■幸運だけでは守りきれない
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最下位だった9月から足掛け2カ月。7試合負けなしで4位との勝ち点差は3。悲願であるチャンピオンズリーグ出場権を争えるところまで、アーセナルはようやく帰ってきた。上位を争うリバプールとの直接対決を次節に控えていることも考えると今節のワトフォード戦は絶対負けられない試合でもある。
直近の試合では前半の早い時間から先制点を奪うことで先行逃げ切りに転じるスタイルが馴染んできたアーセナル。この試合でも開始早々にネットを揺らす。ボール奪取からエリア内までスムーズに進むパスを出したメイトランド=ナイルズのプレーから最後はサカが叩き込む。惜しくもオフサイドで取り消されてしまったが、アーセナルにとっては順調な滑り出しとなった。
一方でワトフォードは相変わらず守備面での課題は際立つ。特に久しぶりの先発に復帰したローズは相変わらずの低調さ。対峙するとファウルを犯すか、簡単に裏を取られるの繰り返し。同サイドの冨安がオーバーラップしなくてもデニスはサカのフォローのために自陣に下がっていた。
ラカゼットへのファウルも軽率そのもの。ゴールに向かっていない選手に対して、わざわざしなくてはいけないチャレンジではないだろう。先のオフサイドの場面しかり、この場面で得たPKを決められなかったオーバメヤンが本来の調子ならば、試合は前半に決していてもおかしくなかった。
それでもこじあける強さがあるのが今のアーセナル。後半に重心を上げて一気に畳みかけに行くと、試合を決めたのは新10番のスミス・ロウ。リーグ戦3試合連続のゴールは連勝を重ねる原動力となる決勝点となった。
終盤、受けに回ったアーセナルはやや危うさこそあったものの、逃げ切りに成功。ファンにとっては嬉しい若武者の躍動と、新戦力がすっかり柱として君臨する守備ユニットの活躍でいよいよ次節はアンフィールドに乗り込むチャレンジに臨むこととなる。
試合結果
2021.11.7
プレミアリーグ 第11節
アーセナル 1-0 ワトフォード
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:56′ スミス・ロウ
主審:ケビン・フレンド