
流れでも得点でも別格だったディエゴ・オリベイラ
連勝で上位を追走する名古屋が次に立ち向かうのは味の素スタジアム。監督交代で再起を図るFC東京との一戦。長谷川監督にとっては古巣対決の試合となる。
本日の名古屋の陣形は2トップ+トップ下の3-4-1-2。FC東京に対して中央を固めながらブロックを組む。これに対して、FC東京はサイドからのキャリーで対抗。右のSBに入った小泉からボールを前に進めつつ、ここを軸としたパス交換で打開に挑んでいく。
押し込んでいく中で怖いのは名古屋のカウンターである。降りてボールを受けに来るユンカーはカウンター発動のスイッチを何度も押そうとしていたが、FC東京のバックラインは非常に粘り強く迎撃。降りる動きだけでなく裏に抜ける動きも含めて、名古屋の前線に起点を作らせなかった。
FC東京の中盤中央はそれなりにスペースがあったので、サイドから丁寧にキャリーして中央を横断してのWB勝負に持ち込むことができれば、勝ち負けまで持ち込むことができた名古屋。しかしながら、相手のプレスへの耐性はそこまではなく、ロングボールでのデュエル勝負に割り切ることの方がはるかに多かった。
名古屋のボール非保持はプレスへの意識は低く、FC東京からも相手を引き出しながらのポゼッションよりも正面衝突でのデュエルを望む機会が多かった前半。それにより、両チームとも接触でダメージを受ける選手が続々と。試合が止まる機会が多い前半となった。
その中で違いを見せたのはディエゴ・オリベイラ。パスを受けての反転シュートという一人で完結する形でブロック守備を攻略して先行する。オリベイラは流れの中でも当たり負けしない起点として奮闘。名古屋に対する収めどころとして機能した印象だ。
リードしても後半になってもFC東京のスタンスは変わらない。高い位置からのスイッチを入れていくプレスを軸に、名古屋のボール保持に対して呼吸を刺せないことを意識。プレスはきっちりとやり切ることが特徴で遅れて出ていかないことが意識されていることがいい循環につながっているように見えた。
起点を作ることができない名古屋は苦戦。85分にようやくFC東京を先回りする攻撃ができたが、これはオフサイド判定で攻撃が実らず。
このシーンの一歩前ではFC東京がオリベイラの追加点でさらに引き離すことに成功しており、85分の名古屋のチャンスは勝ち点奪取のために残されていたわずかな機会だったといえるだろう。
追いつく機会を逃した名古屋はついに連勝がストップ。FC東京が監督を代えた勢いで名古屋の前に立ちはだかった。
ひとこと
オリベイラが別格。彼のように起点となれる選手が1人いるかいないかでこのデュエル合戦はいかようにも変わる流れだった。
試合結果
2023.6.24
J1 第18節
FC東京 2-0 名古屋グランパス
味の素スタジアム
【得点者】
FC東京:18′ 80′ ディエゴ・オリベイラ
主審:御厨貴文