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「Catch up Premier League」~2023.3.4 プレミアリーグ 第26節 マンチェスター・シティ×ニューカッスル ハイライト

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わずか5分、圧巻の鎮圧劇

 立ち上がりの攻めの手段は両チームとも非常にはっきりしていた。ニューカッスルは押し込んでからのセットプレー、シティはボールを奪い取ってからのロングカウンター。ボールを支配すると見られていたシティが攻撃で急いだことで試合は落ち着きのない展開を見せていた。

 シティは落ち着くとボール保持をスタート。3-2型に変形した後方からビルドアップを開始する。ニューカッスルはこれに対して躊躇なくハイプレスを行う。特にシティの右サイドのDFへのプレスは見事に自陣に追い込むことができていたと言っていいだろう。

 ハイプレスには当然リスクがある。もちろん、ひっくり返されてカウンターに移行されるというリスクだ。シティはカウンターも鋭いし、バックラインのプレス耐性もある。プレスをかける側にかかるリスクはかなり高い。

 このプレスに躊躇なく出ることができたのはニューカッスルの中盤のフィルター性能の高さが要因の1つ。バックラインがプレスを超えることができても、ミドルゾーンでニューカッスルの中盤がストップ。ブロックを形成する時間を稼ぐことに成功する。

 もう1つの要因はデ・ブライネの不調。この日のシティの攻撃は縦に鋭いものが多く、デ・ブライネにうってつけの展開だったと言えるだろう。しかしながらキックのフィーリングが合わず、プレー選択も渋いものが多い。せっかくニューカッスルの中盤を超えることができたシチュエーションでも、チャンスをフイにしてしまうシーンが目立った。

 ブロックを組む前に攻撃を完結させるか、それともブロックを破壊するのか。シティの攻撃が得点に結びつくにはどちらかをクリアする必要がある。先制点のスコアラーであるフォーデンがクリアしたのは後者。右サイドからの独力のカットインでブロックをこじ開けて貴重なゴールを手にする。

 大外でドリブラーがボールを持った時には、ニアを塞いでいることが多いジョエリントン。だが、このシーンではハーフスペースに抜けていくデ・ブライネに気を取られてしまった。空いたカットインのコースをフォーデンが見逃さなかった形。ニューカッスルのブロックが一瞬後手になる瞬間を一気に仕留めた。

 徐々にシティがニューカッスルのプレスに慣れてきたこともあり、試合は少しずつシティ側に主導権が流れていく。しかし、ニューカッスルのアンカーのギマランイスのケアの方法がいまいち定まらない。ギマランイスは後方からボールを受けて反転する余裕はあり、ニューカッスルのゲームメイクはここが空く限り死ぬことはない。

 終盤はギマランイスから右サイドにラインブレイクを促すフィードが通すことでチャンスを得たニューカッスル。ウィルソンが右サイドから折り返されたシュートをミートすることができれば、前半のスコアはシティの1点リードでは終わらなかったかもしれない。

 後半、ニューカッスルのセットプレーから始まる立ち上がりは前半の焼き直しのようだった。デ・ブライネのフィーリングの合わなさも相変わらず。ニューカッスルは少し保持を模索するが、基本的には前半の陸続きの物語と言えるだろう。

 そこから15分ほど試合はシュートがない静かな展開に。すると、エディ・ハウは60分を待ったように動き出す。ウィロック、イサク、サン=マクシマンの凶悪な3人を投入。これで詰まり気味の状況の打開を図る。

 交代は効果があったと言えるだろう。特に右サイドの裏に流れるイサクとアルミロンの相棒になったウィロックは投入直後から同点ゴールに近づく雰囲気を出していた。

 グアルディオラは3枚替えを見て、即座にデ・ブライネを諦めてベルナルドを投入。これがシティのプレッシング強化の合図。そして、ものの見事にハイプレスからのカウンターでベルナルドが決定的な2点目を決める。凶悪トリオ投入からわずか5分の出来事だった。

 試合は2点目でシティが押し切ることに成功。この後試合を控えるアーセナルにプレッシャーをかける勝利を挙げた。

ひとこと

 圧巻の鎮圧劇。またしてもベルナルドを使ったプレッシングで試合の流れが不安定な時間帯を一気に自分のもとに持ってきた。シティ、怖い。

試合結果

2023.3.4
プレミアリーグ 第26節
マンチェスター・シティ 2-0 ニューカッスル
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:15′ フォーデン, 67′ ベルナルド
主審:サイモン・フーパー

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