今度は逃げ切り成功したボーンマス
前節、マンチェスター・ユナイテッドを7点とド派手に撃破したリバプール。4位争いとサンチャゴ・ベルナベウ遠征に勢いをつけるためにもボーンマスを下しておきたいところである。
立ち上がりはバタバタとした展開に。試合が落ち着くようになるとボーンマスはいつも通りのスタンスに。アンカーを受け渡しながらのミドルプレスでリバプールの攻撃を受け止める姿勢を取る。
リバプールはひとまずサイドにボールを付けていくことで打開を図る。しかしながら、ボーンマスのブロックに対してズレを作れている感じはしない。エリオットは右サイドで起点になろうと流れるが、あまりポイントを作れている感じはせず。ボーンマスはマンツーで相手についていくところと、受け渡すところが明確でリバプールはその隙間でフリーになる選手を作ることが出来なかった。
左サイドではガクポとヌニェスのレーンチェンジが攻撃のメインの手段になっていた。だが、バイチェティッチが浮いているところを見ると、あまり関係性が整理されていないようにも見える。サラーとの1on1を受け入れてくれる右サイドの方がまだ有望な状態だった。
かといってヌニェスを生かそうとするダイレクトな展開に舵を切ると、ボーンマスはカウンターで応戦。直線的ながらも高確率で敵陣に迫ることができる精度の高いカウンターはアーセナル戦に続き健在。ワッタラ、ソランケ、ビリングを軸にして少ない機会を確実にシュートにつなげていく。
さらに、アーセナルと異なりリバプールはハイプレスを行うエネルギーはなさそうな様子。ボールを持とうと思えば持てるという状況を作ることが出来たボーンマスはストレスを保持で軽減することもできた。
そして、この状況で先制点を挙げたのはボーンマスの方だった。大仕事をしたのはワッタラ。右サイドでファン・ダイクを引きちぎることに成功すると、折り返しを受けたビリングが貴重な先制点をゲット。ワンチャンスを生かして前に出る。ボーンマスは先制点以降も前線はカウンターの起点として戦うことが出来ていたし、後方はサラーの居るサイドを徐々に手厚くしながら守ることが出来ていた。
後半、リバプールはジョッタ投入による4-2-3-1にシフト。ガクポはほぼ中盤仕事をこなすようになった。ファビーニョはより右に流れる頻度を上げて、右サイドの攻略を軸とする流れに乗っかる形に。前半よりは押し込めているリバプールはセットプレーでもあわやという場面を作り出しており、同点となるのは時間の問題だった。
その勢いに乗るチームをベンチから3枚替えという形で背中を押したクロップ。投入されたミルナーのオーバーラップからリバプールがPKを獲得する。だが、これをサラーがまさかの失敗。同点の絶好のチャンスを逃してしまう。
赦しを貰ったボーンマスはここから再び専制守備でゴールをクローズ。前節7得点のリバプールの攻撃陣にもPK失敗以降はもうガソリンが残っておらず、ボーンマスは先週と異なり今度は逃げ切り成功。リバプールはCL出場権獲得に一歩後退となる大きな一敗を喫してしまった。
ひとこと
ユナイテッドに7点の後、ボーンマスに負けるのだからプレミアは怖い。
試合結果
2023.3.11
プレミアリーグ 第27節
ボーンマス 1-0 リバプール
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:28′ ビリング
主審:ジョン・ブルックス