもの。谷口とジェジエウがいない中での新ユニットが強い川崎形成の礎にふさわしいのかどうかが試される一戦になるだろう。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)